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ルンバを日本に広めた企業が、次に注目したのはハイブリッドスマートウォッチ

&GP / 2019年7月26日 7時49分

ルンバを日本に広めた企業が、次に注目したのはハイブリッドスマートウォッチ

ルンバを日本に広めた企業が、次に注目したのはハイブリッドスマートウォッチ

セールス・オンデマンドといえば、iRobotのルンバを日本に輸入し、広めた代理店。ロボット掃除機の国内での先駆であり、日本人のライフスタイルに変革をもたらしたと、言っていいだろう。そんな目利きの同社が今回選んだのは、ハイブリッドタイプのスマートウォッチ。

スマートウォッチ市場は、現状、Apple Watchの一強が続いている。そんな中で、同社が選んだのが「GLAGOM ONE(グラーゴム ワン)」。最大30日間という驚異的なバッテリー持続時間を備えているのだ。そんな同機のファーストインプレッションをお届けする。

GLAGOM ONE(グラーゴム ワン)は、あくまでも時計として使うことを前提にしている。そのため、バッテリーを消費するデジタル機能=スマートな要素を最低限に抑えているのだ。情報を表示するダイアル=文字盤に、E-Ink社製の電子ペーパーディスプレイを採用しているのもそのため。これら、機能の絞り込みにより、スマートウォッチでありながら、最大30日間というバッテリー持続時間を可能にした。

とは言っても、加速度センサーや光学式心拍センサーを搭載。歩数や睡眠状態、心拍数の計測が可能と、ほかのスマートウォッチと見劣りするものではない。届いたメールなどの内容こそ読めないが、メールをはじめ、SNSやSMSなどが届いたことを通知する機能も備えている。

さらに、デジタル要素とは別に、時計のムーブメントを備えているのも頼もしいポイントだ。このムーブメント用には、別途にボタン電池を使用する。そのためバッテリーがなくなり、スマートウォッチとして使えなくなったとしても、時刻を見る、という時計本来の機能は使い続けられる。

もちろん防水性も3気圧防水と、汗や雨などであれば耐えられる。スイミング時などには外す必要があるが、普段の生活で濡れるレベルであれば、気にする必要がない。

これが、GLAGOM ONEで実現した、スマートウォッチのミニマムな形なのだ。

これだけの機能を備えていれば、一般的にはバッテリー持続時間は1〜2週間だろう。だがそれを、最大30日間も使い続けられるのは、特筆すべき点だ。

■パーツの一つ一つにこだわりを感じる

ミニマムなのは、機能だけではない。そのデザインも極めてシンプル。ほぼ真円のケースから、ベルトが通してあるだけ。ダイアルの電子ペーパーディスプレイも、ブラックかホワイトかを選べるだけ。通知が来たときにも、これまたシンプルなアイコンが現れるだけ。正面からパッと見た限りでは、時針と分針を備えた2針ウォッチ。実は中身がスマートウォッチだとは分からないだろう。

ただし、各パーツ素材の選定には、こだわりを感じる。ケースには、316Lステンレススチール製を採用。金属アレルギーのユーザーでも気兼ねなく使えるため、肌身に着ける、リングなどのジュエリーでも使われる素材だ。

2針の時刻調整をするための竜頭(りゅうず)や2つのボタンも、クオリティの高さが分かる精巧なもの。見た目だけでなく、ボタンを押した時には心地よいクリック感が伝わってくる。

また、レザーベルトの留め金にはDバックルを採用。これもまた見た目がシンプルで美しいだけでなく、時計をスムーズに着脱できるうえに、着脱を繰り返してもベルトが傷みにくいといったメリットがある。

こうしたことから、価格が2万7000円(税別)とリーズナブルでありながら、上質さを感じさせるものになっている。

▲質感の高いケース、りゅうずとボタン

▲Dバックルを採用

■腕時計としての使いやすさと、デジタルの利便性を実感

▲文字盤の色を変えるだけで印象はガラッと変わる

そんなGLAGOM ONEを、さっそく使ってみた。はじめこそ説明書を読まないと、どう使いはじめて良いか分からなかったが、接続設定を含めて、とまどった点はない。アプリを含め、実際に使ってみると、当たり前に使いやすいのだ。

これまで様々なスマートウォッチを使ってきたが、この「当たり前に使いやすい」という製品は多くない。特に海外から持ち込まれたスマートウォッチには、説明書の日本語が分かりづらかったり、フォントがおかしいのはまだしも、漢字の誤変換があったりすることも多い。それがGLAGOM ONEの説明書は、日本メーカーが作る説明書と同等のクオリティだ。

