「Apple Watch Series 5」を使うときに覚えておきたい7つのポイント
&GP / 2019年9月28日 8時0分
「Apple Watch Series 5」を使うときに覚えておきたい7つのポイント
9月20日に発売された「Apple Watch Series 5」を実際に使ってみました。本稿では、同機が新たに搭載した新機能に関連して、購入時に知っておきたい7つのポイントをご紹介します。
1. 筐体のデザインはほぼ変わっていない
Apple Watch Series 3からSeries 4へのアップデートでは、画面のベゼルが狭くなるなど、大きな変化がありました。一方で、Series 4からSeries 5へのアップデートではハードウェアの見た目的な変化は目で見た限りわかりません。ただし、ディスプレイが「常時表示」に対応したことで、装着時の外見は大きく変わっています。
▲こう見えてスリープ中のApple Watch Series 5
ケースの素材としてはチタニウムやセラミックが選べるようにはなりましたが、今回使用したのはお馴染みのアルミニウムケース。高級モデルの質感についてのレビューは他の記事にお任せするとします。
2. 常時表示のメリットは3つ
常時表示が有効になっていると、かつてのスリープ時に相当するタイミングでも文字盤が表示されます。輝度の高い部分は黒めの色に変わり、最低限表示すべき輪郭なども明るさを抑えた色味へとトーンダウンします。モノクロ表示になったりはせず、カラーのままなので、さほど違和感はありません。また、常時表示を利用した状態でも、バッテリー持ちはApple Watch Series 4と同様なので、日常使いで支障はありません。
▲通常時(左)とスリープ時(右)。白い部分の輝度が下がり、秒針が表示されなくなっている
実際に使用してみた印象として、常時表示ディスプレイのメリットは3つあると感じました。1つ目は他人から見たときに文字盤が見えることで、装着者のファッションのアクセントになるということ。2つ目は電車の吊り革につかまっているときや、買い物袋をぶら下げているときなど、手を動かせないような状態でも、簡単に時刻を確認できること。3つ目は、従来モデルのようにパッといきなり文字盤が点灯しないのが心地よいことです。
3. 画面によって消え方が違う
常時表示の消え方は、文字盤やアプリ画面によって異なります。例えば、モジュラーコンパクトの場合には、時計の部分の白い地色が暗転し、他のUIも輝度が下がります。このときリフレッシュレートが1Hzに下がっているので、時計の秒針は表示されません。
▲常時表示に切り替わるときの変化は文字盤ごとに多様
また、「数字・デュオ」の文字盤では、数字の輪郭部分が明るい色で残り、内部は薄く暗めの配色に変わります。通常のデザインを極力維持しつつ、消費電力を抑える工夫がそれぞれの文字盤に施されているわけです。
▲設定画面で放置するとこんな表示に(ただし、手で覆ってスリープさせると、文字盤に戻る)
「設定」アプリなどを起動したまま、スリープ状態になると、画面全体がぼやけた状態になり、右上に数字だけが表示されます。雰囲気としては「写真」の文字盤に近いですね。
▲ワークアウト画面の常時表示の例(右)
また、ワークアウトのアプリを実行している際には、計測中の画面を常時表示で確認できます。こちらもリフレッシュレートを下げて省電力にしているという状況は同じなので、経過時間の小数点以下が表示されなくなったり、心拍数を表すアニメーションがオフになったりする点は通常表示と異なります。
4. 常時表示はオフにできる
常時表示は設定でオフにすることも可能です。その場合、Apple Watchの「設定」アプリから、「画面表示の明るさ」>「常にオン」をタップし、「常にオン」のスイッチをオフにすればOK。従来のApple Watch Series 4と同様にスリープ時の画面が暗い状態になります。具体的に比較検証はできていませんが、おそらく電池のもちも少し伸びるのではないでしょうか。
▲「シアターモード」をオンにすると、従来通りの暗い画面に
また、映画館に入ったときや、就寝時などには、一時的に常時表示をオンにしたい場面では、「シアターモード」を活用するのがオススメ。ホーム画面をスワイプアップして表示されるコントロールセンターから、顔のアイコンをタップして同機能を有効にしましょう。すぐに画面を消灯するテクニックとして、手のひらでディスプレイに触れる操作方法も覚えておくと安心です。
