僕らが夢中になったSONYウォークマンヒストリー
&GP / 2016年1月24日 21時0分
僕らが夢中になったSONYウォークマンヒストリー
1970年代最後の年。ウォークマンの登場は音楽との付き合いかたを大きく、そして永遠に変えてしまった。自分のいる場所がリスニングルームになる……。その衝撃に続いて僕らが目撃したのは「カセットケースサイズ」、連続再生時間への挑戦、ソニーならではの魅力にあふれたメカ&デザインだった。輝きに満ちていたカセットテープ時代。
あの頃夢中になったウォークマンの歴史を、1979年〜98年の代表的な歴代モデルで振り返ってみよう。
TPS-L2
1979年
「街中でステレオサウンドを楽しむ」というそれまでにないライフスタイルを生み出した初代モデル。「録音機能、内蔵スピーカーをもたない再生専用機」という企画は1979年2月に立ち上がり、発売は同年7月1日。超短期間での商品化は同社の小型テープレコーダー「プレスマン(モノラル録音再生機)」をベースにするという英断にも支えられていた。本体にマイクを内蔵、ヘッドホンをしたまま会話できる「HOT LINE」ボタンも装備。
WM-2
1981年
「ウォークマンⅡ」という愛称で呼ばれ、人気を博した二代目モデル。カセットケースサイズを目指して小型化されており、操作ボタンを斜めにレイアウトしたデザインも人気の一因となった。乾電池装備時の重量も初代より110g軽量化(280g)。メタルテープに対応することで高音質化をはかり、外付けバッテリーケース(単一乾電池×2)を接続すれば70時間近い連続再生が可能になるなど、性能的にも格段の進歩を遂げた。
WM-DD
1982年
カラーバリエーションをウォークマンⅡ後期の3色(シルバー、ブラック、レッド)から6色(シルバー、ブロンズ、レッド、ブラック、ブルー、グリーン)へと倍増。テープ駆動にディスクドライブを新採用することでワウ・フラッター0.08%を実現したモデル。型名のDDはその新機構(DISK DRIVE)の頭文字からとられたものだ。WM-2でボディサイドにあったボリュームは天面に移動、筐体本体の素材も樹脂から金属へと変更されている。
WM-20
1983年
カセットケースサイズ(操作部の突起含まず)を初めて実現したモデル。究極ともいえる小型化は超薄型モーター、単三電池×1(従来は2本)、消費電力を従来の1/4とした新型ヘッドホン(バーチカル・イン・ザ・イヤー方式)などの組み合わせによる。カセットテープを入れる際に筐体をスライド延長する必要があるため、使用時にはカセットケースサイズを超えてしまうが、今となってはそのギミックが逆にソニーの執念を感じさせる。
WM-30
1984年
WM-20の4色から6色(レッド、ピンク、グリーン、ブルー、シルバー、ブラック)へとカラーを増やし、デザインもリファインして登場したWM-30。斜めに切られたテープ窓などもファッション性を意識していることを感じさせる。なお、このモデルからオーバーヘッド型ヘッドホンに換えてインイヤータイプのイヤホン「ヌード・ターボ」を採用。ポータブルオーディオ+イヤホンという現在に通じるリスニングスタイルを初めて確立した。
WM-101
1985年
電源を単三乾電池からガム型充電池に変更したことで再生時も「カセットケースサイズ」を実現。充電池込みの重量も190gと超軽量に仕上がっていた。ガム型電池はバッテリーパックに入れて筐体底面に装着するというスタイルで、連続再生時間は2時間。単三電池用のバッテリーパックも同梱されていた(アルカリ電池使用時の連続再生時間は4時間)。オートリバース機能も搭載。カラーはレッド、ブルー、シルバー、ブラックの全4色。
WM-109
1986年
メカニカル・テイストを前面に押し出したデザインが多いウォークマンシリーズだが、WM-109はホワイト、ブルー、ピンク、ブラックのカラーバリエーションにラウンドシェイプ、楕円形のカセット表示窓など、フェミニンなムードを感じさせるモデル。ガム型電池採用によるカセットケースサイズ、オートリバースなどに加え、イヤホンコード部分にフェザータッチコントロールのリモコンも備えており、操作性の高さでも人気となった。
WM-501
1987年
