ライバルよりも先進的!より豪華になったBMW「X5」はイマドキのGTカーだ
&GP / 2020年2月22日 19時0分
ライバルよりも先進的!より豪華になったBMW「X5」はイマドキのGTカーだ
スーパーカーブランドであるランボルギーニの「ウルス」、そして、スポーツカーブランドであるポルシェの「カイエン」や「マカン」。それらの特徴は、車高の高いSUVであるにもかかわらず、スポーツカーのような俊敏な走りを味わえる点にある。
そんなオンロード重視SUVのパイオニアといえるのが、BMWの「X5」。2019年に上陸した新型X5も、走行フィールは依然として、スポーツカーライクな味つけなのだろうか?
■高級SUVにふさわしい内外装の仕立て
かつて背の高いSUVといえば、オフロードでの走破性を重視した設計、というのが常識だった。ところが2000年代に入り、悪路よりも舗装路での走りを重視した、かつての“ヨンク”とは一線を画すモデルが増加。今では世界中の自動車メーカーが、大小を問わず、スポーツカー顔負けの走行性能を備えたSUVをラインナップしている。
その先陣を切ったのが、BMWのX5だ。初代X5がデビューしたのは2000年。当時、SUVは“ジープタイプ”と分類されることもあり、舗装路での機敏なフットワークを求めるなど論外、と思われていた。そんな中デビューしたX5は、「あのBMWがついにヨンクを出した!」と話題を集めると同時に、SUVの走りを改革したエポックメイキングなクルマとなった。ちなみに、ドライビングプレジャーの点で高評価を得ているカイエンのデビューが2002年だったことを考えると、初代X5がいかに時代の先を行っていたかがうかがえる。
そんなX5も、先頃4代目へと進化した。新型を目の前にすると、まずは車体の大きさに目を見張る。初代も大柄なクルマだったが、モデルチェンジのたびにサイズが拡大。新型はついに、全長4935mm、全幅2005mmという、日本の街中でドライブするにはちょっと気を使う大きさとなった。
と同時に感じるのは、ラグジュアリーSUVにふさわしい立派なルックスになったな、ということ。BMW車の特徴ともいうべきフロントの“キドニーグリルは、下方向がバンパーへめり込むほど大型化。その左右に備わるヘッドライトは鋭く、顔つきは迫力に満ちている。また、ボディパネルに変化をつけるキャラクターラインなども鋭くなり、スタイリングは全般にシャープさが増している。
対するインテリアは、ドアを開けた瞬間に仕立ての良さが伝わってくる。試乗車両には、表面に立体的な模様をあしらった豪華なレザーシートがオプション装着されていて、“イイモノ感”がひと際アップ。まるでラグジュアリーなホテルに足を一歩踏み入れた時のような、品格の高さのようなものを感じる。
そうした雰囲気に磨きを掛けていたのが、オプションで用意されるクリスタル製のシフトノブ。手作業で仕上げられたそれは、まるで宝石のような透明感と輝きで、インテリアに華を添えている。
BMW信者にしてみれば「走りのBMWはどこへ行った?」なんて苦言をいいたくなるかもしれないが、高級SUVを求める顧客には、こうした演出は喜ばれるに違いない。
■ライバルには採用例のないハイテク機能を積極採用
新型X5は、ドライバーインターフェースも最新のBMWスタイルへと刷新された。メーターは12.3インチのフル液晶パネルで、アナログメーターにこだわっていたかつてのBMWの面影はそこにはない。タコメーターの針の動きが一般とは逆の左回転となるが、慣れれば全く違和感はなかった。
ナビゲーション画面などを表示するセンターディスプレイも12.3インチと大きく、従来とは異なりタッチ操作が可能に。その上、音声で車両の各種機能を操作できる、先進の“BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント”も採用されており、さまざまな操作方法に対応している。
ドライブをサポートするテクノロジーも、時代の先端を行っている。その筆頭が、高速道路での渋滞時に、手放し運転(速度調整や停止もドライバーの操作なしにクルマ側が行う)を実現する“ハンズ・オフ・アシスト”。ハンドルから手を放しても、車線をなぞりながら走り続けるその姿は、法規などの難しい話を抜きにして、「もはや自動運転の時代だ!」とばかりにちょっとした衝撃を受ける。
また、走行してきた直近の50mの道をクルマ側が覚えていて、その軌跡に沿ってハンドル操作を自動で行いバックできる“リバース・アシスト”も搭載。狭い道で対向車とのすれ違いができない状況に陥った際に、とても重宝する機能だ。
さらに、夜間のドライブ時、人や大型動物が路上にいた場合に警告し、キドニーグリル内の赤外線カメラを介して対象物をディスプレイに映し出す“BMWナイト・ビジョン”も用意。郊外でのナイトドライブをサポートしてくれる。
このほか、車両に搭載されるカメラを、オプションでドライブレコーダー代わりに活用できるようにする機能も、ユニークなアイデア。いずれも、ライバルブランドであるメルセデス・ベンツやアウディでは採用例のない装備で、BMWのハイテクイメージを高めている。
■6気筒ディーゼルターボは回転フィールが心地いい
新しいX5のモデルバリエーションは、上陸当初は6気筒ディーゼルターボ搭載の「xDrive35d」のみだったが、2019年12月に、プラグインハイブリッドの「xDrive45e」やV8ガソリンターボを積む最速モデル「M50i」も登場。選択の幅が広がった。
そのうち今回試乗したのは、xDrive35dをベースに、スポーティな仕立てが施された「xDrive35d Mスポーツ」。その乗り心地は、21インチのタイヤ&ホイールを履く影響か、時折、路面からの衝撃を感じる。しかし、それを除けば、おおむね車体はフラットに保たれ、抜群の静粛性もあって車内はとても快適だ。
抜群の静粛性にひと役買っているのが、直列6気筒のディーゼルターボ。ディーゼルエンジンならではの、モリモリと力強い低回転域でのトルクはいうに及ばず、そのまま高回転までスムーズに吹け上がる様子には、運転していて感動すら覚える。不快な音や振動は一切なく、滑らかでエモーショナルな回転フィールは、とてもディーゼルエンジンとは思えない。
ガソリン車から乗り換えてもガッカリすることは一切なく、それどころか、まるでトルクが猛烈に太い大排気量ガソリンエンジン車を運転しているかのような錯覚に陥る。給油時にうっかり間違えて、軽油ではなくガソリンを入れてしまいそうだ。
そんなX5 xDrive35d Mスポーツは、速度を高めていった時の安定性の高さも素晴らしい。しかし一方で、新型はBMWらしい軽快なハンドリングフィールが少々影を潜めた。高速道路における安定感の高さと抜群の静粛性を考えると、このクルマが本領を発揮するのはGT(グランドツーリング)なのだろう。
<SPECIFICATIONS>
☆xDrive35d Mスポーツ
ボディサイズ:L4935×W2005×H1770mm
車重:2190kg
駆動方式:4WD
エンジン:2992cc 直列6気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:265馬力/4000回転
最大トルク:63.2kgf-m/2000〜2500回転
価格:1031万円
(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)
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