【もうすぐ出ますよ!注目の日本車】乗って分かったホンダ新型「フィット」の3つの驚き
&GP / 2019年12月23日 19時0分
【もうすぐ出ますよ!注目の日本車】乗って分かったホンダ新型「フィット」の3つの驚き
ホンダの「フィット」といえば、今や日本を代表するコンパクトカーのひとつ。そんな人気モデルが、もうすぐフルモデルチェンジで新型へとシフトする。
東京モーターショー2019で公開され、2020年2月に販売がスタート予定の新型フィット。Part.1ではその概要と注目ポイントを紹介したが、今回はテストコースでのプロトタイプ試乗で驚いた、3つのポイントについてレポートする。
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■特徴的なAピラーがもたらす抜群の開放感と視界のよさ
新型フィットをドライブしてまず驚いたのは、運転席の圧倒的なまでの開放感だ。前方に目をやると、これまで体感したことのない視界が広がっている。思わず「これはすごい!」と口にしてしまったほどだ。その秘密は、フロントピラーの構造にある。これまで試乗してきたどのクルマよりも、“Aピラー”と呼ばれる、最も前方に位置するピラーが細く、左右の視界が開けているのだ。
写真は欧州仕様
Aピラーの太さは、先代モデルの116mmに対し、新型ではわずか55mmと半分以下に設定。開発責任者の田中健樹さんによると「人間の目は、右目の瞳孔と左目の瞳孔の間隔より細いものは、存在を消し去ることができる。小柄な女性における左右の瞳孔の間隔は平均57mmで、新型フィットのAピラーはそれより細いため、視界の邪魔にならない」という。
その結果、従来モデルでは69度だった左右Aピラー間の視界が、新型では90度にまで拡大。開放的で心地いい視界につながっているだけでなく、交差点の右折時に死角を生みにくいことから、安全性の向上にも貢献してくれる。
ちなみに、これほどAピラーが細いと、衝突時の安全性が気になるという人もいるだろう。確かに一般的なクルマは、前面衝突時、前方からの衝撃がそのままAピラーへと伝わる。しかし、開発チームがアイデアを出しあい、必死に細くしていったという新型フィットのAピラーは、車体剛性を左右する構造物ではなく、フロントガラスを支えているだけのもの。万一の際の衝撃はAピラーではなく、Aピラーとフロントドアの間にある“A’(エー・ダッシュ)”ピラーへ伝える構造とすることで、十分な衝突安全性を確保しているのだ。その分、A’ピラーは、Aピラーの何倍も太くなっている。
とはいえ、運転席に座って感じる抜群の開放感は、フロントピラーだけがもたらすものではない。実はインパネのデザインにも秘密があるのだ。
例えば、先代モデルのインパネは、逆L字型にドライバーを囲む形状だったが、その分、雑多な印象が否めなかった。一方、新型のそれは、左右を貫くパネルにメーターとセンターパネルとを埋め込むような構造とし、シンプルな見た目としている。
写真は欧州仕様
メーターもアナログではなく、7インチのTFT液晶パネルを採用。また、メーターパネルのバイザーを設けないことで、よりスッキリと見せている。さらに、珍しい2本スポークのステアリングも、開放感を高めるためのアイデアのひとつ。スイッチ類もあえて目立たなくすることで、見た目における“ノイズ”を排除している。
このように、細いAピラーから2本スポークのステアリング、そして細かいスイッチ類に至るまで、新型フィットの運転席回りには、優れた開放感によってリラックスできる空間にするための、多彩な工夫が散りばめられている。
■新しいシートとサスペンションで上級者顔負けの乗り心地
続いて感じた新型フィットの驚きが、乗り心地の良さだ。
まずドアを開け、運転席に座ると、シートがカラダを包み込んでくる感覚が強い。クッションが大きくたわみ、ジワリと沈む点も、コンパクトカーのそれとは思えないレベルにある。
シートの開発スタッフが目指したのは、“大型セダン「アコード」を超える座り心地”だったという。それを実現するために、新型フィットでは前後ともシートを新設計。特にフロントシートはフレームの構造を刷新し、従来のものよりカラダを面で支える設計とし、乗る人の体幹を支え、より疲れにくくしている。また、座面のクッション厚を、前席で従来比30mm、後席でも同24mmアップさせた結果、コンパクトカーとしては異例の沈み込み感を実現。クラスを超えた座り心地を実現している。
右が新型フィット用のシートフレーム
乗り心地のよさを実現しているのは、出来のいいシートだけに留まらない。走り出してみると、サスペンションがしなやかに動いているのがよく分かる。路面の細かな凹凸から段差を通過した際の衝撃まで、車体の揺れをしっかり抑えているのだ。
その理由は、徹底したサスペンションの低フリクション化にある。フリクションは摩擦抵抗のことで、これが高いと動きが渋くなってしまう。その点、新型フィットは、ショックアブソーバーの配置を見直すなど、さまざまな工夫を施すことで、サスペンションの動きを徹底的に滑らかにしている。
また、コーナリング時に不安感を覚えない点も好印象だ。サスペンションは、突っ張って踏ん張るようなセッティングではないため、乗り心地はとても良好。それでいて、速い速度でカーブを曲がっても、車体がグラリと一気に傾くようなロールは生じず、ジワーッと一定の速度で傾いてくれるから、安心してドライブできる。これなら、ひとりでのお出掛けから家族そろっての移動、そして長距離ドライブまで、どんな場面でも疲れにくいことだろう。
■ハイブリッド機構の刷新で実現した心地よい走り
新型フィットで驚いた3つ目のポイントは、走行フィールの心地よさ。その象徴ともいえるのが、ハイブリッド仕様のモーター走行時における滑らかな走りだ。
新型フィットでは、ハイブリッド仕様のシステムを刷新。その理由は、エネルギー効率を高めることによる燃費の追求にある。従来モデルの場合、動力源の主体はエンジンであり、モーターはそれをアシストする役割だった。しかし、e:HEV(イー・エイチイーブイ)”と呼ばれる新システムでは、一般的な走行領域ではエンジンを発電機とし、そこで生み出された電気でモーターを回して走る一方、高速域では逆に、エネルギー効率に優れるエンジンの力を、直接タイヤへと伝える。こうした新システムの実現のため、新型フィットに搭載される駆動用モーターは、従来比で約1.6倍のトルクを発生するものとなっている。
e:HEVはモーターが駆動力の主体となるだけに、その走行フィールは電気自動車にとても似ている。滑らかでスムーズな加速感は、従来のフィットでは味わえなかった心地よさと爽快感をドライバーに提供。アクセル操作に対し、反応の遅れなくシャープにスピードが増していくフィーリングは、ガソリン車ではちょっと味わえない。
(文/工藤貴宏 写真/本田技研工業)
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