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静かに佇む一対の国宝菩薩像を手のひらサイズでフィギュア化

&GP / 2020年4月27日 18時0分

静かに佇む一対の国宝菩薩像を手のひらサイズでフィギュア化

静かに佇む一対の国宝菩薩像を手のひらサイズでフィギュア化

仏像フィギュアメーカーのイスムで人気のシリーズ「TanaCOCORO」。卓上に置くにも適した高さのかわいらしい仏たちです。

このシリーズに、あらたに「伝日光菩薩・伝月光菩薩」(3万8000円/税別)が仲間入りしました。「静」をあらわす月光菩薩は、左右対称で控えめな衣文が「静」の印象を与えます。「動」をあらわす日光菩薩は、袈裟を左腕に掛けることで生じるボリューム感と下半身正面の力強いシルエットが特徴です。2体の仏を眺めていると、心静かな時をすごせそうです。

▲(左)伝月光菩薩(右)伝日光菩薩立像

かつて奈良県限定で販売され好評を博たフィギュア「イスムStandard 伝日光菩薩立像 伝月光菩薩立像」(全長22cm)が、至高のクオリティそのままに、高さ約18cmの手のひらサイズとなって登場しました。

そのモデルは8世紀、疫病や天変地異などが続く動乱の世のなかで造られた一対の像、国宝である塑造(そぞう)「日光仏/月光仏」立像です。一般的に日光・月光菩薩は、病気平癒の仏・薬師如来の脇侍で、昼夜交代で衆生(人間をはじめすべての生物)を照らし、救済する役割を担います。

実在する現在の塑造は、雲母(きら)の入った仕上げ土の白が全身を覆っていますが、造像当時は極彩色に彩られていました。その名残りが、現在でも衣の内側など、随所に残り、古色の味わい深さを醸し出しています。

塑造という製法を用いたことで、可能になった写実的で自然な表現は、天平時代を代表する像として名高く、極限までシンプルな装飾と理智的な表情が静謐ながらしっかりとした存在感をもたらします。

日光菩薩・月光菩薩と称されるこの仏像ですが、寺伝によるとこの名称で呼ばれるようになったのは江戸時代になってからとのこと。じつは、一般的に菩薩像は裸足、また装飾物を付けた姿で表されます。ところがこの像は、シンプルな唐風の衣装をまとうのみで履物も履いており、天部の像であることが分かります。

また、通常は日光菩薩と月光菩薩は薬師如来の脇侍であるのに対し、こちらは不空羂索観音の脇侍となっていたことから、伝日光菩薩は梵天、伝月光菩薩は帝釈天として造像されたというのが、現在の定説になっています。

そのため、本フィギュアでも、「伝日光菩薩立像・伝月光菩薩立像」というように「伝」の文字を加えてのアイテム化とされているのです。

 

>> イスム「伝日光菩薩立像 伝月光菩薩立像」

文/&GP 

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