D.B.B.(Dynamic Bass Boost=ダイナミック・バス・ブースト)回路を新たに搭載。好みに応じて重低音を三段階に調節できるというもので、これは当時の重低音サウンド・ブームに応えた仕様であった。外寸もついに「カセットケース・サイズ」以下を実現。電源はガム型充電池もしくは単三乾電池だが、充電池は大容量化によって連続再生時間4時間となり、さらに1時間の急速充電にも対応した。シンプルモダンなデザインも魅力。
WM-701C
1988年
「透き通るほど高音質」のキャッチフレーズで登場したWM-701Cはシリーズ最軽量150g(充電池含む)と、世界最小コンパクトボディを実現。サウンド面でもD.B.B. (Dynamic Bass Boost=ダイナミック・バス・ブースト)回路とドルビーC回路を搭載するなど、高い性能を誇った。フルリモコン操作、カセット表示窓をなくしたデザインなど、つねに新しい領域にチャレンジする姿勢も、まさにウォークマンのDNAを感じさせる。
WM-609
1989年
それまでのウォークマンとは異なる雑貨的なテイストを感じさせるデザイン、フェザータッチリモコンで高い人気を博したWM-109。WM-609はその3世代目にあたるモデルで、前モデルWM-509の後継機だ。外観はほぼ同一イメージだが外寸(WM-109 =113.2×72.5×22.8㎜ WM-609=107.8×71.9×23.9㎜)、重量(WM-109 =200g WM-609=190g)など微妙に変化。充電器も急速10分充電に対応するなど細かく進化している。
WM-EX85
1990年
リモコン上側部分をプラグ接続として好きなヘッドホンへの差し替えを可能とした「アラカルトヘッドホン」システム、100〜240V対応の海外用変換プラグ、急速10分充電などを採用。WM-EX70の上位モデルという位置づけだが、カセット表示窓をなくしたモダンデザインはEX85独自といえる個性。カラーはレッドとブラック。とくにレッドカラーモデルは当時流行していたイタリアンデザインを想起させる仕上がりだった。
WM-EX88
1991年
多機能化、操作も複雑化していくウォークマンのなかにあってWM-EX88は「使いやすさ」を第一に考え開発されたモデル。「ホールドシャッター」をスライドさせることで操作部をカバーする誤作動防止機構、「曲探し液晶リモコン」は、そうした工夫の現れだった。メカニカルテイストを抑えた柔らかみのあるデザインも特徴。最先端の尖った技術ではないが、ソニープロダクトの新しい方向性を提示した、記念すべき1台だった。
WM-EX909
1992年
1チャージで連続再生7.5時間(乾電池併用で22時間)を実現した「スタミナウォークマン」。再生時間を延ばすことを可能にした要因は、ガム型電池のさらなる容量アップと消費電流99mAhという省電力設計にあった。誤作動防止を視覚的に表現した「ホールドシャッター」はWM-EX88の横型から縦型へとデザインを変更。「アラカルトヘッドホン」システムなども踏襲されている。「曲探しリモコン」には新たに「ピカ位置機能」も追加。
WM-EX999
1993年
ガム型充電池とアルカリ電池の併用により連続25時間再生を可能としたモデル。「ボディガードウォークマン」はソニー独自のバリアリングにより本体強度を高めたことから付けられたキャッチフレーズだった。誤作動防止の「ホールドシャッター」は再び横型になり、より小型化。小型軽量、長時間連続再生、使いやすさ、デザイン、耐久性などポータブルオーディオに求められる要素すべてを見つめ直したハイバランス設計が特徴。
WM-EX1
1994年
ウォークマン誕生15周年記念モデルは消費電流を68mAhとさらに低減、36時間の連続再生を実現した。筐体は縦型カセット挿入方式を業界初採用。カセットの挿入方向がひと目でわかるようテープ窓を逆三角形とし、オープンロッカーもクロームメッキ処理するなどデザインにも工夫。ヘッドホンステレオ市場が低迷していたにも関わらず、市場シェア15%というヒットを記録した。25倍速「高速曲探し」機能なども新たに搭載している。
WM-EX2
1995年
ウォークマン15周年モデルとして記録的なヒットを記録したWM-EX1を全面的に改良。消費電流を55mAhとするなど、効率化をさらに徹底させることで連続再生時間(ガム型充電池+アルカリ乾電池併用)を従来の36時間から14時間増しの50時間まで伸ばしている。「25倍速高速曲探し」ほか人気の機能はそのまま継承。外観のデザインもほぼ同じだが、逆三角形のテープ表示窓にガーニッシュ処理を施すなどのアレンジが加えられた。
