隠れた名品!? 安くて使える防水カメラ「ニコン COOLPIX S33」

&GP / 2016年2月4日 11時0分

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隠れた名品!? 安くて使える防水カメラ「ニコン COOLPIX S33」

休みの日に自宅マンションの前で息子と遊んでいた時のことだ。小学校2年生くらいの小さな女の子が、首から青いデジカメをぶら下げて歩いていた。首から提げていたのは、Nikonの防水デジカメ「COOLPIX S33」。発売されたばかりの頃は1万円台後半。それが今や、1万円を少し超える価格で買えてしまうカメラだ。

近所で女の子を見かけてから2週間後に、家族で海外のビーチリゾートへ。向かうは、幼児でも安心して遊ばせてあげられるグアム。この時、ニコンの「COOLPIX S33」を持って行くことにした。この低価格な防水デジカメが、どれだけの実力を持っているのか、試してみたくなったのだ。

「COOLPIX S33」の基本スペックは、防水であること以外は、特筆すべき点はない。いまやトレンドとなっている、スマホ連携機能なども非搭載。

S33_BL_front34l_lo_w Nikon「COOLPIX S33」。1/3.1型の撮像素子を採用し、有効画素数は1317万画素。35mm判換算30-90mmの光学3倍のズームレンズ(f/3.3-5.9)を搭載する。防水性については、水深10mで60分までの撮影が可能。高さ1.5mから厚さ5cmの合板に落下させるテストに合格している。約109.5×67.0×37.6mmで重さは約180g

 

外観は、良い意味でカジュアル。プラスチックの筐体は、角が丸っこく、誤って子どもにブツけたとしても、傷つけることはなさそう。重さも約180gと軽い。1.5mの高さから落としても、耐えられる。考えようによっては、良いこと尽くめだ。

なによりコロンッとした外観は、カメラっぽい“いかめしさ”はなく、可愛らしい。いつも持っていたいと思わせるデザインだ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 本体上部の右側にあるのが静止画シャッターボタン。左側が動画の録画開始ボタン

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 有効画素数は、1317万画素。35mm判換算で30〜90mmの光学3倍のズームレンズを搭載

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 充電は、USBケーブルを使う。モバイルバッテリーでの充電が可能で、旅行には最適だ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 2.7型の液晶モニターの解像度は、約23万ドット。5段階の輝度調節機能を備える

OLYMPUS DIGITAL CAMERA すべての角が丸っこいので、なにかと安心

 

明るい場所であれば、画質にも不満はない

いくら安くても、可愛らしいカメラでも、どんどん写真を撮りたいと思わせる画質でないと、持っている意味はない。「COOLPIX S33」で、どんな写真が撮れるのかを、実際のサンプルで見てみよう。ちなみに、写真はすべてオートモードで撮影している。

 

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低価格とはいえ、有効画素数は1317万画素。光がしっかりと被写体に当たっていれば、その解像度はまずまず。ビーチに生えている植物を撮ってみたが、画像データを拡大してみると、葉の表面の産毛のような葉毛も捉えている。

明暗差の大きなシーンでは、暗部が潰れ気味。だが明るい部分の表現力は悪くない。ただし、全体が薄暗い店内での撮影は苦手だ。気軽にパシャパシャ撮ると、解像感が低くなってしまうので、しっかりと手を固定して撮ることを心がけよう。

最大の利点は、IP68の防塵防水性を備えていること。ビーチでも気にせず、水面ギリギリからのアングルはもちろん、水中での撮影も可能。なにも気にせず、さまざまなアングルから、被写体を狙えるのは、それだけで大きなメリット。いくら高性能で高画質なカメラを持っていっても、防水でなければビーチで撮れるシーンは限られてしまうのだから。

静止画撮影については、総じて満足できる結果だった。もちろん粗を探せば、いくつも欠点はある(後述)。でも、撮りたいシーンを、カメラを大事にするがために撮れない、ということは皆無だ。まずはエントリークラスのカメラとしては、十分な性能を持っていると言えるだろう。

大きく配置された動画撮影用ボタンが使いやすい

動画はフルHD解像度(1920×1080ドット)での撮影が可能。動画専用のボタンが付いている。しかも、一般的なカメラでは動画専用ボタンが、おまけのように小さく配置されているが、「COOLPIX S33」では静止画のシャッターボタンと同じ大きさ。動画を撮りたい時には、迷わず、本体を確認しなくても動画ボタンを押せる。

といいつつ、筆者は旅行中に、フルHDでの撮影に失敗していた。なんと、縦640ドットに設定されていたのだ。非常に悔やまれ、レビュアーとしても失格。ただ、水中での撮影はできなかったが、陸の上ではフルHDで撮影してきた。

正直に言うと、動画撮影は、得意とは言いがたい精度だった。まず、手ブレ補正機構が搭載されているはずなのだが、その効果は実感できなかった。画質については、フルHDでさえ撮れば、コマ落ちすることもなく、一般的なレベルでの撮影が可能だ。

 

お値段以上に活躍してくれる防水デジカメ!

