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対応は各サービスまちまちな不正利用時の補償について ー〇〇Payの選び方[10]

&GP / 2019年11月13日 22時0分

対応は各サービスまちまちな不正利用時の補償について ー〇〇Payの選び方[10]

対応は各サービスまちまちな不正利用時の補償について ー〇〇Payの選び方[10]

種類が多すぎて悩ましい「○○Pay」ですが、本当に便利なのはどのサービスなのでしょうか? そこで、主要なスマホ決済サービスとして以下の7サービスをピックアップ。連載第10回は、各サービスで万が一不正利用による被害にあった場合に、どのような補償内容になっているか、利用規約の内容を確認します。

・au PAY
・Origami Pay
・d払い
・PayPay
・メルペイ
・LINE Pay
・楽天ペイ

スマホ決済サービスは、お金の支払いが絡むゆえに、もしも不正利用の被害にあってしまったとき、被害金額を補償してくれるかどうかが重要となります。利用開始時には利用規約の記述をチェックしておきたいところですが、うっかり目を通していないという人も多いのではないでしょうか。すでに使っている、あるいはこれから使ってみたいサービスについて内容を確認しておきましょう。

ここで見極めたいのは、そもそも被害があった場合に補償について申請できるのかどうかです。

 

■au PAY

「au PAY」「au WALLET プリペイド」について、不正利用による被害にあった場合は、原則として全額が保証されます。従来は個別対応での補償でしたが、2019年11月5日から規約が改定され、このような形に変わりました。なお、補償に際しては、KDDIの審査や所定の手続きが必要になります。

なお、明らかに利用者側に責任がある場合や、虚偽の報告がある場合、災害などの混乱に乗じた被害である場合、KDDIに申告された日より90日より前の不正利用に起因する損害の場合——などは、例外になるようです。

▲「au PAYサービス利用規約」より

 

■Origami Pay

「Origami Pay」の利用規約には、「当社の故意又は重過失による場合を除き、ユーザのアカウントが盗難等にて不正利用されたことにより生じた損害につき、当社は一切責任を負わないものとします。」と記されています。基本的に運営側の責任がない損害については、補償されずに自己責任になると理解しておくのが良さそうです。

▲「Origamiユーザ規約」より

 

■d払い

「d払い」は、不正利用による被害にあった場合、原則として全額が補償されます。従来は個別対応での補償でしたが、2019年8月28日に規約が改定されました。また、同年8月27日以前に発生した被害についても、同様の対応となります。

規約の内容としては「au WALLET」のそれと類似しています。明らかに利用者側に責任がある場合や、虚偽の報告がある場合、災害などの混乱に乗じた被害である場合、NTTドコモに申告された日より90日より前の不正利用に起因する損害の場合——などは、全額補償の対象外になります。

▲「d払い/ドコモ払いご利用規約」より

 

■PayPay

PayPayの利用規約にも、2019年8月28日に補償制度についての内容が明記されました。そこには、アカウントの利用有無に問わずPayPayに関する不正利用によって生じた被害額は原則的に全額補償される、との旨が記されています。なお、補償にあたっては、所定の手続きと審査が必要。補償条件として、損害発生日から60日以内の申請であること、があります。また、被害に遭われた方に故意または重大な過失などがあった場合は、補償されない場合もあります。

こちらも、明らかに利用者側に責任がある場合や、虚偽の報告がある場合、災害などの混乱に乗じた被害である場合、などは全額補償の対象外になります。なお、「利用者が補償の申出をした日から1年以内に再び補償の申出をした場合」も、審査で弾かれる項目に当たります。

▲「PayPay利用規約」より

 

■メルペイ

メルペイは、2019年8月15日に利用規約を改定し、不正利用時の補償について明記しました。所定の手続きを行った上で、損害額を請求できるとされています。ただし、ユーザー側の管理に責任がある場合には、補償の対象になりません。

▲「メルペイ利用規約」より

 

■LINE Pay

LINE Payの利用規約は、LINE Pay Money(本人確認後)とLINE Pay Cash(本人確認前)の2つに分かれています。どちらも補償限度額は原則10万円まで。ただし、LINE Pay Moneyについては、損害額が10万円を超える場合には「利用者のご利用状況や警察当局による捜査結果等を踏まえ、補償限度額の引き上げを個別に検討する」と記載されています。もちろん、利用者側に不正などがある場合は対象外です。

また、「補償サービスの補償対象は、当社が不正使用によりLINE Moneyアカウント保有者に損害が発生した旨の通知を受理した日(以下「受理日」といいます。)の30日前以後、受理日までの31日間に行われた不正使用による損害に限ります」との記載もあります。他サービスと比べると期間が短いので気をつけましょう。

▲「LINE Pay Moneyアカウント利用規約」より

 

■楽天ペイ

楽天ペイ利用規約には、「当社が入力された楽天ID及びパスワードが登録されたものと一致することを所定の方法により確認した場合、当該楽天IDに係る楽天会員による利用があったものとみなし、それらが盗用、不正使用その他の事情により当該楽天会員以外の者が利用している場合であっても、当社の故意又は重過失による場合を除き、それにより生じた損害について当社は責任を負わないものとします」と記されています。Origami Payの場合と同様、基本的に運営側の責任がない損害については、補償されないと思っておきましょう。

なお、FAQページによると、カードの不正利用についてはカード会社への連絡をするように、楽天スーパーポイントおよび楽天キャッシュの不正利用の疑いについては、楽天ペイカスタマーデスクに連絡するようにと記載されています。

▲「楽天ペイ利用規約」より

 

*  *  *

黎明期には、利用規約に補償に関する記述が曖昧なものが多くありましたが、2019年夏頃から次第に多くのサービスで明記されるようになりました。特に、残高をチャージするサービスについては、きっちりと補償が整ってきている印象です。

注意したいのは、この記事でも紹介したとおり、サービスによって対応が異なるということ。補償がない場合には、カード会社などの補償をあてにすることになります。また、不正利用発覚から申請までの期限も設定されていることが多いので、万が一の場合には、すぐに警察に届け出て、サービス側の問い合わせ窓口や申請フォームなどに連絡を入れるのだと覚えておきましょう。

 

>> [連載]〇〇Payの選び方

(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。

 

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