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今度の進化は結構デカい!人気の3列シートSUVマツダ「CX-8」は最新こそ最良だ

&GP / 2020年5月25日 19時0分

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今度の進化は結構デカい!人気の3列シートSUVマツダ「CX-8」は最新こそ最良だ

昨2019年、3列シートSUVで国内最多のセールスを記録したマツダ「CX-8」。日本市場向けマツダ車としては最も大きく、かつ、唯一の3列シートモデルだ。

CX-8は当初、ディーゼルエンジン専用車として誕生したが、その後、ガソリン自然吸気エンジンやガソリンターボエンジンを追加するなどパワーユニットを拡充。その結果、319万6800円(消費税8%込み)だったエントリーグレードの価格は、最新モデルでは294万8000円(消費税10%込み)となり、結構、手の届きやすい存在となった。

そんなCX-8が、2019年10月、マツダ車お馴染みの商品改良を実施。今回は、より魅力度が高まった最新モデルについてご紹介したい。

■パワートレーンとグレードの選択肢を拡大

今回のアップデートに関し、開発責任者の松岡英樹さんはひと言、「きめ細かな改良」と語る。それを証明するように、最新のCX-8は選択肢の拡大と、快適性や利便性の向上が図られた。

選択肢の拡大において注目すべきは、豊富になったパワートレーン。従来モデルの場合、自然吸気ガソリン車は駆動方式がFFしか選べず、逆にガソリンターボ車では4WDしか選べないなど、組み合わせに制約があったのだ。しかし新型は、自然吸気ガソリン車に4WDを、ガソリンターボ車にFFをそれぞれ追加。従来からFFもしくは4WDを選択できたディーゼルターボ車を含め、すべてのエンジンでFFと4WDから駆動方式を選べるようになった。

また、新しいグレードが追加されたことで、ユーザーのニーズにマッチした1台を選びやすくなったのもポイント。中でも注目は、最上級グレードとして設定された特別仕様車「エクスクルーシブモード」である。

これは、セパレートされた2列目左右席の間に大きなセンターコンソールを備え、そこにドリンクホルダーや収納スペース、そして2個のUSB端子を組み込んだ上級な仕立てのインテリアが目を惹くモデルで、ハイライトはなんといっても、機能がより充実した2列目シート。なんと、前後のスライドと背もたれのリクライニングを電動で操作できる上に、ヒーターはもちろんのこと、シート生地の表面から空気を吸い込んで通気性を高め、不快なムレや熱のこもりを解消するベンチレーション機能も内蔵している。ひとつ下のグレードである「Lパッケージ」に対し、2列目シートの快適性が格段に高められているのだ。

さらにエクスクルーシブモードには、3列目シートの乗降性を高めるべく、2列目シートの背もたれを前方へ倒すと、2列目席全体が電動で前方へとスライドする機構も採用。2列目シートをここまで電動化したSUVは、プレミアムブランドにおいても希少だ。

そしてもうひとつ、「XD プロアクティブ Sパッケージ」という新グレードが追加された点も見逃せない。こちらはディーゼルエンジンを搭載する「XD」と「XD Lパッケージ」との間に位置するグレードで、2列目シートの違いで6人乗り、もしくは7人乗りを選べる。

XD プロアクティブ Sパッケージは、XDと比べ、シート表皮がレザー(色はブラック)にアップグレードされるほか、運転席と助手席にはシートヒーターとベンチレーションが組み込まれる。さらに、フレームレスの自動防眩ルームミラーや7インチマルチスピードメーターなど、これまでLパッケージだけに装備されていたアイテムもおごられている。「レザーシートやシートヒーターは欲しいけれど、Lパッケージまでの上級装備は必要ない」という人にとって、このXD プロアクティブ Sパッケージは“ちょうどいい”グレードだ。

このほか最新モデルでは、メーカーオプションとして、一部グレードでサンルーフを装着できるようになった。

こうした装備の充実も、今回の商品改良におけるトピックといえるだろう。

■“マツコネ”の画面拡大で見やすさアップ

もちろん、今回の商品改良では、クルマとしての機能向上も図られた。

新しいCX-8に乗り込むと、真っ先にある変化に気づくはずだ。コックピットの中央に位置するインフォテインメントシステム“マツダコネクト”のディスプレイが、ひと回り大きい8インチへと拡大されたのだ。

従来モデル比では1インチアップに過ぎないものの、その差はかなり大きく、ナビゲーションの地図を始め、各種表示が見やすくなったことを実感する。

加えて、メリットが極めて大きいのが、荷室の床下スペースが拡大されたこと。従来モデル(BOSEオーディオ非装着車)の容量は65Lだったが、新型では84Lへと大幅に拡大されている。これにより新型は、3列目シートを折り畳むことなく、航空機の機内持ち込みサイズのスーツケースを、4個積載できるようになった。荷室の床下スペースは整理整頓にも役立つ空間だから、ユーザーにとってありがたい改良といえるだろう。

ちなみに、BOSEオーディオ装着車の場合、荷室床下にサブウーハーを設置する関係上、非装着車ほどのスペースは確保できないが、それでも従来モデルの48Lから56Lへと、8Lも拡大されている。

快適性向上の観点では、ルーフ部に塗布型の制震材が採用され、遮音性能が高められている点が新しい。日常的なシーンでは効果を感じにくいものの、雨天時に雨粒がルーフをたたく音などが軽減されている。

また4WD車には“オフロード・トラクション・アシスト”と呼ばれる新機構も搭載された。これは、滑りやすい路面を走る際、電子制御で発進時のタイヤの空転を抑える仕組みだ。CX-8ユーザーの多くは、過酷なオフロードコースを走る機会など、ほぼないだろうが、雪道の発進時などではそのメリットを実感できることだろう。

このほか、3列目シートへのアクセスをラクにしてくれる機能や、3列目シートへのUSB端子の採用など、新型CX-8には乗る人すべてがメリットを享受できる改良が盛り込まれている。マイナーチェンジとも呼べない小さな商品改良ながら、ここまできめ細かく、そして多岐にわたって進化してきたことに驚かされる。そこには「着実に進化させてユーザーに喜んでもらいたい」という、開発陣の真摯かつ、妥協のない姿勢がうかがえる。

<SPECIFICATIONS>
☆25T エクスクルーシブモード(2WD)
ボディサイズ:L4900×W1840×H1730mm
車重:1820kg(サンルーフ装着車)
駆動方式:FF
エンジン:2488cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:230馬力/4250回転
最大トルク:42.8kgf-m/2000回転
価格:457万2700円

文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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