日本文具大賞が選んだ傑作ステーショナリー大紹介!【2019上半期ベストバイ】
&GP / 2019年7月24日 19時19分
日本文具大賞が選んだ傑作ステーショナリー大紹介!【2019上半期ベストバイ】
【特集:2019上半期ベストバイ】
デザイン面と機能面の双方から、その年の優れた文具に送られる『日本文具大賞』が発表された。まずはどんな製品が選ばれたかを紹介。さらに、文具のプロに選ばれた要因を解説してもらった。
■秀逸なデザインが輝る文具たち
【第28回日本文具大賞2019 デザイン部門グランプリ】
マークスシステム
「手帳」(3456円)
女性の使用を強く意識。カバーをポリウレタンにすることで軽量に仕上げ、何種類ものリフィルを組み合わせて、自分だけの使いやすい理想の手帳を構築できる。
【デザイン部門優秀賞】
ピージーデザイン
「Kuramae Concrete ペン」(2376円)
シンプルなデザインのボディはコンクリート製で、書きやすさと耐久性を両立している。芯に三菱鉛筆のジェットストリームを採用しているので、書き味が非常に軽い。
【デザイン部門優秀賞】
カミオジャパン
「グロススティックマーカー」(432円)
コスメのテイストを取り入れた、マーブルカラーのリップグロス型フィルム付箋。非常に薄いフィルムなので、文字の上に貼ると、その部分を目立たせてマーキングできる。
【デザイン部門優秀賞】
TRINUS
「ハナイロエンピツ」(1944円)
日本を代表する花の“形”と“色”を表現する色鉛筆。軸の素材には、環境に配慮し、廃棄古紙を原料にした新素材を活用している。
▲軸も桜や桔梗など、その色のモチーフになった花の形になっている
▲削ると花びらのような削りかすが出る。贈り物などにいい
【デザイン部門優秀賞】
ダイゴー
「和紙ノートブック」(1566円)
和紙を使ったフルフラットに開く手帳製本のノート。和紙は通常、片面にしか書かないものだが、この製品では両面筆記に適したものが使われている。
▲センターの閉じがフラットになるので、ページの端まで書ける
▲裏写りしにくい和紙は、ペンを走らせると独特の感触で、ほかの紙にはない書き心地を味わえる
■機能で勝負!アイディア冴える文具
【第28回日本文具大賞2019 機能部門グランプリ】
プラチナ万年筆
「プロシオン」(5400円)
書き味が硬くなりがちなステンレス製のペン先だが、大型五角絞りを採用することで、金ペンのようなしなやかさを実現。また、キャップにはインクの蒸発を防ぐ “スリップシール機構” を搭載している。
【機能部門優秀賞】
LIHIT LAB.
「ドキュメントファイル」(810円)
外見は一般的なファイルだが、内部には10の仕切りがついていて、効率的に書類や資料を整理や持ち運びができる。
▲中の仕切りにラベルをつければ、どこに何が収納されているかがひと目でわかる
【機能部門優秀賞】
デザインフィル
「パッとメモ」(346円)
素早くメモを取りたい時に限って、新しいページがなかなか開かないことがある。この製品では、ページを糊付けする場所を工夫することで、未使用ページをすぐに開けるようになっている。
▲左側面が糊で綴じられているので、使用済みページはめくれる一方、新しいメモ面をすぐに開ける
【機能部門優秀賞】
マグエバー
「マグサンド」(1382円)
強力だが割れる、錆びる、滑りやすいという特徴を持つネオジム磁石をシリコンでコーティングし、滑りを防ぎ割れにくくしている。ガラスや樹脂、ある程度の厚さまでの木材などにペアで挟むように使用する。
▲フックが付いた部分とフラットパーツを組み合わせ、磁石で引き合わせて取り付けられる
【機能部門優秀賞】
カシオ計算機
「ネームランドイーマ KL-SP10」(4820円)
テンプレートが用意されたスマホ専用アプリと連動させることで、簡単にラベルを作れる。テープの幅や色もたくさん用意されているので、好みや貼るものに合わせたラベル作成が可能だ。
■デザイン大賞のシステム手帳は色合いが珍しく、リフィルの組み合わせが考えられています
デザインと機能の面から、その年に優れた文具に贈られるのが『日本文具大賞』だ。すでに発表されている優秀賞5製品ずつから、6月26日に大賞が発表された。これらはどこが優れていて、生活のどんな場面で役立つのか。それを探るには、日々たくさんの文具に囲まれているプロに聞くのが一番だ。
という訳で、文具をはじめ画材やデザイン用品の日本最大級専門店チェーンである『世界堂』の新宿本店、文具のスペシャリストである宮田まなみさんに受賞作品の数々を見てもらった。
