車中泊が格段に快適になる!ogawa「カーサイドシェルター」【アウトドア銘品図鑑】
&GP / 2019年8月10日 11時0分
車中泊が格段に快適になる!ogawa「カーサイドシェルター」【アウトドア銘品図鑑】
テントよりも手軽にプライベートな空間を確保できるカーサイドテント。通常のテントやシェルターとは異なり、一面が開いていて、そちらをクルマの脇や後部に接続します。クルマをポール代わりにするんですね。
似たようなものにカーサイドタープやオーニングがありますが、これらは文字通り“ひさし”。雨や日差しを防ぐ屋根を生み出してくれますが、視線を防ぐことはできません。
いくつかのブランドからカーサイドテントが販売されていますが、老舗らしい作りの良さを感じさせるのがogawaのカーサイドシリーズです。
2003年に登場したロングセラー「カーサイドリビング」は、オーニングにウォールをつけたような簡易テントとは一線を画し、裾にはスカート、窓まで装備した本格派だと根強いファンがいる製品です。
そして2019年春に新しくシリーズに仲間入りした「カーサイドシェルター」は、カーサイドリビングよりもわずかにコンパクトなサイズで、今どきの丸みを帯びたミニバンと相性抜群。瞬く間に人気者となりました。
■設営
収納サイズは68×18×18cm、総重量約4.2kg。カーサイドリビングよりも1.3kgほど軽くなっています。写真はセレナのラゲッジに載せている様子です。椅子の下の隙間とほぼ同じ高さでした。
袋の中には幕とフレーム、ペグ、ハンマー、吸盤、アンカーバッグが入っています。アンカーバッグとは、ペグを使用できない舗装された駐車場で使う際に、中に石や砂、ペットボトルを入れて簡易的にテントを固定するためのもの。
組み立てはスリーブと、フックによる吊り下げの併用です。まず、スリーブにフレームを通したら、天井側のフレームを写真のテープポケットに差し込みます。その後、地面側のフレームを幕の端にあるピンを差すので、ひとりでも楽にフレームを通せますよ。フレームを通した後にフックを引っかけて幕を吊り下げるのは、ほかのテント同様です。
吸盤を取り付ける穴は片側に4つあるので、クルマのサイズに合う穴を選びましょう。ルーフの汚れを落とし、吸盤と圧縮板をクルマに抑えるようにして取り付けてから、カーサイドシェルターの穴に通し、上からネジで固定します。
最後に裾をペグで固定したら完成です。最初はクルマのルーフの形やサイズによって、どの辺りに吸盤を貼り付けたらいいのかちょっと迷ってしまいますが、それでも設営時間は5分に満たないほど簡単です。
対応する車種は、全高170〜200cm。コンパクトミニバンでは、フリードはOKですが、シエンタは全高がやや足りません。また、人気のハイエースだと標準ルーフのバンは対応しますが、ワゴンやバンでもミドルルーフになると200cmオーバーなので寸足らずになってしまいます。汎用性が高いので車種が変わっても使えますが、全高についてはクルマの買い換え時にはちょっと気をつけたいところです。
■居住性
取り付ける車両によって微妙にサイズが異なりますが、カタログ値では、クルマのルーフからカーサイドシェルターの端まで247cm。カーサイドシェルターの幅は285cm、高さは210cmとなっています。
内部はコットを置けるほど広々。少しだけクルマとテントの間に隙間が生まれましたが、ダイレクトに風が吹きつけることはなく、なかなか快適です。セレナのようにスライドドアだと、ファニチャーを配置していても出入りしやすいですね。
窓は二重になっていて、メッシュにすれば風を取り入れられます。
フルクローズ。車中泊だけでなく、着替えスペースとしても役立ちそう。
これは頼もしい! スカート付きです。冷たい空気が内部にはいりこみにくいので、冷え込む秋のキャンプも安心です。
■気になること
吸盤はかなりしっかりしていますが、風には十分注意したいところ。張り綱を追加したり、別売のタフなペグに変更したりすればある程度はカバーできますが、固定されない状態では風を大きくはらんで飛んでしまい兼ねません。強風時の使用は控えましょう。
リアに取り付けてみました。後ろに置いた荷物を取り出しやすく、使い勝手がいいのですが跳ね上げ式のドアだと天井部分とクルマのドアが干渉してしまいました。上下観音開きや横開きのドアならうまく使えそうですが、気をつけた方がいいですね。
また、当然ですがクルマをポールがわりにするので、設営後のクルマ移動は厳しいものがあります。別売のポールを用意すればたてた状態をキープできますが、中は丸見え。防犯上、そして急な強風によるトラブルを考えると、設営後はクルマの移動を考えず、ビールを飲んでまったりするのが正解です。
コンパクトなクルマをベースとしたキャンピングカーや、ルーフトップテントを載せたクルマが人気ですが、リビングをどうするかが悩みの種。カーサイドシェルターは、そんなクルマを中心としたキャンプを助けてくれます!
>> キャンパルジャパン
(取材・文/大森弘恵)
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