[Gear Maniax #161] 3灯ターボは不審者レベル!冬に強い秀作ヘッドランプ
&GP / 2019年12月21日 21時0分
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[Gear Maniax #161] 3灯ターボは不審者レベル!冬に強い秀作ヘッドランプ
懐中電灯ライターのHATTAです。今回ご紹介するライトは、ACEBEAM「H50」です。
新型の三つ目ヘッドランプで、とてもコンパクトでユニークなライトになります。ちなみにこのモデルはSAMSUNG LH351D 6500KというLEDを搭載した大光量モデルです。「H50」はLEDの種別の違いで3タイプあり、この大光量モデルと、遠方照射モデル、そして太陽光に近い高演色モデルがあります。ACEBEAMはこのところ、1モデル3パターンが定番化していますね。目的別にしっかり分類されているのは素晴らしいのですが、在庫される店舗さんの悲鳴が聞こえてきそうです。
▲横一列にお行儀よく配置された三灯のLED
使用されているレンズはコリメータ系。風防レンズには低反射加工されたガラスレンズが付いています。1灯ずつ風防レンズが付いているのか、1枚の板なのかは分かりませんが、なかなかクールな面構えです。
LEDの収まるレンズはいずれも小さく深さもさほど無い模様。つまり、この時点でワイドな照射パターンが想像できます。用法は人それぞれですが、「H50」は頭に付けて使うヘッドランプになるので、一般的には手元足元を明るく照らせるものが正解だと思います。
それでは、ライトの詳細を見ていきましょう。
「H50」は充電式です。付属するIMR18650充電池を使用します。ライトユニットの片側に充電池を装填するカバーがあり、反対側にUSB Type-Cポートが内蔵されています。ケーブルは付属です。ポート側の末端は乳白色の樹脂で覆われているのですが、まるでH2TのPON樹脂カバー「拡散キャップ」のよう。
実際に充電を開始すると末端全体が赤く光り、充電が完了すると緑に光ります。これまでの充電式ライトでは例を見ないくらい分かりやすく、視認性に優れる仕様です。ちょっと心配なのは、ポートカバーのキャップが完全に外れること。無くさないよう注意。
使用可能な電源は、CR123Aリチウム乾電池 2本。16340リチウムイオン充電池 2本でも運用が可能です。普通に使うなら付属する18650充電池を使うと思いますが、バックアップとしてCR123Aが使えるのは良いですね。寒くなってきたので、冬場のアウトドアではリチウム乾電池がその本領を発揮します。
ヘッドバンドの裏には波状の滑り止めのシリコンが付いています。スポーツ系のヘッドランプバンドによく施されているものです。帯状よりも丈夫で、より広い接地面積があるので効果的。滑りやすいヘルメットへの装着にも使えると思います。
個人的に「これは良い!」と思ったのが、ヘッドバンドの長さ調整部とセンターバンドの繋ぎ方。作り自体もしっかりしていますが、バンドの調整する部分が後ろにあるのが良いですね。ヘッドランプのバンドは余程のことが無い限り長さを調整することが無いので、後ろにあったほうが見た目にスマート。細かいことですが、よく考えられています。
このライトの特徴は3灯あるライトをそれぞれ独立させて点灯させることができる点です。SOSモードを含めると6モードあり、1灯から3灯まで計18モードを自在に選べます。
点灯個数の切り替えは、点灯もしくは消灯状態からスイッチをダブルクリックして行います。点灯後に長押しすると4段階のオートチェンジで調光。任意の明るさで指を離すと、その明るさで常時点灯します。消灯してもその明るさが記憶され、次回点灯時はワンクリックで消灯時の明るさで光ります。慣れるまで少々コツが要りますが、さほど難くはありません。状況に応じて、バッテリーの具合に応じて切り替えられるのは便利です。
▲1灯での足元照射
1灯でも十分に広く照らせます。Lowは20ルーメン、Midで150、Hiで350、ターボで650ルーメンもあります。もちろん灯数が増える分だけ明るくなります。全灯ターボでは最大2000ルーメンに達します。が、正直言って、1灯でも全灯でも手元、足元での照射ではさほど配光の広がりに差を感じませんでした。確かに違いはありますが、実用上使い分けるメリットがあるのか微妙。明るさという点では確かに違いますけどね。ただ、明るくしたいのであれば、一つ上の明るさに切り替えればいいんじゃない? と思ってしまいました。
ただ…
配光に関しては実に素晴らしい。特に手元を照らした時の死角のないワイドな配光は特筆すべきものがあります。面発光するCOB(チップオンボード)ほどではありませんが、COBよりも明るく高効率。手元を明るくムラなく照らしたいと思っている人にはオススメの配光です。全灯Lowモード照射は手元作業にばっちり。さまざまな状況で使ってみると、灯数の違いで得られるメリットがもっとたくさん見えてくるかもしれません。
▲屋外での照射。右は3灯ターボモード
3灯ターボ=2000ルーメンだとこんな感じ。超ワイドで見やすいです。照射角は125度。小型のTIR(特殊集光)レンズなので遠方への照射は苦手ですが、目の届く範囲を広く明るく照らせます。
さすがにこのモードで歩くと別の意味で不審者です。光の塊が向かってくるようで迷惑なことこの上ないと思うので、使うシーンは選ぶかと。Hiモードの1000ルーメンでも充分過ぎるくらい明るいので、周囲の環境やランタイムと相談して使い分けてください。明るさのモードはたくさんあります。いかようにも対応できるハズです。
とうことで、ACEBEAM「H50」のレポートでした。
18650が使える充電式のヘッドランプとしては小型で軽量。でも小型な分、とても質量を感じます。指先でつついてみると良い音がします。詰まった感のあるミッチリしたアルミの質感は高級感もあり、頑丈に感じます。耐落下衝撃性能は1m、水深2m防水。必要充分ですね。
ハンディライトを含め、CR123Aもしくは18650充電池をメインに使用している人にオススメ。手元作業からトレッキング、ランなどスポーツアクティビティを楽しむユーザーにもぜひ使って欲しいモデルです。ヘッドランプ以外での使用をあまり考慮していない点も潔くて個人的には好印象。寒いシーズンにアウトドアで活躍してくれるヘッドランプでしょう。冬キャンプのお供に「H50」を選んでみてはいかがでしょうか。(アカリセンター価格:9680円)
>> 連載[Gear Maniax]
(文・写真/HATTA)
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