おうちキャンプでも安心して使える!スノーピーク「HOME & CAMPバーナー」【アウトドア銘品図鑑】
&GP / 2020年5月16日 7時0分
おうちキャンプでも安心して使える!スノーピーク「HOME & CAMPバーナー」【アウトドア銘品図鑑】
自宅ですごす時間が増えて、“おうちキャンプ”を楽しむ人が増えています。いつものリビングやベランダにキャンプ道具を配置するだけでちょっと新鮮。ですが、キャンプ用の道具は屋外で使うことを想定して作られていて、室内向けの設計ではないものも多い!
その代表がバーナーです。
鍋料理で使う家庭用カセットコンロは、風に弱くキャンプでは非力ですが、自動消火など安全装置付き。安心して室内で使えます。
ところが、キャンプ用バーナーは風、低温対策をしたパワフル設計ですが、安全装置を搭載していないものが多く、これらは室内で使用できません。
それにマンションの多くがベランダでの火器使用を禁止…。おいそれとはキャンプ用バーナーを使えないんです。
そういった事情からめきめき注目度が高まっているのが、安全装置付きで風にも強い室内・屋外兼用「HOME & CAMPバーナー」(9980円)。
インテリアになじむシンプルなデザイン、持ち運びしやすいボトル形、30cmまでの大鍋対応。しかもトランスフォームしちゃう、かっこいいバーナーなんです。
■メカメカした動きがたまらない
<組み立て方>
収納状態はボトル形状で、立てておけます。使用時はゴトクを引き出して展開。メカっぽい動きに遊び心を感じます。
収納サイズは30.1×34.6×12cm。カセットガスを一回り大きくしたボトルのようなデザインです。円柱型ですが、1方向には脚が付いているので、寝かせて収納する場合は向きに注意。脚のない面を下にするとゴロゴロ不安定です。
本体のカバーを開いてゴトクを引き出します。このままゴトクを開くなんて野暮なことはしません。
裏にポッチがあるので押しこみ、本体と90度になるまで引き出したゴトクをスライドさせます。ポッチが隣の穴に入ってカチッと音がするのを確認しましょう。
わかりやすいようひっくり返していますが、ポッチなので手探りで確認でき、いちいちひっくり返さなくても作業できます。
ゴトクを開きます。ゴトクホルダーという小さな突起がバーナーに付いているのでそこまで開くと、バランスよく鍋を支えてくれます。これでトランスフォームは完了です。
燃料を装着する前につまみが0になっていることを確認。ここらへんはいつものキャンプ用バーナーと同じです。
燃料の切り込みとバーナーの凸部を合わせて確実に取り付けます。
準備完了。引き出してスライドという作業に戸惑いますが、決して面倒ではありません。どちらかと言えば心が躍る作業です。
■デュオ〜ファミリー向きの大きさ
<対応する鍋>
ゴトクはがっつり大きくφ30cmの鍋まで載せられます。ファミリーキャンプやグループキャンプで活躍するサイズです。
底がφ24cmの鍋を載せてみました。ゴトクの鍋と接する部分は長さ約7.5cmで、滑り落ちにくいよう細かな切り込み付き。不安定な3本ゴトクに見えますが、本体側は1本に見せかけて2本。3本のふりをした4本ゴトクのため思いのほか安定しています。
2〜3人向きのφ16cm鍋を載せました。これも安定しています。
φ24cmの鉄鍋は、サイズ的にはOKですが、輻射熱が燃料に悪影響を与えるので使用できません。ダッチオーブンのほか、鉄板、燻製器、セラミック付き焼き網なんかもNG。
残念ながらシェラカップはゴトクに載りません。対応する鍋はφ14cm以上。ソロ用のクッカーはギリギリ載せられても不安定になるものがあります。注意しましょう。
■安全装置付きで出力は2.4kw
<点火>
気になる最大出力は2.4kw、2100kcal/h。同社のフラットバーナーが3000kcal/hなのでスペックを見ると心許なく感じますが、使ってみると大きな差は感じません。
自動点火装置付きで、つまみを左にいっぱいまで回すだけ。
火が出る口はバーナーの内側に位置しているので、大型風防がなくても風の影響を受けにくくなっています。最大出力は同社フラットバーナーより抑えられていますが、沸騰までの時間が少し伸びるだけと考えれば必要十分でしょう。
バーナー部の底からテーブルまでの高さは約7cm。ゴトクの一番上からテーブルまで11.5cm。必要十分な高さを確保したロースタイルバーナーですが、天板の変色が不安なら耐熱素材のシートを用意しましょう。耐熱シートを併用すれば、ふきこぼれたときの後片付けも楽ちんです。
燃料を装着する金色の中心部分には圧力感知安全装置。下側にあるシルバーの小さな突起は容器装着安全装置になります。
圧力感知安全装置は、燃料缶内の圧力が異常に上昇したときに、自動的にガスの供給を遮断する装置のこと。ダッチオーブンで調理する、燃料を装着したままたき火やファンヒーターのそばに置きっぱなしにするなど、“うっかり”事故を防ぎます。
容器装着安全装置は、つまみが0になっていないときには燃料を装着できないというもの。つまみが開いたまま装着してガスが漏れ出るのを防止する装置です。
安全装置付きで、室内でも使用できます。換気をよくし、カーテンが届かない位置で使用する、室内利用OKでも狭い車内やテント内での使用禁止など、使用ルールはほかのカセットガスコンロ、アウトドア用バーナー同様です。
HOME & CAMPバーナーは、卓上で鍋料理をするなんてときに邪魔になりにくいスッキリとしたデザイン。それでいて風の影響を受けにくいよう工夫されていておうちキャンプにピッタリ。汁受けがないのが気になりますが、その分、後片付けが楽ちんです。
>> スノーピーク
取材・文/大森弘恵
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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