話題のBean to Barチョコレート、いよいよ日本上陸です!
&GP / 2016年3月5日 11時0分
話題のBean to Barチョコレート、いよいよ日本上陸です!
「Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)チョコレート」……最近やたら耳にするけど、いったいなんなの? と謎を深めている人も少なくないのでは?
直訳すると「豆からチョコレートバーまで」。つまり「Bean to Bar」とは、チョコレートの作り手がカカオ豆の選別からチョコレートバーができるまで、すべての製造工程を一貫して行うチョコレートの新しいジャンルのことを指しています。
製造のほぼすべてを手作業で行うことから少量生産が基本というこのスタイルは、いまや「チョコレート業界を席巻しつつある」との声もささやかれているほど。世界的に活躍するショコラティエでさえ、このスタイルを取り入れた新たな試みを展開しはじめています。
■トレンドの火付け役「ダンデライオン・チョコレート」が日本上陸
さて、そのトレンドの火付け役とも言われているのが、サンフランシスコのクラフトチョコレートブランド「ダンデライオン・チョコレート」。ツウの間ではすでに高い人気を誇るこのブランドが、ついに日本への本格上陸を実現。
2016年2月11日に、クラフトマインドあふれる本店の空気を忠実に再現した「ダンデライオン・チョコレート[ファクトリー&カフェ蔵前]を東京にオープンし、巷の話題をかっさらっているようです。
チョコレートのドリンクメニューはなかなか豊富なラインナップで迷うのですが、今の季節は本店でも人気の「ヨーロピアンホットチョコレート」や「ミッションホットチョコレート」がオススメ。
本店でも人気の「ヨーロピアンホットチョコレート」(530円)。デミタスサイズのカップで供される。濃厚だけど、ピュアなカカオの風味が満喫できる
スタッフさんイチ押しの「ミッションホットチョコレート」(580円)も人気。オリジナルにブレンドしたスパイスが効いていて、あとを引く味わい。心身ともに温まる
クラフトチョコレートメーカーゆえのユニークでシックなスイーツも魅力。焼きマシュマロ(スモア)をオリジナルでアレンジした「パプアニューギニア・スモア」は、グラハムクラッカー、チョコレートガナッシュ入り。直火で乾燥させたカカオ豆のスモーキーな風味がお酒にも合うかも?
「ダンデライオン チョコレート」が日本1号店の地に選んだのは、ここ数年若い世代の流入で“クラフト”、“アート”などのキーワードのもとに活気づくイーストエリア。浅草線・蔵前駅からは徒歩約5分というなかなかの好アクセスで、今も昔ながらの老舗店や下町職人気質を漂わせるユニークなロケーションです。
木のぬくもりでクラフトマインドを表現した建物の外観。写真では見えないが、目の前に公園を臨む心和むロケーションも魅力
店舗1階はチョコレートファクトリーとスタンドがメイン。店に入ると目の前にはライブ感あふれるファクトリーの風景が広がります。ビーンルームの位置やテーブルの配置などを除けば、この造りは本店と同様で、店内のあらゆる場所からチョコレートの製造工程をつぶさに眺めることができるのが嬉しい。ものづくりの透明性って、突き詰めればこういうことだろうと思うのです。
エントランスすぐ脇にはガラス張りのビーンルームが配置され、ここではガラス越しに豆のピッキング(良質な豆の選別)のプロセスを眺めることができる。本店では、このビーンルームが店舗奥に設けられている
1Fの奥には壁面に沿って作り付けのテーブル&チェアが設けられている。その頭上には、Bean to Barチョコレートができるまでのプロセスを描いたダイナミックなチョークアートが
2階は、ソファやテーブル&チェアをゆったり配置したカフェ空間。元々古い建物をリノベした空間だからこそ味わえる、太い梁などのダイナミックなコンポジションが印象的です。シンプルながらも味のある空間からは、窓の外に広がる公園の様子が楽しめるのもいいですね。
「ドゥルセ・デ・レチェ・バー」(450円)は、アーモンドとヘーゼルナッツのサブレクラストに“ドゥルセ・デ・レチェ(液体キャラメル)”をのせ、カミーノ・ヴェルデのチョコレートキャラメルガナッシュで仕上げた濃厚なバー。2階で公園眺めながらゆったり楽しみたいメニューのひとつ
また2階にはこのカフェスペースにワークショップスペースを併設。ここでは、Bean to Barならではのカカオ豆の選別プロセスから、豆の焙煎、摩砕、調合、成型などすべて手作業で行う製造工程が間近で見られるファクトリーツアーや、そのチョコレートづくりが体験できるワークショップなどの開催も予定しているそうです。
「良質なカカオとケインシュガーのみ」というシンプルなレシピにパイオニアの誇りを感じさせるシグネチャーのチョコレートバー。パッケージが粋なのでギフトにも喜ばれそう。左から、マダガスカル産(豆比率70%)、ベネズエラ産(豆比率70%)、エクアドル産(豆比率100%)各1,200円(*商品のラインナップは時期によって変更)
「ダンデライオン・チョコレート」が生まれたそもそものきっかけは2010年、IT起業家だったトッド・マソニスとキャメロン・リングが事業を売却し、その資金でガレージを改装。ファクトリー併設のクラフトチョコレートブランドを創設したのがはじまりなのだとか。
それこそ2007年NYCに誕生した「MAST BROTHERS CHOCOLATE」と同様、クラフトフードブームの中で「Bean to Bar」のトレンドをけん引してきたチョコレートメーカーの1社なのです。
「もともとクラフトマンシップで満ち溢れた日本で、僕らが作り出したチョコレートをさらに磨き上げたい」と語るダンデライオン・チョコレート創業者 トッド・マソニス(写真左)
冒頭の話に戻りますが、「Bean to Bar」っていったい何なのよ? という方々、頭で難しく考える前に、ピュアなハンドクラフトの風味を体感してみるのが先決かと。まずはイーストエリアをお散歩がてら、お店に足を運んでみてはいかがでしょうか?
*価格はすべて税抜表示
【ダンデライオン・チョコレート】
東京都台東区蔵前4-14-6
03-5833-7270
10時~20時(L.O.19時30分)
カフェ席数 70席
http://www.dandelionchocolate.jp
(文/松浦 明)
まつうらあかり/エディター、ライター
英国・ロンドン「Sotheby's Institute of Art」で西洋美術史を学び、帰国後は美術図録の編集に携わる。ギャップ出版入社後、ライフスタイルマガジン『gap』や数々の書籍の企画・編集を手がけ2003年に独立。現在は雑誌・ウェブマガジンでの記事執筆、食ブランドや企業のフリーペーパーなどの企画・編集等を手がけている。
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