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CX-5やX3の好調に待った!アウディ待望のディーゼルSUV「Q5」はコスパ最高!!

&GP / 2019年5月27日 19時0分

CX-5やX3の好調に待った!アウディ待望のディーゼルSUV「Q5」はコスパ最高!!

CX-5やX3の好調に待った!アウディ待望のディーゼルSUV「Q5」はコスパ最高!!

ディーゼルは終わったーー。

かつて、ヨーロッパ市場を中心にもてはやされたディーゼルエンジンに対し、近年の風向きの変化を上記のようにまとめた記事をしばしば見かけるようになった。しかしそれは、半分は正解であり、半分は誤りだ。

確かに、VW(フォルクスワーゲン)がアメリカで起こした排出ガス偽装事件をきっかけに、さまざまな問題が表面化。欧州の新車販売におけるディーゼルのシェアも、かつてのようにディーゼル車が6割を超えるようなことはなくなった。しかし、それでも4割弱のユーザーは、今なおディーゼル車を選んでいる。つまり、根強い人気をキープしているのだ。

その理由は、なんといっても経済性の良さ。ヨーロッパでは、実は日本ほど軽油とガソリンの価格差がない。場合によっては、軽油よりガソリンの方が安いこともある。それでもユーザーたちは、ディーゼル車の燃費の良さを歓迎する。彼の地のドライバーたちは平均的に、日本のドライバーと比べて走行距離が長いため、ディーゼル車の燃費の良さはやはり魅力的に映るのである。

■アウディのディーゼル車が約40年ぶりに上陸

そんな、ディーゼル車に逆風が吹き始めたタイミングで日本へやってきたのが、今回、紹介するアウディ「Q5」のディーゼルモデル。

Q5は、メルセデス・ベンツの「GLC」やBMW「X3」などをライバルとするミッドサイズのSUVで、全長4680mm×全幅1900mmというボディサイズは、日本車でいえばマツダ「CX-5」や日産「エクストレイル」、そして、久しぶりに日本市場へ復活したトヨタ「RAV4」より少し大きいくらい。まさに、強力なライバルがひしめくクラスの1台なのだ。

実はこのクラスのSUV、CX-5はもちろん、先んじてディーゼルエンジンを導入しているX3やGLCなども、日本市場ではディーゼル車の販売比率がとても高い。例えばX3では、全体の8割がディーゼル車、という月もあるほどだ。つまり、ディーゼル車人気の高さはこのクラスの流れであり、アウディにとっても待望の導入ということになる。

参考までに、アウディが正規輸入車として日本へディーゼル車を投入するのは、約40年ぶりのこと。排出ガスの環境負荷が極めて少ない“クリーンディーゼル”搭載車はもちろん初めてで、ユーザーとしては待ちに待った、そして、メーカー的には満を持しての上陸といえる。

ちなみに、アウディジャパンの担当者によると「本当はもっと早くデビューさせたかったが、日本導入の認証作業などを行うためのマンパワーに限りがあり、さらに、2018年は新型車が多かったこともあって、今回のタイミングになってしまった」という。

■振動や騒音はプレミアムカーならではの出来栄え

ディーゼルエンジン(最高出力190馬力/最大トルク40.8kgf-m)を搭載するQ5のグレード名は、「40 TDIクワトロ」。最近のアウディは、グレード名の初めの2ケタの数字で動力性能の目安を示していて、40というそれは、2リッターのガソリンターボ(最高出力252馬力/最大トルク37.7kgf-m)を積む「45 TFSIクワトロ」よりも下。つまり、日本へ導入されるQ5においては、最もベーシックなパワートレーンという位置づけだ。

その走りをひと言で表すとしたら、とても良くできたディーゼルエンジン、という表現になる。振動や騒音といったディーゼル特有のネガを目立たないよう抑えていて、ジェントルで快適性が高い。まるでガソリン車かと思うほど、しつけがいい。

排気量やボア&ストローク、そして、出力やトルクの数値から推測すると、エンジン自体はすでに日本で販売されている、VWの「パサートTDI」と基本、同じものだが、多少“にぎやか”に感じるパサートTDIのそれに比べると、Q5ディーゼルはなんとも洗練されている印象。この仕立ての差こそが、アウディとVWの違いなのだろう。

■ガソリン車と比べると驚くほどハイコスパ

Q5ディーゼルは、車内にいれば、停止状態でも不快な振動やガラガラ音がなく、アクセルペダルを踏んでいっても、ディーゼル特有のザラザラとした感触こそ、ごくわずかに伝わってくるものの、基本的にはスムーズに回転が上昇し、加速していく。イマドキのクリーンディーゼル搭載車の中には、ディーゼルらしい騒々しさを伝えてくるクルマもあるが、Q5ディーゼルはまさに、プレミアムカーならではの仕上がりだ。4気筒のディーゼルエンジンとは思えないほど、回転上昇時のフィーリングも軽快で、市街地から高速道路まで、普通に走る限りはディーゼルのネガを感じさせない。

一方、ちょっと残念な点というか、ディーゼル車であることを実感せざるを得ない点が、全開加速時。これは、エンジン特性の問題なのだが、出だしこそ太い低回転トルクが強力な瞬発力を発揮するものの、その加速感を維持することができず、車速を高めていく時の絶対的な加速に関して「もう少し勢いが欲しい」と感じることも。ただし、走行モードを「ダイナミック」に切り替えると俊敏さが増し、スポーティな感触が強調されるから、走りを楽しみたい時はこのモードで選んで、ということなのだろう。

そして、Q5ディーゼルの最大のメリットは、やはり経済性の良さだ。燃費データは、カタログスペック上のJC08モードで、ガソリン車45 TFSIクワトロの13.9km/Lに対し、ディーゼルの40 TDIクワトロは15.6km/Lと、大差ないように見える。しかし、ディーゼル車は低回転域のトルクが太く、エンジン回転をあまり上げないでも力強く走るといったエンジン特性の違いもあって、実際の燃費データはさらに差が大きくなる。その上、燃料となる軽油は、ハイオクガソリンと比べて2割以上安いということも珍しくないため、ランニングコストは大きな差となるのだ。

そもそも車両価格が、45 TFSIクワトロの691万円〜に対し、40 TDIクワトロは631万円〜と、60万円も安い。おまけに、2019年10月までは、ディーゼル車に対する自動車取得税や自動車重量税の免税措置があることから、トータルすると100万円近い差となるはずで、お買い得感がすこぶる高いのである。

ディーゼルエンジンのネガをほぼ抑え込み、内外装でもクオリティの高さを余すところなく味わえる。Q5ディーゼルは、まさにプレミアムブランドであるアウディの底力を実感させてくれる1台だ。そんな、アウディとしては日本初となるクリーンディーゼル車を選ぶ最大の理由は、なんといってもコストパフォーマンスの高さに尽きる。よくよく考えてみると、それはヨーロッパでディーゼル車が好まれている理由と同じことなのだ。

<SPECIFICATIONS>
☆40 TDIクワトロ スポーツ
ボディサイズ:L4680×W1900×H1665mm
車重:1900kg
駆動方式:4WD
エンジン:1968cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:190馬力/3800〜4200回転
最大トルク:40.8kgf-m/1750〜3000回転
価格:657万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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