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約18万円なら手は届く!新2画面ノート「ZenBook Duo」で何ができるのか

&GP / 2020年5月7日 11時0分

約18万円なら手は届く!新2画面ノート「ZenBook Duo」で何ができるのか

約18万円なら手は届く!新2画面ノート「ZenBook Duo」で何ができるのか

ASUSは5月7日、キーボード上部にセカンドディスプレイを搭載する14型の新モデル「ZenBook Duo」を発売しました。価格はインテルCore i5モデルが18万2800円、Core i7モデルが21万9800円です。

昨年夏に国内でも発売されたフラグシップ機「ZenBook Pro Duo」は話題になりましたが、こちらの価格は下位モデルでも約36万円。斬新な2画面デザインは魅力的だったものの、気軽に手を出せる値段ではありませんでした。

しかし、新モデルの「ZenBook Duo」では、2画面のまま20万円を切る選択肢もあります。決して安価なモデルではありませんが、従来よりも手を伸ばしやすいのは間違いありません。

 

■まずは外観をチェック

まずはデザインを見ていきましょう。

▲「ZenBook Duo」。天板にはロゴマークを中心にスピン加工が施されていて、シンプルながらも洗練されたデザインに

カラーは“天体の青”を意味する「Celestial Blue」。天板に施されたスピン加工も相まって、洗練された印象です。

▲裏面。上位モデルはインテルCore i7 10510Uプロセッサー、下位モデルはCore i5 10210Uプロセッサーを搭載。冷却用にデュアルファンも備える

筐体の厚みは20.4mm、質量は1.66kgあり、携帯するにはやや重め。しかし、サブディスプレイ1枚持ち歩くことを考えれば、ラップトップ一台にまとまっている方がラクという考え方もできるでしょう。自宅の部屋から部屋を移動するくらいなら、小回りが効いて良いはず。

▲画面を開くと、エルゴリフトヒンジによって5.5度の傾斜がつく。右側面のインターフェースは、右から順にUSB 3.0、マイクロホン/ヘッドホン端子用ポート、microSDカードスロット

インターフェースは豊富です。電源とは別に、USB Type-Cポート、Type-Aポート、mircroSDカード、HDMIなどが使えます。

▲左側面のインターフェースは、左から順に、電源ジャック、HDMI、USB 3.1(Type-A/Gen2)、USB 3.1(Type-C/Gen2)。

 

■バッテリー持ちがかなり伸びた

仕様をチェックすると、プロセッサーには、上位モデルはインテルCore i7 10510U(1.8GHz、ブースト時最大4.9GHz)、下位モデルはCore i5 10210U(1.6GHz、ブースト時最大4.2GHz)を搭載します。メインメモリはそれぞれ16GBと8GB。SSDは上位モデルが1TBで、下位モデルが512GBとOptaneメモリ32GBを併用します。消費電力はどちらも最大約65Wです。

そして注目すべきは、バッテリー駆動時間。上位モデルが約13.9時間で、下位モデルだと約14.3時間になりました。なお、充電時間は共通して約2.4時間です。

実は、ZenBook Pro Duoでは連続駆動時間が5時間台だったので、数値的には2倍以上に伸びています。2画面搭載ながらも“普通のノートPC”の感覚で使えるようになったのはうれしいポイントです。

▲同梱の充電ケーブル類

ちなみに、同梱の充電器はやや大きめ。筆者の手の平くらいありました。

▲筆者の手に載せるとこのくらい

 

■キーボードの配置は独特

ZenBook Duo最大の特徴は、ZenBook Pro Duoと同じく「Screen Pad+」というセカンドディスプレイを搭載したことです。表面はノングレアで解像度は1920x515ドットのフルHD相当。

14インチのメインディスプレイも、ノングレアで解像度1920 x 1080のフルHDなので、解像感はさほど変わりません。

▲Screen Pad+が上部にあり、タッチパッドはキーボード右側に寄っている

このセカンドディスプレイがある分、キーボードは手前に寄っています。パームレストはなく、タッチパッドが右側に、キーが左側にあるデザインです。

ポームポジションがセンターからだいぶズレてしまうので、ほとんどキーボードしか使わない人にとっては慣れは必要かもしれません。一方、ショートカットキーを左手で駆使しながら右手でカーソルを操作するようなクリエイター的用途には向いていると思います。

▲キーはバックライト搭載

なお、標準の持ち上がる角度で足りない場合には、同梱されているスタンドを活用することで、より端末の角度を持ち上げることも可能。

▲同梱されている折りたたみ式のスタンド。シールで貼り付けられる

▲スタンドを折り曲げるとこんな感じに

▲スタンドを活用して端末に少し角度がついた様子

 

■ScreenPad+は何に使うか?

