トラブル続きのイタリア旅行で「ポケトークS」に助けられた話
&GP / 2019年12月10日 19時0分
トラブル続きのイタリア旅行で「ポケトークS」に助けられた話
話しかけて翻訳できる、ポータブル翻訳機“ポケトーク”。2017年の初代発売以来、大ヒットとなったシリーズの第三世代モデル「ポケトークS」が12月6日に発売されました。そんな折、11月中旬に全10日間のイタリア旅行を予定していた僕が「ポケトークS」を持ち出すことに! イタリア語ばかり翻訳しつつ、レビュー&旅レポートします!
■シンプルな端末
▲編集部から借りた「ポケトークS」
まずは電源を入れて初期設定と仕様をチェックしていきます。
本体は名刺とほとんど同じ91.6×53.8×11.5mmで、上着のポケットに入るサイズ。最新機種にしかない特徴としては、4G/3G回線を世界中で2年間使えるグローバル通信(2年)付きモデルが用意されていること。Wi-Fiやネット回線を考える必要なく、そのまま世界中に持ち出せます。
▲初期設定では日本語を選択して、通信を有効に
起動すると画面に翻訳対象の言語が表示されるので、タップで切り替え。翻訳したい時には“ボタンを押したまま話す”、これだけ。ガイドも毎回画面に出るので、迷う余地もありません。
▲基本の使い方は下の”トークボタン”を押しながら話すだけ
▲画面タップで言語を選択。ちなみにこの画面でも言語を音声サーチ可能
▲他にもさまざまな便利機能が付いているので、活用は後ほど
電源OFFからONにして翻訳可能になるのまで約30秒かかるので、頻繁に使うなら電源ONの状態で画面が消えているスタンバイ状態にしておきましょう。利用頻度次第ではありますが、3日くらいなら充電ナシで使えます。
さあ、早速、最初の目的地であるイタリア・ヴェネツィアに飛んでみましょう!
■ヴェネチアは53年ぶりだというとんでもない状態…
▲秋の雨のシーズンに当たってしまったイタリア・ヴェネツィア
皆さん、ヴェネツィアがどんな街がご存知ですか? 今なお街中には車は入れず、街中を走る運河をゴンドラで移動する歴史ある街です。最寄りのベネチア・マルコポーロ空港はイタリア本土にあるので、そこからヴェネツィアの島まで陸路か水路で移動します。
せっかくなので“船でヴェネツィア入り”をしようとワクワクしながら空港の荷物受け取りに到着したら、サンマルコ広場直通の船を運行しているAlilaguna社のチケット販売機を発見。何やら張り紙がしてありますが、まだ頭が外国語モードに切り替わっていません。そんな時は「ポケトークS」の出番。
▲カメラ翻訳を起動して背面のカメラで撮影
搭載されたカメラに翻訳機能あり。何事もなくイタリアのケータイ電波も掴んでいるので、「ポケトークS」背面のカメラを向けて試してみると…、イタリア語、英語とも画像から文字を認識して日本語化!
