コンパクトからLサイズまで!今年話題をさらったSUV5選【2019年まとめ⑦】
&GP / 2019年12月30日 7時0分
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コンパクトからLサイズまで!今年話題をさらったSUV5選【2019年まとめ⑦】
2019年12月6日(金)、第40回 2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の最終選考が行われ、今年のイヤーモデルにトヨタRAV4が選ばれました。
COTYは60人の選考委員がその年もっとも優れたクルマを選びます。RAV4が今年のクルマに選ばれたことは納得ですが、同時に私が注目したのは、第38回のボルボXC60、第39回のボルボXC40、そしてRAV4と、3年連続でSUVがCOTYを受賞したことです。
1990年代にはクロカン4WDを中心とするRVブームがあり、1997年にトヨタハリアーが登場してからはクロスオーバーSUVが世界的な人気に。しかしこの流れは「クルマが好き」「人とは違うモデルに乗りたい」という人が支えていたように感じていました。
しかしここ数年、SUVはクルマへのプライオリティが高い人たちが選ぶものから、本当の意味で広く一般的に選ばれるようになったのではないでしょうか。SUVがCOTYを3年連続で受賞しているのもその表れだと思います。
そこで2019年のまとめとして、2019年にデビューしたとくに注目したいSUVを紹介します。
1. トヨタ RAV4
2019年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたRAV4は、1994年に“ライトクロカン”として初代が登場した後、2代目、3代目へのモデルチェンジでボディサイズが大型化。この背景にはアメリカからの要望がありました。
ただ、ボディサイズの拡大、さらにクロスオーバーSUVの台頭で日本での注目度は低くなってしまいます。2013年に4代目へとフルモデルチェンジするものの、これは日本では発売されることなく、3代目が継続販売となりました。そして2016年7月に3代目の生産が終了。日本でRAV4は“過去のモデル”となってしまいます。
ところが2019年4月、RAV4が日本市場に復活。我々の目の前に現れたのは世界的に主流となっている都会的なデザインのSUVではなく、ワイルドさを強調したものになりました。
パワートレーンは2.5Lハイブリッドと2Lガソリン、そして4WDはグレードにより異なる3種類の機構が用意されました。中でも注目なのがガソリンモデルのG Zパッケージと、アドバンスに搭載される世界初のダイナミックトルクベクタリングAWDです。これは前後のトルク配分だけでなく、後輪の左右トルクを独立して制御することでコーナリング性能を向上させるシステム。いわば曲がるための4WDです。
この機構はキャンプ場に向かうまでの山道などで威力を発揮。フル積載、フル乗車のようなシチュエーションでも気持ちよくコーナーをクリアしていき、車高が高く車重もあるSUVに乗っていることを忘れるほど。ハイブリッドにこだわる人でなければ、ぜひともこのシステムを搭載したモデルを選んでもらいたいですね。
もちろん雪道など滑りやすい路面の走行はどの4WDシステムも安心感が高く、TNGAのプラットフォームも熟成され、街乗りではしっとりした乗り味を堪能できます。RAV4は普段使いからアクティブな週末まで楽しめるオールラウンダーといえるでしょう。
2. マツダ CX-30
CX-30はMAZDA3のSUV版という位置付け。CX-3より全長が120mm、全幅が30mmと一回り大きくなったものの、全幅は1800mm以内に収まっているので街中でも扱いやすいモデルです。「CX-3のデザインは好きだけれど、ちょっと小さいかな。でもCX-5は大きすぎる」と感じた人にとって、待望のモデルと言えるでしょう。
MAZDA3から始まったマツダの第7世代商品群の特徴として、“まるで歩いているときのような感覚で運転できる”というものがあります。マツダは理想の運転姿勢を“歩行状態”と定義し、シート、ボディ、シャシーなどを連携させることで、走行中の頭部の動きを安定させることを目指したと言います。
とくにその思想を感じられるのがフロントシート。シートに座ると骨盤がクッと立つのがわかります。これは骨格レベルで人間を見たときに、骨盤を起こした状態だと頭部の動きを自然に吸収できるからだそう。
実は本稿執筆の前日に、CX-30、そしてMAZDA3のチーフエンジニアと話す機会がありました。第7世代のモデルのシートは骨盤が立つことから自然に背筋がのび、凛とした姿勢で運転できる。だから男女ともに運転している姿がカッコよく見えるそうですよ。
