ドイツ御三家は定番過ぎるって人に!ボルボ「S60」は見た目、走り、安全性すべて良し

&GP / 2019年11月18日 19時0分

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ドイツ御三家は定番過ぎるって人に!ボルボ「S60」は見た目、走り、安全性すべて良し

ボルボのミドルセダン「S60」がフルモデルチェンジ。最新モデルが日本にも上陸を果たした。

世界的にSUV人気が高まる一方、セダン離れは加速するばかり。ここ日本でも、ビッグネームである「マークⅡ」の後を継いだトヨタ「マークX」が先頃、生産を終了し、かつては人気モデルだった日産自動車の「ティアナ」も、近い将来の生産終了がウワサされている。

果たして、そんな逆風が吹き荒れるマーケットで、新型S60は存在感をアピールできるのか? 今回はボルボの最新セダンが秘める魅力を検証してみたい。

■S60のライバルはドイツ御三家の定番モデル

セダン人気の低迷もあって、日本車のセダンはどんどんラインナップを減らしている。確かに、トヨタ「クラウン」のように一定の人気を得ているモデルや、若返りを狙って“退屈なセダン”からエモーショナルな雰囲気へと変身したトヨタ「カムリ」など、健闘しているセダンも少なくないが、魅力的な国産セダンという選択肢は、以前と比べて大幅に減っているというのが実情だ。

そんな日本市場においても、依然として“Dセグメント”と呼ばれる欧州上級セダンの人気は根強い。BMWの「3シリーズ」やメルセデス・ベンツ「Cクラス」、そしてアウディ「A4」といったドイツのプレミアムブランドの3台は、定番モデルと呼べる存在となっている。

とはいえここへ来て、セダン好きであってもそうした定番を敬遠する動きが見受けられる。確かに、ハズすことはないけれど、あまりに無難過ぎる選択。せっかく“日本車とは違う雰囲気”を求めて手を出しても、結局“街で多く見かけるクルマ”を選ぶことになるのは、つまらないと感じる人が増えているのだろう。

そんな昨今の状況下において、セダン好きに注目して欲しいモデルが、ボルボの新型S60。セダンに“変化球”を求める人にお勧めの、欧州プレミアムセダンである。

■S60のデザインと安全性はライバルに対するアドバンテージ

先頃、日本へ上陸した新型S60は、先行導入されたステーションワゴン「V60」のセダンバージョン、といえば、そのポジショニングを理解しやすいはず。

ボディサイズは全長4760mm、全幅1850mm、全高1435mmで、BMWの3シリーズやメルセデス・ベンツのCクラス、そしてアウディのA4などと比べると、わずかに長くてワイド。それでいて全幅は1850mmと、新しめの機械式立体駐車場であれば入庫可能なサイズに抑えてきた。ちなみに新型の全幅は「日本の都市部でも使いやすいように」という日本サイドからのリクエストが受け入れられた結果、設定された数値だという。

用意されるパワーユニットは3種類。すべて2リッターの4気筒ターボエンジンを基軸とし、190馬力のベーシック仕様を「T4」に、254馬力の高出力バージョンを「T5」に、そして、2リッター4気筒ターボにスーパーチャージャーをプラスし、さらに87馬力のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド仕様を「T6ツインエンジン」に搭載する。駆動方式は、T4とT5が前輪駆動で、T6ツインエンジンのみ、後輪をモーターのみで駆動する4WDとなる。

そんな新型S60の魅力のひとつが、美しいデザインだ。

ご存じの通り、ボルボの本拠地は北欧のスウェーデン。北欧の家具や雑貨は、スカンジナビアンデザインと称されるシンプルでおしゃれ、かつ機能的なデザインで、近年、高い評価を得ている。そして、S60を始めとする最新のボルボ車には、内外装にそうしたスカンジナビアンデザインの要素が反映されている。

新型S60は、先代に比べて全長が125mm長く、45mm低く、15mm狭くなり、さらにホイールベースが95mm長くなった。その結果、ワイド&ローで、かつロングノーズとショートオーバーハングによる美しいプロポーションを手に入れている。先代は、強いくさび形のスポーティなデザインが魅力だったが、新型はよりセダンらしく、ノーズとトランクリッドの存在が明確になり、端正で安定感あるスタイリングに変身している。

新型S60のふたつ目の魅力は、先進安全装備の充実だ。

最新フェーズのボルボ車に搭載される、衝突被害軽減ブレーキを始めとする先進安全・運転支援機能はレベルが高く、多くの車種が世界最高峰のドライバーサポートを誇る。その上で新型S60には、“対向車対応機能”を新搭載。これは、対向車との衝突が避けられないとクルマが判断した場合、フロントシートのシートベルトを巻き上げてドライバーの拘束を強め、警告を発すると同時に、ブレーキを作動させて対向車との衝突速度を最大10km/h低下させ、衝突時のエネルギーを減少させるものだ。

さらには、対向車線へのはみ出しを検知し、対向車が接近してきた場合に、走行車線へ戻すようステアリングを動かして正面衝突を避けるのを支援する“対向車線衝突回避支援機能”や、右折時に対向車と衝突する恐れが高まった場合に、車両がブレーキをかけて衝突回避を支援する“右折時対向車検知機能”なども搭載。単に高性能なだけでなく、機能の充実ぶりにおいてもライバルの一歩先を進んでいる点が、ボルボの最新モデルである新型S60のアドバンテージといえる。

しかもS60は、それらすべてを全グレードに標準装備。万一の際の事故を防ぐために、先進安全装備は最高のものを備えておきたいと考える人にとって、これは魅力的に映ることだろう。

■乗り心地とスポーティ感のバランスが絶妙なS60の走り

新型S60の3つ目の魅力は、価格設定がリーズナブルなこと。

例えば、S60のエントリーグレード「T4モメンタム」は489万円で、安全装備の充実ぶりを考えると、BMWの「320i」(533万円)やメルセデス・ベンツの「C180アバンギャルド」(504万円)よりも安い価格設定といえる。A4の「35 TFSI」(455万円)はさらに安いが、安全装備や快適装備をそろえようとすると、やはりS60の方に分があるのだ。

もちろん、リーズナブルだからといって、走りが見劣りするわけではない。走りの完成度の高さも、新型S60の大きな魅力となっている。

新型S60は、エンジンがパワフルで峠道でも気持ちよく走れる上に、乗り心地とスポーティ感のバランスが絶妙。近年のボルボ車は、乗員の快適性を保ちながらドライバーには運転を楽しませるというハンドリングフィールの作り込みが巧みで、新型S60の走りも、その延長線上にある。

ちなみに、今回試乗した「T5インスクリプション」には、“ドライビングモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー”と呼ばれる電子制御式サスペンションがオプション装着されていた。好みに合わせてサスペンションの味つけを変更できるのがこの装備の魅力だが、中でも、スポーツ性を高めてくれる「ダイナミック」モードでは、足回りが引き締まってドライビングの爽快感が高まるのを実感できた。

デザイン、安全性、走りのすべてに光るものがあり、かつリーズナブルな価格設定を実現した新型S60。逆風の中にある日本のセダン市場においても、十分な競争力を発揮することだろう。

<SPECIFICATIONS>
☆T5インスクリプション
ボディサイズ:L4760×W1850×H1435mm
車重:1660kg
駆動方式:FF
エンジン:1968cc 直列4気筒DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:254馬力/5500回転
最大トルク:35.7kgf-m/1500〜4800回転
価格:614万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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