「まず、デザイン部門グランプリに選ばれた「システム手帳」ですが、色合いがすごく女性向きでいいですね。従来のものはビジネス向けが多くて、男性主体に考えられたモノトーンが主流。カラフルな感じのものがありませんでしたから」
▲「リフィルの項目が、女性が必要なことを書き込めるようにうまく編集されていますね」
リフィルの種類が多く、その組み合わせで理想の手帳が作れるのも、受賞理由のひとつだ。
「これまでのシステム手帳もそのようにできていました。でもこれは、内容が女性向けに編集され、使いやすいように作られています。項目がよく考えられていて、ベースの色もピンク。この手帳のように華やかなデザインのほうが、モチベーションも上がって、“よし、仕事やるぞ!”ってなると思います」
機能部門グランプリ、プラチナ万年筆の『プロシオン』はどんな感想だろうか。
▲「当店では取り扱いがない製品もありますが、どれもいいものです。取り寄せができる場合もありますよ」
■プロシオンは、ステンレスのペン先でワンランク上の書き味を実現しているんです。
「実は私、万年筆のコーナーがメインで、文具全体を見ているような立場なんです。ですから、これが選ばれたのは嬉しいですね。売り場にも置いています」
▲「ペン先にこだわりを感じます。初めて万年筆を使う方にもいいですし、普段使いをする人にもお勧めです」
ならば、実際に使ったこともあるのだろうか。
「はい、あります。とても書きやすいですよ。ステンレスのペン先は、普通、書き味が硬く感じるんですが、プロシオンはしなる感じがちょうどいいんです、お値段の割にはワンランク上というか。それにキャップにも工夫が凝らされているんです。スリップシール機構というのが付いています。万年筆は普通、放ったらかしているとペン先が乾いてしまいますが、この仕組みで、乾きにくいんです」
また、カラーリングが多いのも宮田さんが推す理由。
「アルミのボディなんですが、カラーが全部で5色あります。女性が持つことを意識したのかなと思う色もありますね。もちろん、ビジネスで持っていても大丈夫ですよ」
さすが万年筆コーナー担当だけあり、話に熱がこもる。
「コンクリートでできたボールペンは、店ではお取り扱いがないんですが、ジェットストリームの芯を使っているから、すごくペン先の走りが良いですね。たぶん、芯の太さも替えられるみたいですね。」
▲「持った時の適度な重量感とバランスがいい感じです。たくさん書いても疲れが少なそうですね」
次に宮田さんが気になって手にしたのが「和紙ノートブック」。
「万年筆で書くと裏までインクが染みるかなと思ったのですが、そんなことはないですね。裏写りが少ない。それに、良い意味での引っかかりが心地良い。どんな筆記具を使っても書きやすいと思います」
▲「フラットに開くところや、下敷きに罫線が入っているのも使いやすさ考えたものですね」
「それから「パッとメモ」も画用紙のブロックみたいで面白いですね。今までありそうでなかったアイディアで、使いやすそうです」
▲「すぐにメモを取りたい時に便利かもしれません。ちょっとしたアイディが活きていますね」
結構気に入ったようだ。では「グロススティックマーカー」はどうだろうか。
「デザイン重視という感じで、グラデージョンがいいですね。フィルムが薄くて透けていますから、普通の付箋のように使うのではなく、書類や本の文字の上などに貼って、マーカーペンのように一部分を目立たせるために使うと、きっと役立つと思います」
▲「こうして見ると、本当にコスメみたいですね。女性が持っているとおしゃれに見えますよね」
文具は、毎年数え切れないほどの新製品が送り出される。その中から選ばれた受賞製品は、やはりどこか突出したものを持っているのだ。興味を持ったらお店に探しに行ってみよう。
文具、画材が何でも揃う世界堂 新宿本店
本格的な画材から、工作素材、ファンシー文具まで、数多くの商品を揃えている。また、それらの商品が安く、さらに世界堂カードを作るとお買い物券が出るので、次回の買い物が割引になる特典付き。有名画家や漫画家から美術学生に一般人まで、幅広いファンが集まる。
住所:東京都新宿区新宿3-1-1
営業時間: 9:30 ~ 21:00 無休(年末年始を除く)
電話番号:03-5379-1111
本記事の内容はGoodsPress8.9月合併号64-67ページに掲載されています
(取材・文/松尾直俊 撮影/湯浅立志<Y2>)
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