搭載エンジンは2Lガソリンエンジンと1.8Lディーゼルエンジン。トルク重視でパワフルな走りを楽しみたいならディーゼルですが、街乗りが中心でたまに遠出をするという使い方ならガソリンエンジンがオススメ。マイルドハイブリッド+新世代のスカイアクティブXエンジンを搭載するモデルは2020年1月下旬発売予定です。
3. ダイハツ ロッキー
SUVが広く一般的なカテゴリーになったとはいえ、どうしても今までのモデルだと選びづらかったという人も少なくないはず。その理由のひとつがボディサイズではないでしょうか。
ここ数年で全高は立体駐車場に収まる1550mm以内のものが増えましたが、全幅はコンパクトSUVでも1800mm近くあり、少し大きなものだと1900mmに迫るものも珍しくありません。どうしても5ナンバーサイズじゃないと…という人の選択肢はジムニーシエラかクロスビー、あとはSUVテイストの軽自動車しか選択肢がありませんでした。
そこに現われたのがダイハツロッキーです。全長3995m、全幅1695mmと5ナンバー枠に収まるボディサイズとし、全高はこのサイズ感では少し高めの1620mmとしたことでSUVらしいタフなスタイルに。
2019年7月発売のタントからスタートしたダイハツの新しいアーキテクチャーであるDNGA。その思想で開発されたプラットフォームを採用。室内は全長4mを切るモデルとは思えない十分な広さが確保されているので、日常の買い物から週末のレジャーまで楽しめます(キャンプなどでたくさんの荷物を積みたいならルーフボックスが必要になりそうですが)。
搭載エンジンは1L3気筒ターボ。日常使いには十分ですが、もし走行中にパワーが欲しいときはステアリングにあるパワースイッチを押すことでエンジンとCVTの制御プログラムが変わりレスポンスよく走ることができます。
ロッキーの兄弟車でフロントデザインを変えたライズもトヨタから発売。SUVに乗りたいけれどサイズ的に厳しい。既存の5ナンバーSUVは可愛らしすぎると感じていた人に、新たな選択肢となるはずです。
4. DS DS3クロスバック
RAV4やロッキーなどワイルド系のSUVが多く登場した2019年。反対に華やかで都会的な雰囲気をとことん高めたコンパクトSUVがDSから登場したDS3クロスバックです。
もちろん最大の特徴はエレガントなデザイン。SUVらしい力強さがありながらもメッキやLEDの使い方に上品さを感じます。グリルはダイヤモンドをモチーフにした模様が敷き詰められています。
このダイヤモンドデザインがDS3クロスバックのアイコンで、インテリアに目をやると、インパネやシートにもダイヤモンドデザインがふんだんに使われています。しかもその使い方が嫌味ではなく、あくまで上品。このあたりはさすがとしかいいようがありません。
ウェザーストリップを見せないデザイン処理を施したり、クルマに近づくとドアハンドルがスッとせり出してくる演出を取り入れるなど、オーナーの所有欲を満たす機能もいいですね。
エンジンは1.2L3気筒ターボ。パワフルとは言いづらいですが、街中や高速道路では十分実用的。駆動方式はFFのみの設定なので、あくまでオンロードを爽快に走るための小さな高級SUV。人とは違うオシャレなクルマで豊かなライフスタイルを楽しみたい人にピッタリです。
5. BMW X5
大型プレミアムSUVの先駆けとして2000年にデビューしたX5も、2019年2月に発表された新型X5で4代目に。初代からの威風堂々とした佇まいを受け継ぎつつボディサイズを拡大し、全幅は2mを超えるまでに“成長”しました。しかし、全体の雰囲気からはスポーティさが損なわれていないのは、さすがBMWです。
このサイズに見合うだけの居住空間と荷室の広さがあるので、家族や仲間と荷物をたくさん積んでレジャーを楽しむ人には理想的な選択でしょう。ただ、サイズを見ると普段使いには躊躇するかもしれませんが…。
実際、街中では幹線道路でも大きいなという印象はぬぐえません。時折停車している車両が現れる左車線をするする走るのではなく、中央寄りの車線をゆったり走るほうが無難でしょう。
細い道に迷い込んでしまったときは、35km/h以下で走行中に直近50mのドライブルートを自動的に記録し、必要なときは記録したドライブルートに沿ってステアリングを自動操作しながらバックできるリバースアシストが役立ちます。
その代わり高速道路のクルージングは極上! スポーティなイメージを高めつつ、剛性感のあるボディが安定感のある走りを提供してくれるので、乗員を含めて安心した気分で移動を楽しむことができます。デビュー時は3L直6ディーゼルターボのみでしたが、2019年12月にプラグインハイブリッドとV8が追加されました。
クロスオーバーSUVらしい優雅さが欲しい人にとって、やはりこのサイズのプレミアムSUVは選択肢から外せないもの。938万~1354万円と価格もハイプライスですが、夢を見る価値のあるクルマだと思いますよ。
>> [特集]2019年まとめ
(文/高橋 満<ブリッジマン>)
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