さて、肝心のScreen Pad+をどう活用すべきか。初回起動時にチュートリアルがしっかり表示されるので、これをきっちり読めば使い方が分からなくて困るということはありません。

例えば、Screen Pad+にはウィンドウサイズを1/3や1/2に分けて表示できます。ウィンドウを移動して、特定の場所でドロップすればOK。

▲例えば、この部分にウィンドウを移動すると1/3サイズで表示される

セカンドディスプレイを活用すれば、情報検索しながらテキスト入力をしたり、再生中の音楽を確認しながら14インチのディスプレイを丸々別の用途に活用できたりするわけです。

もちろん、外部モニターがあれば普通に行えることではありますが、やはりそれをノートPC1台で完結できるのはユニーク。別途モニターを設置できないようなスペースでも活用できるし、膝上でも2画面で作業できるという意味で独自の価値を感じます。

▲セカンドディスプレイで、Spotifyでの音楽再生画面やホットキーを表示しつつ、メイン画面でブラウジング

またアプリの組み合わせパターンを登録しておけるのは秀逸です。“いつもの配置”さえ固まれば、作業をすぐにスタートできるのが便利でした。

▲ここのアイコンにアプリのグループを登録しておける

標準搭載アプリには手書きの入力があります。難読漢字を入力して検索するような使い方が可能。また、テンキー表示にもなります。

▲うっかり読めないときには、手書きで検索できます

▲数字の入力をタッチディスプレイしてもOK

さらに、1つのアプリを2画面に広げて贅沢に使う場合ならどう活用できるか、いろいろ試してみました。

惜しかったのは、標準アプリの「PhotoDirector」。画面配置が難しくて、セカンドディスプレイ側に写真を表示すると細部を確認できないし、メイン側に写真を配置すると細かい編集ができず…。2画面活用機能こそ用意されていたものの、筆者は十分に使いこなせませんでした。

▲プリインストールされていた「PhotoDirector」を2画面表示にした状態

▲一瞬良い感じかと思ったのだが、セカンドディスプレイの表示領域が小さいので、編集ツールが見えない…

一方で、しっくりきたのはAdobeの動画編集ソフトである「Premiere Pro CC」。ワークスペース中のパネルを分離できるので、タイムラインなどをセカンドディスプレイ側に表示しておくと落ち着きました。

ただし、これが「After Effects」だと、パネルを縦に伸ばしたいこともあるので、ちょっと使いづらいことも…。絶妙に「Premiere Pro」向けかも。

▲Adobe Premiere Pro CCで素材とタイムラインをセカンドディスプレイに表示し、メインディスプレイでプレビューするスタイル

意外と便利だったのが、フォルダやファイルを置いておくスペースとして使う方法。写真の現像・編集などは、1アプリを2画面に広げるのにこだわるよりも、メインディスプレイに全画面表示しつつ、セカンドディスプレイをファイル操作に当てるのが良いと思いました。

▲Adobe Lightroom CCで現像しつつ、ファイル管理をセカンドディスプレイでするイメージ

あとは、うっかり試し忘れましたが、最近流行りのWeb会議で全画面表示しつつセカンドディスプレイで事務作業やメモを撮るのもありでしょう。ただし、画素数は92万なので悪しからず。

▲92万画素のWebカメラ。Windows Helloをサポートしており、顔認証でのログインは快適だった

*  *  *

ZenBook Duoは、斬新な作りゆえに故障が心配という人もいるでしょう。しかし、メーカー保証としての通常保証に加え、購入後30日以内にMyASUSに登録すれば、「ASUSのあんしん保証」も1年間つきます。ウィルスや落下破損など、故障原因を問わず、1回までは20%負担額で修理可能。

また、60日以内に加入料1万4800円を支払って「ASUSのあんしん保証Premium」に加入した場合には、保証期間は3年3回まで延長可能。メーカー国内保証も3年間に延長されます。

これらを考慮すれば、2画面ノートPCにも安心して挑戦できるはず。税込18万円なら、ちょっと背伸びして挑戦しても良いという人もいるのでは。

 

>> ASUS

文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

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