耳を塞がないサングラス型スピーカー「BOSE FRAMES」は意外とアリ!?【イヤホンレビュー】
&GP / 2019年11月9日 11時0分
耳を塞がないサングラス型スピーカー「BOSE FRAMES」は意外とアリ!?【イヤホンレビュー】
ワイヤレスヘッドホンとサングラスを一体化したような異色過ぎるアイテムがボーズから登場しました。
オーディオメーカーの老舗BOSEが手掛けた、その名も「BOSE FRAMES」。イヤホンでもヘッドホンでもありませんが、耳をオープンにして音楽を聴けると同時に、“BOSE AR”という“音のAR”(AR=現実拡張)を提供するという、チャレンジングなガジェットです。
残念ながら“BOSE AR”はまだ国内では立ち上がっていないので、ひとまず音楽リスニング中心に実用性をレビューしていきます!
■逆さに置くと電源OFFが便利
10月3日に日本でも販売を開始したBOSEの「BOSE FRAMES」。ひとことで説明すれば、“スピーカー内蔵サングラス”になります!
パッケージを開封してみても、やっぱりサングラス。スクエアな太めのフレームで、グレーの着色レンズはUVAとUVBを最大99%カット。
実際に装着してみても…はい、どう見てもサングラスです。ツルの部分は相当太く存在感がありますが、僕は存在感あるフレームが好みなので、デザインはアリ。眼鏡と同じなのでフィット感は人それぞれですが、すぐに落ちるような心配はありません。
でも、サングラスなんですよね。度入りの眼鏡ユーザーだと、レンズを度入りに交換するか、コンタクトレンズが必要です。度ナシなら純正品で交換レンズも販売中ですが、度入りに対応してくれる眼鏡屋を探す必要がありそう。
そして、左右のツル内部に超極小の音響装置を搭載しています。装着したユーザーに向けて音を放出する構造なのですが、もちろんイヤホンのような遮音性はありません。マイクも内蔵しているので、デバイスとしての扱いはワイヤレスイヤホンと同じです。
操作部は右のツルにボタンが1つ付いています。ここを1回押しで再生/一時停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻し、音量調整のボタンはありません。本体を裏返して置くと自動で電源が切れる所は便利。
他にも“BOSE AR”用に9軸ヘッドモーションセンサーも搭載しているのですが…肝心の“BOSE AR”向けのアプリは英語版で、日本向け機能の提供はありません。
■BGMのように音が降ってくる!
では、iPhoneとペアリングして音楽を聴いてみましょう。
と、その前に。当然ですが耳が開いた状態なので、もちろん外の音はしっかり聞こえます。そして、耳の上あたりから、自然と音がBGMのように降ってくるようなイメージになります。
まずは、宇多田ヒカルの『あなた』を聴いてみます。予想以上に音質はまとも。歌声のクリアさに、楽器の響きと質感、軽くズンとする低音まで絶妙なバランス。BrunoMarsの『24K Magic』でもリズムの刻みは雰囲気が出るし、イヤホンなどとはひと味違った、なかなかのサウンドです。
そして屋外に持ち出しても、音楽と外の音を同時に聴けるので、安全性は抜群です。
ただし、根本的に遮音していないので音漏れは相当あります。電車ですぐ隣の人への音漏れを気にせず音楽を聞けるのは、iPhoneの音量で最小から6段階目程度まで。この音量だと遠くでBGMがかかっているくらいで、音楽リスニングとしては物足りませんが、音漏れを考えると電車では控えめな音量で聴くしかありません。
「BOSE FRAMES」、かなり尖ったアイテムだと思います。そもそも日本人は日常的にサングラスを掛けないよね、というところが最初のハードル。でも、普段から眼鏡をかけている僕なら、透明レンズに交換すれば実はイヤホン以上に身近なアイテムになりそう。アイデアは面白いし、音漏れはともかく、サウンドもなかなか。今後、このジャンルは化ける可能性アリですよ!
>> BOSE
>> [連載]イヤホンレビュー
(取材・文/折原一也)
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