また、他のスマートウォッチを初めて使うときに、なかなか繋げられず、不安に陥りやすいのが、スマートフォンとの接続設定。これもまた、いたってスムーズに設定できた。

といった簡単な設定を経て、丸1日間、時計を腕に着けてみた。なお、筆者の主な設定は以下の通り。

・白と黒から選べる文字盤は白にした
・6時方向に表示させられる時刻または日付については、日付を表示
・ビジネス/スポーツ/レジャー/省電力から選べるモードは、スポーツモードを選択
・「心拍数自動計測」機能をONにし、30分ごとに1度計測するよう設定
・電話の着信やSNS(Facebook/LINE/Instagram)のメッセージ通知はON
・スマートフォンから一定距離、離れると知らせてくれる紛失防止機能もON

▲設定することで、多彩なSNSなどの通知を可能にする

まずは当然のことながら、デジタルではなくリアルな2針の腕時計は、時刻を確認しやすい。腕をサッとひねって文字盤の時針と分針を見ると、瞬時と表現する以上に早く時刻が頭に入る。また、さっそく届書を書く用事があったため、日付を表示するよう設定したのも、良い選択だったなと感じた。

単に腕時計の機能だが、これらが瞬時に確認できるというのは、本当に便利だ。

だがこれだけなら、なにもスマートウォッチにする必要はない。

さらに便利なのが、電話の着信やSNSの通知が腕時計に届くこと。今やプライベートもビジネスでも、その多くがSNSでのやり取り。GLAGOM ONEで通知されるようにしておくと、スマートフォンを確認する必要がなくなる。

また、自転車に乗っている時にでも、確実に電話の着信に気が付くのだ。(普段、筆者は自転車で移動している。その際に、これまでは電話の着信に気が付かないことが多かったのだ)

また最近、少し健康管理……といえば大げさだが、歩数などを気にするようになった。GLAGOM ONEを「スポーツモード」にしておくと、ダイアルの外周部に、あらかじめ目標にした歩数の達成度がサークルバーで表示されるのだ。

文字盤をパッと見れば、時刻と日付、それに目標歩数の達成度の3つが、瞬時に確認できるということ。

▲時計を見れば、時刻と日付、目標歩数の達成度がひと目で把握できる

■あまり主張しすぎないデザインと機能が好感触

今回は試さなかったが「ビジネスモード」に設定しておけば、ダイアルの外周部に、用事のある時間をバーで表示する。どんな用事かまでは分からないが、何かの時間が近づいていることが分かるのだ。でも、どんな用事があるか分からないのが不満かと言えば、そんな不満は感じないはずだ。

なぜなら、そうとう多くのスケジュールが詰まっていない限り、今日、どんな用事があったかくらいは分かるだろう。また、この機能はスマートフォンのカレンダーと連動させるもの。本当に分からなければ、スマートフォンを確認すれば良いだけだ。

以上の機能面のほか、外観で過度なデザインがほどこされていないのが嬉しい。はじめはケースが厚すぎるんじゃないかとも思ったが、腕に着けてみれば重さもだが気にならない。なによりGLAGOM ONEなら、他の人から「あの人、スマートウォッチ使ってるんだぁ」ってバレなさそうなのが、筆者としては安心だ。

ミニマムと言いつつ、その他にも心拍数が測れたり、睡眠状況がモニタリングできたりする。これらの計測も、他のスマートウォッチで経験済み。できれば、GLAGOM ONEには、心拍計測や睡眠状況をモニタリングする意義を、高めてくれるようなアプリにしてほしかった。

他のもそうだが、まだまだ「計測できますよ」で終わってしまっているため、ユーザーが心拍数の推移表を見ても……だから何?……という感じだ。例えば心拍数や睡眠の質を計測したうえで、その日の体調の良し悪しや、精神面の状態が分かるようにしてくれないかなぁとも思う。

▲サマリーと歩数(週)が把握できるアプリ画面

 

▲睡眠の状況や心拍数もアプリで詳細が分かる

そういった要望は、今後に期待するとして、ミニマムと言いつつも、使ってみれば多彩な機能を備えているGLAGOM ONE。これで、Apple Wachのように毎日充電する必要もなく、その他のスマートウォッチのように1〜2週間で要充電ともならないというのは、好印象だ。

スマートウォッチには興味があるが、スマートフォンの代替ではなく、補助的な機能を備えていれば十分……あくまでも機能拡張された“腕時計”と言ったモデルを探している方には、有力な選択肢となるだろう。

>> 「GLAGOM ONE(グラーゴム ワン)」

 

(取材・文/河原塚英信)

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