マツダ3よりいいかも!新世代エンジン“スカイアクティブX”は「CX-30」と相性抜群

&GP / 2020年3月30日 19時0分

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マツダ3よりいいかも!新世代エンジン“スカイアクティブX”は「CX-30」と相性抜群

新世代のガソリンエンジン“スカイアクティブX”を搭載したクロスオーバーSUV、マツダ「CX-30」のデリバリーが始まった。

CX-30は、「マツダ3」から始まった同社の新世代商品群における第2弾であり、2019年10月に登場。これまで、2リッターのガソリンエンジン“スカイアクティブG”と、1.8リッターのディーゼルターボ“スカイアクティブD”というエンジンラインナップで展開されていたが、デビューから約3カ月遅れで、ようやく“真打ち”が登場したことになる。

今回はそんな、画期的なガソリンエンジンと人気のSUVとの相性について検証したい。

■より高出力で低燃費なスカイアクティブX

スカイアクティブXは、世界で初めて、ガソリンエンジンで圧縮着火方式を実用化した画期的なエンジンだ。

ガソリンエンジンは通常、燃料と空気の混合気に、点火プラグで火花を飛ばして着火させる。対して圧縮着火方式では、点火プラグを用いず、混合気の温度と圧力を高めることで自己着火させるのだ。点火プラグを用いずに自己着火させる仕組みはディーゼルエンジンと同じであるため、「ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴を併せ持ったエンジン」と表現されることもある。

双方の特徴を併せ持つことから、圧縮着火方式のエンジンは、熱効率が高いというメリットを持つ。いい換えれば、ムダが少なく、従来のガソリンエンジンと同じ量の燃料で、もっとパワーが出て、燃費が良くなるわけだ。これこそが、圧縮着火方式の画期的な部分といえる。また、レスポンスに優れるのも美点で、ガソリンエンジンをベースとすることからディーゼルエンジンほど騒々しくなく、高回転まで伸びやかに回るのもポイントだ。

マツダのスカイアクティブXは、完全な圧縮着火ではなく、点火プラグの火花を自己着火の制御に用いている。“SPCCI(スパーク・コントロールド・コンプレッション・イグニッション/火花点火制御圧縮着火)と呼ばれるこの制御をものにしたことで、マツダは世界の主要メーカーが取り組みながら、これまで挫折を繰り返してきた夢の燃焼技術を、実用することに成功したのである。これまでにない価値を提供する画期的な技術ということで、マツダは同社の新世代商品群の目玉技術としてスカイアクティブXを位置づけている。

そんなスカイアクティブXの排気量は、スカイアクティブGと同じ2リッター。しかし、双方のスペックはかなり異なる。CX-30に搭載されるそれぞれのエンジンで比較してみると、

◎スカイアクティブG
最高出力:156馬力
最大トルク:20.3kgf-m
燃費:15.6km/L(2WD・AT)

◎スカイアクティブX
最高出力:180馬力
最大トルク:22.8kgf-m
燃費:17.2km/L(2WD・AT)

となり、スカイアクティブXはより高出力かつ、低燃費であることが分かる(それぞれの燃費データは、カタログ記載のWLTCモードの数値)。

スカイアクティブGがレギュラーガソリン仕様であるのに対し、スカイアクティブXはオクタン価(異常燃焼のひとつであるノッキングのしやすさの指標)の高いハイオク仕様であることから、使用燃料の違いが出力と燃費の根本的な違いを生んでいると思いがちだが、こうしたスペックの差は、主に前述した燃焼技術の違いによるものだ。

■CX-30はスカイアクティブXとの組み合わせがベスト

何を隠そう、日頃からエンジン技術に興味津々の筆者は、夢の技術をカタチにしたスカイアクティブXの虜となっている。しかし、スカイアクティブXに対して熱い気持ちを抱く筆者でも、「マツダ3のベストバイは何か?」と問われれば、「スカイアクティブD搭載車!」と答えるはずだ。

その理由は、ディーゼルエンジン特有の豊かなトルクと、マツダ3ならではのスポーティかつ上質な世界観がマッチし、心地いいドライブを堪能させてくれるため。ディーゼルエンジンでありながらスポーティに走れるし、燃費も良好。逆にいえば、高い期待の裏返しでもあるのだが、スカイアクティブX仕様のマツダ3は、燃費やアクセルペダルを踏み込んだ時のパンチ力など、どこか物足りない気がするのだ。