▲15秒ほどで文字を認識して日本語化
日本語の文章としての出来は完璧ではありませんが、意味は理解できます。“高潮のため運行中止”とのこと。ああ、しっかり情報収集できてよかった! しかも、僕がヴェネツィア入りした11月15日は53年ぶりの記録的な高潮による水没被害の最中なのでした。
▲宿泊したホテルのロビーも水没していたヴェネツィア
翌日、少し水が引いていたのでヴェネツィア街内の観光に乗り出します。ヴェネツィアといえばゴンドラが有名ですが、ゴンドラはあくまで観光用。移動の足としてはACTV社の運行するヴァポレット(Vaporetto)と呼ばれる水上バスが一般的です。
▲ヴェネツィアの日常の足であるヴァポレット(Vaporetto)
せっかくなので、「ポケトークS」で“72時間券をください”と注文してみます。
使い方は予め言語を選んでおき(僕の旅行ではずっとイタリア語の設定)「ポケトークS」の本体下にある“トークボタン”を押しながら日本語で話すだけ。
▲この旅で初めて「ポケトークS」を使ってイタリア語で話しかけてみる
“72時間のチケットをください”と話しかけると、スピーカーからイタリア語で再生。待ち時間は1秒くらい。窓口の女性の方は、大きくウンと頷いてチケットを用意してくれました。翻訳の際に日本語でどんな文章と認識しているか画面に表示されるため、誤認識でおかしな文を喋るような心配もありません。
▲半分水没していたサンマルコ広場(翌朝さらに記録的水没)
その後、半分水没したサンマルコ広場に出かけたり、ガラス細工で有名なムラーノ島に足を伸ばしたり、建築家・安藤忠雄氏が設計を手掛けた現代美術館プンタ・デラ・ドガーナに向かってみたりとヴェネツィアを満喫。3日目の17日には街の3/4が水没してましたけどね。
▲ムラーノ島のレストランの看板を翻訳
▲現代美術館プンタ・デラ・ドガーナにも向かってみたり
割と旅慣れている僕の感覚としては、「ポケトークS」の音声翻訳を毎回使うかと言うと、日本語から翻訳を通すくらいなら不得意でも英語で話す方が早い…というのが本音。観光客が行くような有名観光都市では、だいたい英語が通じますからね。
■やっちゃった…
ヴェネチアからフィレンツェ、ローマとイタリア旅行を続けて7日目。ローマから1日レンタカーを借りて高速に乗って訪れたのはイタリア中部にある“死にゆく街”チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(Civita di Bagnoregio)。崖の上にある天空都市で、今も崩れつつあるとか。近年は観光地として認知され日本語のガイドブックにも掲載されていますが、イタリアの田舎なので英語があまり通じません。
▲ローマから車で約2時間の”死にゆく街”チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(Civita di Bagnoregio)
土産物屋で地域の名産であるオリーブオイルを買おうと会計しようとしても、店員さんが話しかけてくる言葉は全部イタリア語。分かりませんって。そこで、“トランスレーター、プリーズ、インイタリー”と「ポケトークS」を向けて喋ってもらうと、ちゃんと認識。“持ち帰りの大きなバッグはいりますか?”、ですって。欧州のエコ意識はこんな所にも広まっているんですね。
▲中世のような城塞の街にあるお土産屋さんで「ポケトークS」が活躍
まだ旅は終わりません。実はローマからレンタカーで運転している最中に、やっちゃったんですよね。現場はトリュフの美味しいレストランがあると聞いて食事に寄った“天空の街”オルヴィエート(Orvieto)。
▲”天空の街”オルヴィエート(Orvieto)の入り組んだ道
入り組んだ石畳の道で建物にガリガリっとこすって、派手に車を傷つけちゃって。ローマに戻りレンタカーを返却する際には、係の人に英語で説明したけど、尋ねたい肝心な単語が英語でも出てきません。
▲かなりガリっと傷つけてしまったレンタカー
そんな時に「ポケトークS」の出番。尋ねたかったのは“免責金額はいくらですか?”ということ。「ポケトークS」を介してイタリア語で尋ねてみると、英語で“ユードンハフトゥーペイ”と優しく返してくれました。最も高額な保険をかけていて助かりました。
最後にイタリア滞在を終えて、帰りはカタール航空のドーハ経由。売店の値段もチェックしようかなーと思ったら、地味に「ポケトークS」の“単位変換”の出番。1ユーロ=約120円くらい頭に入っていても、1カタール・リヤルが何円かなんて分かりません。
▲ドーハの空港のジュースの値段、単位変換で計算してビックリ
そこで売店の値段を調べてみると…、ジュースが一本29カタール・リヤル=865円!? ドーハの空港でジュースはもう買えないかも。なお、ドーハ(カタール)はグローバル通信対象国ですが、何故か通信が上手くいなかったので初めてWi-Fiを使いました。
* * *
振り返ってみるとトラブルだらけだったイタリアの旅。外国語はからっきしの人はもちろん、少し旅慣れた人でもトラブルに備えて、「ポケトークS」を持っておくと安心かもしれません!
(取材・文/折原一也)
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