WM-EX5
1996年
シースルーミラーカバーを採用した通称「美ウォークマン」。カセット挿入方向はEX1/EX2などと同じ縦型を踏襲するが、ミラーフェイスという斬新な試みは当時の市場に大きなインパクトを与えた。機能面でも62時間連続再生(充電式ガム電池+アルカリ乾電池併用/消費電流50mAh)、36倍高速曲探し、サウンドエフェクト、ELバックライト付きリモコンなど充実。デザイン+高機能というソニーのDNAを存分に表現したモデルといえる。
WM-EX7
1997年
ソニー製携帯電話からヒントを得たELバックライト付液晶「ジョグレバーリモコン」を採用。液晶画面にアニメーション表示を組み込むなど、ユーザーインターフェイスのあり方にこだわったモデル。連続再生時間は86時間(充電式ガム電池+アルカリ乾電池併用/消費電流38mAh)で、バッテリーケース(単一乾電池×2)併用時のウォークマンⅡを超えた。ポータブルオーディオにおけるソニーの技術力を改めて証明した1台。
WM-EX9
1998年
キャッチフレーズは「ハイグレードウォークマン」。新開発となる超薄型メカデッキを搭載することにより最薄部17.4㎜という驚異の薄型ボディを実現。光の反射具合によって色が変化するマルチカラー塗装なども採用している。連続再生時間は100時間(充電式ガム電池+アルカリ乾電池併用/消費電流32mAh)の大台を実現。リモコンはEX7と同じELバックライト付液晶ジョグレバーリモコン。高い完成度を誇る集大成的モデルだ。
(文/&GP編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
非常時にも役立つ「コールマンのLEDランタン・ライト」おすすめ3選 スマートフォンが充電できるモデルなど3種類を紹介【2024年11月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月12日 18時0分
-
2024最新【3COINS(スリーコインズ)】イヤホン・ヘッドホンまとめ | 各種類の特徴やおすすめ一覧
イエモネ / 2024年11月11日 10時0分
-
いつも使い捨ての電池を使っていましたが「充電池」の方が節約になるのでしょうか?充電に必要な電気代や購入費用を考えると、逆に高くついている気がします…
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月7日 6時0分
-
ambieのイヤーカフ型イヤホン「AM-TW02」は装着感が大幅向上!着せ替えカバーは全20色!
&GP / 2024年10月28日 21時0分
-
今売れている「LEDランタン」おすすめ3選&ランキング “コールマン”のマルチパネルランタンが優秀! 防水性やパネルの分離、充電機能搭載で非常時にも役立つ【2024年10月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年10月26日 8時15分
ランキング
-
1普段は塩対応の柴犬に大好きな人が会いに来たら……? 別犬のような喜び方が270万再生を突破「お散歩ってワードにも、それで頼む」
ねとらぼ / 2024年11月23日 7時0分
-
2『崩壊:スターレイル』Ver.2.7予告番組の「シリアルコード」まとめ!使用期限は11月23日24時59分まで
インサイド / 2024年11月22日 21時19分
-
3プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
ねとらぼ / 2024年11月20日 22時0分
-
4Switchで遊べるヴァンサバ系ゲーム5選!強化しまくって大量の敵を一掃する「俺TUEEE!」が超気持ちいい
インサイド / 2024年11月23日 15時0分
-
5キヤノンとAmazon、模造バッテリーなどを販売した業者に米国で勝訴
ITmedia NEWS / 2024年11月23日 10時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください