【ベンツVクラス試乗】“ピープルムーバー”のお手本。ディーゼルの恩恵で走りは力強い
&GP / 2016年2月11日 18時0分
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【ベンツVクラス試乗】“ピープルムーバー”のお手本。ディーゼルの恩恵で走りは力強い
ヨーロッパから本格派ミニバンが上陸しました! 2014年に本国ドイツでフルモデルチェンジし、3世代目となったメルセデス・ベンツ「Vクラス」がそれ。ボディの左右にスライドドアを備え、“2+2+3”のシート配列を持つ7人乗りモデルです。
日本に輸入されるVクラスのドライブトレーンは、“クリーンディーゼル”こと2.2リッター(2142cc)直4ディーゼルターボ(120馬力/38.7kg-m)と、7速ATの組み合わせのみ。車名はV220dとなります。
■誤解を恐れずにいうなら「メルセデスのハイエース」だ
ボディは、全長の違いによって3種類。全長4905mmのスタンダード、リアタイヤ以降=荷室部分を伸ばしたロング(全長5150mm)、そして、ホイールベースを3200mmから3430mmに延長したエクストラロング(全長5380mm)がラインナップされます。
価格は、装備を簡素化したグレード「V220dトレンド」が535万円(受注生産)。V220dが620万円、V220dアバンギャルド ロングが695万円、そして、V220dエクストラロングが730万円です。
和製ミニバンの覇者であるトヨタ「アルファード」は、全長が4915〜4935mmですから、サイズ的にはいい勝負。となると、V220d=スリーポインテッドスターの付いた“豪華ミニバン”! なんて想像するかもしれませんが、ちょっと違います。今回、全長4905mmのスタンダードを借りることができたので、早速、チェックとまいりましょう!
ドライブしたのは「V220d」。大きめのグリルに切れ長のヘッドランプ。しっかり最近のメルセデス顔をしています。
ドアを開け「よいしょ」という感じで運転席へ。Vクラスはフロントからリアまでフロアが高いんです。おそらく床下のスペースを使って、今後、電気自動車化したり、燃料電池車に発展させたりするのでしょう。
フロアには、セカンドシートとサードシートをスライドさせるためのレールが4本、縦断しています。シートは取り外し可能なので、2列目を取り外して余裕ある5人乗りとしたり、右側の2列目、3列目を外してその場所に長尺物を積んだり、はたまた、2列目シートを後ろ向きに取り付けてサロン風にしたり、なんて使い方もできます。
ただし、シートアレンジが魔法のように簡単で、軽い力で操作できる日本製ミニバンとは異なり、Vクラスのシート操作はひとつひとつが重く、おおごとになりがち。特にシートを取り外すのは、シート自体が重いこともあって、力仕事に慣れない人では手に余りそう。Vクラスの場合、その日の都合やドライブの先々で自在にレイアウトを変える…といった使い方ではなく、しっかり長期的な用途を検討してシート配置を決める必要があります。
一方、どのシートに座っても、十分以上の居住性が確保されているのが、Vクラスの美点。広く水平なフロアと四角いボディが奏功して、3列目シートも“オマケ”や“非常用”としてではなく、立派に大人用として使えます。7人乗りのスペックは、伊達ではないのです。
Vクラスのインパネは、ミニバンやSUVで多用されるバーカウンタータイプ。センターコンソールがフロアに伸びていないので、前席左右間や、2列目左右間のスペースを使って“ウォークスルー”できます。
インパネのセンターに置かれた8.4インチディスプレイ、横に並んだ空調スイッチ類、そして、タッチパットとダイヤルを組み合わせた“COMANDシステム”と、最新のメルセデス車で見慣れた装備が目に入ります。もちろん、運転席やエレクトロニックキーのスイッチで、電動スライドドアや電動テールゲートを開閉可能。加えて、テールゲートが開く際の高さを指定できるので、小柄なオーナーや天井の低い駐車場に停める時でも安心です。
さて、キーをひねると、2.2リッターのディーゼルターボユニットが元気に目を覚まします。“BlueTECエンジン”と呼ばれるこの4気筒ディーゼルは、気筒ごとの燃料噴射を精密にコントロールする“ピエゾインジェクター”を備えます。できるだけキレイに軽油を燃やし、有害物質の排出を抑えるキーデバイスです。
それでも生じてしまった有害物質“NOx(窒素酸化物)”は、排ガスに“AdBlue(尿素水溶液)”を吹き付けることで、最終的に無害な窒素と水に還元します。
そんな環境対応型ディーゼルなので、回転も静かでスムーズ…といいたいところですが、実際は、音と振動でディーゼルであることを声高に主張します。「600万円超のメルセデスなのに…」と思う人がいるかもしれませんが、でも、給油の際にハイオクと軽油を間違えなくていいかもしれませんね。
2.2リッターターボディーゼルの最高出力は163馬力/3800回転。最大トルクは38.7kg-mと、3.5リッターのガソリンV6エンジン級。しかも、最大トルクをわずか1400回転で発生するので、あまり回さなくても力強さを感じます。V220dは、市街地では黙々と乗員を運び、高速道路では安定感高く直進してくれます。
誤解を恐れずにいうなら、Vクラスは「ベンツのアルファード」というより、「メルセデスのハイエース」と表現した方が当たっていると思います。移動中に乗員を楽しませる、というよりは、必要な人員を疲れさせることなく、着実に目的地へと運ぶ。そんなプロユースでこそ実力を発揮するに違いありません。空港からホテルまでの送迎に使う、撮影スタッフを取材地まで送り届ける、そんな使い方が浮かんできます。
欧州製ミニバンを差して“ピープルムーバー”という呼び方をすることがありますが、Vクラスはまさにそのお手本。指定された場所まで、脇目もふらず矢のように走る、そんな頼りがいのあるクルマなのです。
<SPECIFICATIONS>
☆220d
ボディサイズ:L4905×W1930×H1880mm
車重:2370kg
駆動方式:FR
エンジン:2142cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:7AT
エンジン最高出力:163馬力/3800回転
エンジン最大トルク:38.7kg-m/1400〜2400回転
価格:620万円
(文&写真/ダン・アオキ)
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