では、CX-30の場合はどうか? 結論から先にいってしまえば、「スカイアクティブXとの組み合わせが文句なしのベスト」である。

CX-30というネーミングを冠した同じモデルであるにもかかわらず、スカイアクティブX仕様は他のエンジン搭載車と比べ、ひとクラス上のクルマに感じられる。マツダ3の開発を通じて得られた知見が、少なからず反映されているからだろうか、マツダ3では「ココがもっと欲しい!」と物足りなく感じたシーンが、CX-30のスカイアクティブX仕様では見事に満たされており、より頼もしく感じられるのだ。

一例を挙げるなら、それは発進加速のシーンだ。オルガン式のアクセルペダルに載せた足にほんの少し力を加えるだけで、CX-30スカイアクティブX仕様は、伸びのある加速を提供してくれる。幹線道路を走行中、前を走るクルマがやや唐突にロードサイドのファミレスに入るために減速。それを見ていったんスピードを落とし、周囲の流れに復帰するために再び加速する、といったシーンなどでも、レスポンス良く頼もしい力を(加速感として)返してくれる。あらゆるシーンでの加速が気持ち良く、ストレスを感じないのである。

また、発進時においても、重量の差が起因となっているのか、スカイアクティブGやスカイアクティブDではもたつきを感じるシーンが何度かあったが、スカイアクティブX仕様は感覚的なものかもしれないが、そうした不満を感じない。アクセルペダルを踏んだら踏んだだけ加速し、まさにドライバーが意図した通りに走り出してくれるのだ。

■ATでもスカイアクティブXの良さを存分に味わえる

さらにもうひとつ、CX-30スカイアクティブX仕様がひとクラス上のクルマに感じられる理由として、スカイアクティブGやスカイアクティブDに対し、静粛性で大きく差をつけていることが挙げられる。

スカイアクティブDは他社のディーゼルエンジンに比べ、かなり静かに仕立てられているが、スカイアクティブX仕様に乗った後でドライブすると、かなり騒々しく感じる。静粛性の高いスカイアクティブGと比較しても、スカイアクティブX仕様は格段に静かで、根本的なノイズレベルの違いを実感させるのだ。

スカイアクティブXは、加速時などに「カリカリカリ」という圧縮着火方式特有のノイズが耳に届くことがある。そうした音をできるだけ抑えるべく、開発陣はエンジンをカプセル化しているのだが、その副産物として、クルマ全体としての静粛性が格段に向上しているのである。

ちなみにスカイアクティブX仕様には、6速ATと6速MTというふたつのトランスミッションが用意されるが、上質さを重視する向きにはATがオススメだ。レスポンスの良さを始めとするスカイアクティブXの良さを存分に味わいながら、快適な移動を楽しめる。

一方、スカイアクティブXの美味しいところを積極的に引き出しつつ、シフトレバーを操る楽しさも含め、クルマとの積極的に交わりたいなら、MTの方がベターだろう。特に、高回転域まで回しながら、順に上のギヤへとシフトアップしていく際の伸びのある加速感と乾いたエンジンサウンドは、思わず病みつきになるほどだ。

CX-30はマツダ3の5カ月遅れで登場したこともあり、新世代商品群としてのクルマの基本が、熟成しているように感じられる。その一例が、しなやかな“脚の動き”だ。引き締まった印象のマツダ3(特にファストバック)をスポーツカーに例えるなら、CX-30の脚の動きは、まさにサルーンのそれを想起させる。サルーンのように上質なフットワークと、静かでハイレスポンス、そして力強さを感じられるスカイアクティブXは、かなり好相性だといえるだろう。

<SPECIFICATIONS>
☆X Lパッケージ(2WD/6AT)
ボディサイズ:L4395×W1795×H1540mm
車重:1490kg
駆動方式:FF
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:180馬力/6000回転
最大トルク:22.8kgf-m/3000回転
価格:347万7100円

(文/世良耕太 写真/&GP編集部)

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