ナイフ1本で野営して分かった効果的な使い方と工夫の仕方
&GP / 2019年11月8日 20時0分
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ナイフ1本で野営して分かった効果的な使い方と工夫の仕方
<不自由を自由にする野営スタイル>
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
男なら「ナイフ1本でサバイバル!」という言葉に憧れませんか? この言葉にはたくさんのロマンが詰まっていますが…しかし、実際にはナイフ1本のみでサバイバルするのは、非常に困難だと思います。それはなぜか? 以前紹介した記事「キャンプ道具は防災グッズ」を参照頂ければお分かりになると思いますが、水を煮沸する際の容器はナイフだけでは作り出せないから。もちろん土器を作るという選択肢もありますが、それには相当な知識と経験が必要です。
とはいえナイフ1本のみでサバイバルは難しくても、極力少ない道具でキャンプをしてみることは可能だと思いますので、今回は包丁や鋸、鉈、斧といった刃物類をナイフ1本で代用して野営。どんな気づきや工夫があったかを紹介していきたいと思います。
■野営において、刃物を使うシーンは?
キャンプ場でキャンプをする場合に刃物を使うシーンは、調理や食材の袋を切って開ける、薪割りなどでしょうか? 意外とナイフを使わなければいけないシーンは少ないのですが、野営となると別です。野営地はキャンプ場と違って、車を近くにおける場所はそうそうないので、荷物を少なくする必要があります。ですから、刃物を使えば作り出せるものはなるべく作り出すようにしています。
それでは、野営ではどんな状況で刃物を使い、それがナイフ1本しか持っていかなかったとしたら、どの様な工夫があるのかをご紹介していきます。
1.ポールで幕を設営する場合
幕を張る際のポールやペグを現地調達(森の倒木を使用)する場合。
今回に限らず、野営時には立木がある場合がほとんどなので、その立木を有効利用しロープワークのみで幕を立てるケースが多いです。上の写真もロープで立木から吊るように幕を設営をしております。どうしてもポールを使用しなければならない状況であれば、鋸や斧の代わりにナイフでチョッピングという技術を駆使して、落ちている枝の長さを調節すると良いでしょう。ペグを作成するときも同様です。
ただ、原則ポールレスで設営が可能なようにロープワークを学び、それでもポールやペグを製作しなければならない場合は、チョッピングを駆使するのがいいでしょう。
切りたい部分をナイフで叩き、長さを調節をする。
2.薪を作る時
薪は、焚き火の大きさに合わせて、ある程度カットする必要があります。
通常であれば鋸や斧、鉈が活躍するシーンなのですが、ナイフ1本なので、今回は足で折れるような倒木のみを使用しました。
ここで懸念されるのが、長時間燃焼してくれるサイズの薪は当然太いので、ナイフではカットできません。となると、1本1本の薪がすぐに燃焼してしまい、熾火(おきび)を作るのが困難なのかと思いがちですが、一気に大量の薪を燃やして高火力にすることによって、薪を炭化。低い火力の時よりも、薪のサイズを大きくすることができます。
つまり細い薪でも高火力で炭を炭化させるように焚き火を行えば、炭のサイズも大きくなり、長時間使用できる火床が完成します。
3.調理をする(食材のカット)時
食材をカットするのに一番切りやすい形は当然包丁ですが、包丁はほかの事には向きません。調理に向くナイフというと、やはり刃厚が薄いことなのですが、これも薄すぎると、チョッピング等ハードに使用する場合に心許ないのです。なので、なるべく細かい作業はしないよう、家で食材をカットしてきたり、刃先をうまく使って調理したりするのが良いと思います。
4.クラフトする場合
焚き火をする際に火力調整をするための自在鉤や、ランタンを吊るすフック等を倒木で製作し、生活環境を良くする場合。
このような自在鉤もナイフ1本でできてしまいます。作り方は以前の記事「自在鉤の作り方」をご参照ください。
私もナイフ1本で作るのは初めてで、苦労したのは、やはり使用する枝の細かいサイズ調整でした。ただし、枝を選ぶ際に太ささえ間違えなければ、チョッピングで調整は可能です。もちろん鋸の方が楽ですけどね。ちなみにナイフだけでも、下の写真のように、チョッピングと削りだけで、かなりきれいな断面に完成することが可能です。
さて、ここまでナイフを使うシーンごとにそれぞれの説明をしてきましたが、野営にナイフ1本しか持って行かないのであれば、どのようなナイフを持って行くべきか?
それはずばり、下記の通りです(あくまで私の私見ですが)。
刃厚:4~6㎜
これ以上薄いと、チョッピングやバトニング(ナイフの背を薪で叩いて太い薪を縦に割る)を行う際に心許ないですし、これ以上厚いと、調理にはかなり厳しい感じになります。
刃渡り:10~15㎝
刃渡りは長ければ長いほど、パワーがありますが、あまり長すぎると細かい作業に向きません。ちなみに私の使っているナイフはFallkniven(ファルクニーベン)の「A1」というナイフなのですが、刃渡りが16㎝あって、若干細かい作業が不便。特に刃先を駆使する作業を行う場合です。
フルタングであること
フルタングとはナイフの鋼材が刃先からグリップまで一体になっている事です。そうでないと、ハードに使用する際に折れてしまう事があるからです。
* * *
いかがでしたでしょうか? 皆さんもお気に入りナイフを見つけて、その1本でキャンプしてみませんか?
>> 連載
(文・写真/RYU)
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