「DOCOMO Open House 2020」で“これいい!”と感じた5G時代の新技術5選
&GP / 2020年1月23日 11時30分
「DOCOMO Open House 2020」で“これいい!”と感じた5G時代の新技術5選
2020年1月23日〜24日に東京ビックサイト・青海展示場で「DOCOMO Open House 2020」が開催されます。NTTドコモが毎年開催している最新技術を展示するイベントですが、開幕前日にプレス向けに開催された内覧会に行ってきました。
ドコモは今春、5G商用サービス開始を控えていることもあり、従来よりも規模を拡大し、展示内容が充実している印象を受けました。それでは、筆者が “いいね!” と思った、5G時代の新技術・新サービスを紹介しましょう。
1. いるだけでスマホを充電
まずは、直接5Gとは関係ないのですが、 “未来の充電” 。ドコモが開発中の「長距離ワイヤレス充電」は、部屋の天井に設置した照明器具などからレーザー光を発射し、それを受光することで充電するという技術。4メートル離れた距離からでもスマートフォンなどに充電でき、わざわざ充電しようと思わずとも、エリア内に入ると自然に充電できることが特徴。これが実現したら、充電をし忘れることがなくなりそうです。
▲天井の照明器具が発するレーザーを受光し、電車のオモチャがレールを走るデモンストレーションを実施
▲スマートフォンにはUSBポートに取り付けた機器や専用のスマホケースから充電することを想定
2. 瞬時に英語を日本語化
英語のスピーチをリアルタイムで日本語に翻訳され、テキスト化されるサービスも出展されていました。これは「Otter」という英語音声をリアルタイムでテキスト化するサービスとの連携によるもの。「Otter」は世界で100万人以上が利用しているサービスで、筆者も海外出張時などに愛用しています。その「Otter」と、ドコモが「はなして翻訳」で培った会話系翻訳のノウハウと、TOEIC960点相当の機械翻訳が可能だという「Mirai Translation」の技術を組み合わせて実現したもの。なお、「Otter」は音声認識の日本語対応も検討しているそうで、近い将来、双方向のリアルタイム翻訳&書き起こしが実現するかもしれません。
▲Otter.aiのCEOのSam Liang氏が「Otter」について英語で説明し、それが瞬時に日本語に翻訳されてディスプレイに表示されるデモが行われた
3. 未来のAR生活
高速大容量・低遅延・他端末接続が実現する5G時代には、ARコンテンツの普及も期待されています。「ARクラウドで実現する未来の生活スタイル」というコーナーでは、ARグラスやタブレットを用いて、ARコンテンツを体験することができました。「Magic Leap」というARグラスを装着することで、現実世界に重ねて、ARによる付加情報を入手できたり、実際にはないものを、あたかもそこにあるのように実感できたり。今は一種のアトラクションのように感じますが、数年後には、当たり前のことになっているかもしれませんね。
▲実際にはない提灯が見えたり、バス停の上に到着予定時間が表示されたり。外国語に翻訳された情報も表示でき、インバウンド需要にも対応する
▲何もない壁にスクリーンを表示させたりもできる
▲実際に見える映像を掲載できなくて残念だが、ARグラス「Magic Leap」を装着すると、全方位にARコンテンツが表示され、臨場感が向上する
▲5GとMR(Mixed Reality=複合現実)でウルトラマンの世界に没入できる「ウルトラマン MR Show」も人気を集めていた
4. 他者の口や身体の動きを体感
5Gでは、映像や音声だけではなく、さまざまな情報の伝送が行われます。そこで新しいコミュニケーション技術として研究・開発されているのが「Face Sharing」。他者の口の動きや身体の動きなどを直接体感できるというもの。将来的には、口の動かし方を体験することを語学学習に生かしたり、身体の動かし方をスポーツのスキルや、医療現場でのリハビリテーションに生かしたりといった応用を想定しているそうです。
▲「Face Sharing」のデモンストレーション
▲頬に装着して、口腔周辺の筋肉を制御するウェアラブル機器
5. 「力触覚」で遠隔操作
離れた場所からロボットを遠隔操作するという技術は、もはや新しくはないのですが、今回注目を集めていたのは「力触覚」を利用した遠隔操作。ロボットが感じた “重い” “硬い” “柔らかい” という情報が、離れた場所で操作をするオペレーターに伝送され、オペレーターはその重さや硬さを感じながら、ロボットを操作できる仕組み。5Gの高速大容量と低遅延によって実現する技術といえるでしょう。
▲「力触覚」を利用した遠隔操作ロボット。離れた場所にいるオペレーターは、ロボットが撮影した映像を見ながら操作でき、ロボットが感じた重さや硬さも体感できる仕組み
なお、会場内には5Gの可搬型基地局が設置され、一部のデモンストレーションには実際に使われていました。
▲会場に設置されていた5Gのアンテナ
▲現行のLTEの実行速度が受信最大153Mbpsなのに対して、5Gは受信最大1479Mbpsというスピードを記録していた
■5Gを生かした「新体感ライブ CONNECT」もスタート
プレス内覧会が開催された1月22日には、2020年3月から開始する「新体感ライブ CONNECT」という新サービスの発表会も開催されました。すでに提供中の「新体感ライブ」を進化させたもので、5Gの高速・大容量通信を生かして、8K映像のVRライブを提供するとのこと。そのキャンペーンキャラクターには、1月22日にCDデビューしたばかりだというジャニーズの「SixTONES(ストーンズ)」と「Snow Man」を起用。3月18日に、彼らが出演するスペシャルイベントが実施されることも発表されました。
▲発表会に登壇し、「新体感ライブ CONNECT」をアピールしたNTTドコモの吉澤和宏社長
▲ドコモ独自の技術で8K映像のリアルタイム配信を実現。なお、「新体感ライブ CONNECT」は4G環境でも利用可能
▲「新体感ライブ CONNECT」のキャンペーンキャラクターを務め、第1弾のVRライブを配信するSixTONES(左)とSnow Man(右)
>> docomo
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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