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ルンバの血統を継ぐ、カメラ付き床拭きロボ「ブラーバ ジェットm6」 #家電最前線

&GP / 2019年7月23日 23時0分

ルンバの血統を継ぐ、カメラ付き床拭きロボ「ブラーバ ジェットm6」 #家電最前線

ルンバの血統を継ぐ、カメラ付き床拭きロボ「ブラーバ ジェットm6」 #家電最前線

【#家電最前線】

企業戦略から機能性・デザイン性に最新テクノロジーなど、日々革新を続ける白物家電業界から届く新製品を、記者独自の目線によるレポートで紹介。新たなライフスタイルやビジネス視点のヒントを探っていきます。

アイロボットジャパンは2019年7月23日、“ルンバDNA”を継承する新型拭き掃除ロボット「ブラーバ ジェットm6」を発表した。7月26日発売で、直販価格は6万9880円(税抜き)。

▲アイロボットジャパンが2019年7月26日に発売する拭き掃除ロボット「ブラーバ ジェットm6」(写真右)と、2019年2月に発売したロボット掃除機のフラッグシップモデル「ルンバ i7」シリーズ(写真左)

ブラーバシリーズは、NorthStarキューブを利用したナビゲーションシステムを搭載する「ブラーバ 390j」(同3万9880円)、水を噴射しながら掃除するスマートフォン連携機能搭載の「ブラーバ ジェット250」(同2万9880円)の2モデルをラインアップしているが、新型「ブラーバ ジェットm6」はフラッグシップモデルという位置付けになる。

2019年6月に発売したばかりのブラーバ 390j、ブラーバジェット 250に比べてかなり割高感があるが、その中身は別物といっても過言ではないほど進化した。従来モデルはブラーバシリーズの開発元である米Evolution Logistics(米アイロボットが2012年に買収)のDNAが色濃かったのに対し、「ブラーバ ジェットm6」はアイロボットが10年以上培ってきた“ルンバDNA”を惜しみなく投入したモデルと言える。

発表会に登壇したアイロボットジャパン 代表執行役員社長の挽野元氏は、ルンバシリーズについて「市場シェアが約73%と、去年よりも約10%アップしました」と語る。

▲アイロボットジャパン 代表執行役員社長の挽野元氏

「掃除機全体の市場が落ち着いて約0.4%の成長にとどまっているのに対し、ロボット掃除機は約10%の成長を実現しました。ロボット掃除機の存在感を測る上で、(10%の成長率は)1つの目安としてきた数字です。

ロボット掃除機を購入するときは必ずルンバ、ブラーバを候補に入れていただこうという取り組みを深めて、これからも加速していきたいと思います」(挽野社長)

▲ロボット掃除機の市場シェア

▲2019年の掃除機市場の成長率

 

■カメラナビゲーションを搭載し、約60畳まで掃除

▲本体前面からタンク内の水を噴射しながら掃除を進めていく

「ブラーバ ジェットm6」は「ブラーバ ジェット250」と同様、タンク内の水を噴射しながら付属のウェットパッドを用いて行う水拭きモードと、付属のドライパッドを用いて行うから拭きモードの2つのモードを搭載。

どちらのモードも1回の充電で最大60畳まで清掃できる。「ブラーバ ジェット250」が100mlのタンク容量だったのに対し、新型は約450mlとかなり大型化を実現したのが大きな特徴だ。

▲タンク容量は約450mlとかなり大型化した

▲ブラーバシリーズとして初めて充電ドックも付属する。バッテリーが足りなくなったらドックに戻って充電し、掃除途中の場所から再開する機能も備えている

注目したいのは、ブラーバシリーズとして初めて本体にカメラを内蔵し、「iAdapt 3.0 ビジュアルローカリゼーション」によるナビゲーション機能を搭載した点にある。

ロボット掃除機「ルンバ」シリーズの最上位モデル「ルンバ i7/i7+」にも採用している、家中の間取りを学習・記憶しながらくまなく掃除する「Imprintスマートマッピング」機能を備えている。

▲本体上部後方にカメラセンサーを搭載する

また、ブラーバシリーズとして初めてWi-Fi通信機能も内蔵。スマートフォン向けの「iRobot HOME」アプリを利用することで、外出先から掃除を開始したり、音声アシスタントのGoogleアシスタントやAmazon Alexaを搭載するスマートスピーカーを利用して声だけで掃除をスタートするといったこともできる。

▲スマートフォン向けの「iRobot HOME」アプリの画面

▲噴射する水の量なども設定で変更できる

アイロボットジャパン プロダクトマーケティング部長の山内洋氏は「『ブラーバ ジェットm6』は『ルンバi7』の機能をそのまま引き継ぎ、進化させたものです」と語る。

「室内を部屋ごとに記憶し、洗面所などは毎日、家全体は2日に1回といったように、家庭環境に合わせた掃除方法を設定できます。最大10フロアまで記憶できるため、2階に置いたら(ルンバやブラーバ ジェットが)混乱するということもありません。ブラーバ ジェットは、『ルンバi7の拭き掃除版』と言った方がいいかもしれません」(山内氏)

▲「ブラーバ ジェットは、『ルンバi7の拭き掃除版』と言った方がいいかもしれません」と語る山内氏

ルンバ i7シリーズユーザーとしてうれしい機能は、ルンバとブラーバ ジェットの連携機能だろう。新搭載の「Imprintリンク」機能は、ルンバi7シリーズがフロアを掃除した後に「ブラーバ ジェットm6」を自動的に起動し、ゴミやホコリをしっかりと取り除いた後に拭き掃除をしてくれるようになった。

▲ルンバ i7シリーズが清掃した後に、「ブラーバ ジェットm6」によって拭き掃除をするという連携機能「Imprintリンク」機能も実現した

また、Imprintスマートマッピングによって作成した部屋の間取り図を基に、「進入禁止エリア」を設けることも可能になる。従来は「バーチャルウォール」と呼ばれるオプション機器を設置することで、一部のエリアを進入禁止にすることができたが、新モデルではアプリ上のマップで進入禁止エリアを設定できるようになる。

この機能はImprintスマートマッピングを搭載するルンバ i7シリーズでも夏のソフトウエアアップデートで実現する予定とのことだ。

現在、さまざまな家電製品がスマートフォンなどと連携するようになってきたが、スマートフォンアプリで操作したり、声で命令したりと、それぞれを個別に操作する必要があった。

しかし、アイロボットのコリン・アングルCEOが描く姿は「System Intelligence」、つまり家の中の機器を把握しているロボットやIoT家電が自動的に連携するスマートホームだと挽野社長は語る。

▲アイロボットが目指すスマートホームの姿

「家全体がロボットになり、帰宅すると自動的に電気が付いて、エアコンの温度も自動的に設定され、好きなドリンクがロボットによって運ばれる」(挽野社長)というのが、一つの理想の姿だという。

ルンバが掃除機がけを自動化するだけでなく、終了したらブラーバ ジェットが水拭きでしっかりと床の汚れを落としてくれる。現状ではまだこの2つが連携しただけとも言えるが、家の中を常にきれいにしてくれるスマートホームの理想の姿へ、さらに一歩踏み込んだと言えるだろう。

>> アイロボット「ブラーバジェット m6」

 

(取材・文/安蔵靖志)

 

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あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。

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