[Gear Maniax #137] 照射できるのは紫外線のみ!ワルサーのプロ向けUVライト
&GP / 2019年7月6日 21時0分
[Gear Maniax #137] 照射できるのは紫外線のみ!ワルサーのプロ向けUVライト
今回はWALTHER(ワルサー)「UV5」をご紹介します。名称から分かるように、紫外線照射LEDのライトです。
WALTHERと言えばドイツ、ドイツと言えばレッドレンザーという気がするこの業界ですが(ですか?)、WALTHERブランドのフラッシュライトの中でも珍しく「UV5」はズーム機能を備えているので、特にLEDLENSERの雰囲気が漂います。ボディの雰囲気なども「ぽい」感じですね。知らないところで協力関係があったりするのか、どうか…。
LEDLENSERぽいシンプルなボディのおかげもあり、グリップ感は悪くありません。ボディの平面削りが小さいので表記サイズよりも太く感じますが、全面ナーリングは感触がいいですね。尖りすぎず素手でもグローブでも扱いやすい感じです。
ズーム機能を持っていて、このボディで、紫外線の1モード照射というのが贅沢感、ガチ感ありますね。どういう用途を考慮しているのかわかりませんが…。
LEDのUV波長は395nm。可視光の範囲は諸説あるものの、一般には400nm程度~となっていますので、可視光に近いものとなっています。波長が短いUVは取り出すのが難しいので、395nmというのは比較的安易な波長ということになります。ただ、UVの実用面で見てみると、蛍光発色を促すには十分ですし、鉱物などは特定の波長にのみ強く反応する場合があります。高価な短波長UVの方が優れているというわけではなく、純粋に使い分けが必要ということです。
照射画像。流石にUVは暗く感じますので、普段よりもかなり明るく設定を作っています。肉眼でも、蛍光反射するラベル類が浮き上がって見え、そのほかが暗く見えますのでかなりインパクトのある光景が広がります。
ワイド側。ズームレンズのワイド側の照射は奥の暗さを感じるものですが、紫外線ではそれが際立ちますね。また、スポット側・ワイド側を問わず、紫っぽい目に見える光も目立ちます。普段、H2Tの可視光カット仕様に慣れているのでかなり違和感というか、不思議な感じを覚えました。この辺りはピーク波長が可視光に近いことも理由としてはありそうです。
色々なものを照らしてみましょう。
▲段ボールは、コピー用紙など蛍光発色する再生紙を含んでいるのでまだらに光って気持ち悪い
▲蛍光灯は明るく反応するが…
▲LED蛍光灯はそうでもない
ちなみに、
ボールタイプのLED電球の場合、箱の方が激しく反応したりして。
お札の赤の刻印は短波長を要求しますので、369nmでは変化なし。ちなみに、現在のPHOTOSHOPは、一部分でもお札を認識するとデータを開けません。
H2T UVライトと比較しながらやっていたので気づきましたが、ワルサーのライトの青いパーツは蛍光なんですね。
UV専用ライトはそれだけでプロ向けな感じがしますが、「UV5」が特にプロ向きと思うのは、こちらのマルチバッテリーシステムです。18650電池、CR123A×2、単四電池×3と3種類の電池を使用可能です。
これにより、普段はランコストの低い18650電池で使用しておき、万一業務中に電池切れになった場合はコンビニに駆け込めば良いという2段構えで運用できます。業務使用の場合の不安が完全に解消される素晴らしいシステム。
まだリチウムイオンバッテリーに抵抗があり、できればアルカリ乾電池で…、と考える人も少なくないので、このマルチバッテリーシステムは心強いかと思います。(アカリセンター価格:1万336円)
>> 連載[Gear Maniax]
(文・写真/アカリセンター)
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