もし一眼または一眼レフを使っている人であれば、「COOLPIX S33」の画質には不満を感じるかもしれない。だが、泳いだりスキーやスノーボードなどをしている時に、それらのカメラを抱えて写真を撮れるだろうか?

メリットとデメリットをまとめてみた。

【Positive Point】
・実売1万数千円前後というリーズナブルな価格
・それでいて防水防塵&耐衝撃性にも優れる
・心配することなく、小さな子どもにも使わせられる

【Negative Point】
・カメラの起動が遅く、シャッターチャンスを逃すことも
・少し暗い場所になると、ブレたりノイズが目立ってしまう
・強い日差しの元では確認しずらい、モニターの明るさに少し不満

ネガティブな点については、価格の高い上位機と比べると、というもの。実売価格を考えれば、今は妥当な性能なのではないかと思う。と言いつつ、やはり起動時間だけは、短くして欲しい! と思うことがたびたびあった。

【結論】

筆者は、プロのカメラマンではなく、単なるカメラ好きだ。その観点で評価すれば、1万円+αで購入できる防水デジカメというのは、とても魅力的。

それでいて、光学3倍ズームのレンズを搭載しているので、ズーム時にはスマホよりもキレイに撮れる。それに、iPhoneを含むスマートフォンの広角レンズがあまり好きではない。しかも、いくら防水だとしても、スマートフォンを海の中に持ち込む勇気のある人は、どれだけいるだろう? 特に水深が深く、落ちたら取り戻せないような海だとしたら……。

さらにスマートフォンでは、操作も難しい。シャッターを切るだけなら良いが、濡れた手で動画を撮る、ズームさせるなどを考えれば、防水デジカメの優位性は翻せないだろう。

良いカメラとは、撮りたいシーンを逃さないことが第一条件。気軽に水の中にも入れる「COOLPIX S33」は、マルチシーンに対応した好いカメラだ。


おまけ……防水カメラの上位機「COOLPIX AW130」も試してみた!

 

最後に、「COOLPIX S33」と比較するために旅行に持って行った同じくニコンの「COOLPIX  AW130」も紹介しておこう。当然なのだが「COOLPIX S33」よりも、画質は明らかに良かった。実売価格は3万円前後。

 

AW130_OR_front34l_lo_w Nikon「COOLPIXAW130」。1/2.3型の撮像素子を採用し、有効画素数は1605万画素。35mm判換算24-120mm相当の光学5倍のズームレンズ(f/2.8-4.9)を搭載する。防塵防水性はIP68で「S33」と同等。約110.4×66.0×26.8mmで重さは約221g。そのほか、GPSやGLONASSで正確な位置情報が取得でき、Wi-Fi接続によるスマートフォン連携など、トレンドの機能を満載している

 

実際に撮影してみると、特に薄暗い室内での撮影では、明らかに「COOLPIX S33」よりも解像感が高い写真が撮れ、水中での撮影にも適している。防水もS33は水深10mAW130は水深30mと性能は上。

 

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望遠時(35mm判換算で120mm相当)でも鮮明な写真が撮れた。上のサンプル写真で、ステージ上でダンスをする女性の写真は、35mm判換算120mm相当で撮影している。しかも、スポットライトが当たっているとはいえ、かなり暗い会場だ。そんな環境でも、被写体ブレはあるが、手ブレは少ない。

もちろん薄暗い店内で何気なく撮ったハンバーガーも、カリカリの焦げ目とジューシーさをしっかりと写せている。水面での撮影でも、海と空がスカッと青く、気持ちがいい。

ただし、現在の実売価格は3万前後で、「COOLPIX S33」の約3倍。GPSやスマートフォン連携機能が付いていること、画質に優れていることを考えれば、予算があれば「COOLPIX AW130」も、より思い出をキレイに残せてオススメだ。

 

(文/河原塚 英信)

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