また、ワークアウト中の常時表示をオフにするには、「設定」アプリにある「ワークアウト」から「省電力モード」をオンにしておくことも一つの手段です。この場合、ワークアウト中のモバイル通信や内蔵心拍センサーなどもオフになってしまい、消費カロリーの計算精度などは下がりますが、経過時間を測定し続けたい場合には適しています。
5. プライベートな内容は非表示にできる
常時表示に関してもう一つ覚えておきたいのは、プライベートな内容を非表示にできる設定があること。例えば、「SIRI」文字盤に表示されるカレンダーの次の予定などは、他人に見られてしまうのは気になります。こうした場合に、「設定」>「画面表示の明るさ」>「常にオン」の画面にある「機密コンプリケーションを非表示」を有効にしておくと、常時表示のスリープ時などに、プライバシーに関する情報だけを非表示にできます。
▲「設定」>「画面表示と明るさ」>「常にオン」>「機密コンプリケーションを表示」
なお、「機密コンプリケーションを非表示」をオンにしたときに、カレンダーの予定やアクティビティの進捗情報など、プライベートな情報は非表示になりますが、天気予報の情報など、プライバシーと関係ないコンプリケーションはそのまま表示されるので、ユーザビリティへの影響は最小限です。
▲プライベートな情報が表示されなくなる様子
6. 方向がわかるのは便利
常時表示のほかに注目しておきたいのが、コンパス機能の搭載です。標準で「コンパスアプリ」が搭載されたのは、既に紹介しました。
[関連記事]もう画面は消えない! 新登場「Apple Watch Series 5」はここが変わった!
同アプリでは、自身の向き(時計のケースの向き)が正面になり、真北が赤い針で指されています。画面をぎゅっと押すと「方向を編集」というメニューが表示されるので、デジタルクラウンで進みたい方角を設定すると、目標方向からのズレを赤く示してくれます。
▲「コンパス」アプリを起動し、画面をプレスして「方角を編集」をタップ。デジタルクラウンで方角を設定すると(上記画像では「南」へ向かう)、ズレが赤いバーで表示される(上記画像ではやや西にズレているのがわかる)。終了時はプレスして「方向を消去」をタップ
また、デジタルクラウンでコンパスアプリの画面をスクロールすると、傾きや高度、緯度・経度なども確認できるので、カジュアルめなアウトドアシーンなどで活躍が期待できそうです。
▲「マップ」アプリの方向表示もありがたい
コンパス機能の恩恵としては、マップアプリで現在地を表示するときに、向いている方向がわかるようになりました。もちろんApple Watchだけで地図を見るシーンは限られるとは思いますが、従来は方向が表示されなかったので、Series 5の方が誤った方向に進んで失敗するリスクは下がったと思います。
7. バンド選びにちょっとだけ注意
「コンパス」や「マップ」アプリを初回起動するときに、「“コンパス”は一部の時計バンドにある磁性材料の影響を受けることがあります。」と表示されました。一部報道でも指摘されているように、確かにバンドによって、コンパス機能が影響を受ける場合もあるようです。
▲「コンパス」アプリなど初回起動時に表示された画面
ただし、注意すべきなのは、マグネットで固定するタイプのループバンドを使用しており、腕が極端に細い、または太いという人の場合。ケース本体に対して、極端にマグネットが近づきすぎてしまうと、影響が出るという意味のようです。また、初期のApple Watchで採用されていた古いタイプのバンドなどの一部にもケースに触れる部分に磁性を持つものがあるようで、使い回しをする際には注意が必要。サードパーティ製のバンドも確認が必要でしょう。
というわけで、正直、普段使いで気にしすぎる必要はなさそうです。ただし、アウトドアシーンでコンパス機能を使いたい場合には、あらかじめバンドによる影響が出ないかどうか確認してから使用するように心がけてほしいと思います。
* * *
堅実なアップデートを果たしたApple Watch Series 5は、最小構成で4万2800円(税別)〜。Apple Watchの初期モデルを購入した以降、買い替えを避けてきた人なんかは、今回狙い目だと思いますよ。
>> Apple「Apple Watch Series 5」
(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。
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