ヒットの予感!新しいプジョー「208」は独創的ルックスの中にこだわりがいっぱい
&GP / 2020年7月18日 19時0分
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ヒットの予感!新しいプジョー「208」は独創的ルックスの中にこだわりがいっぱい
プジョーのラインナップ中、最も売れ筋のモデルであり、激戦続く欧州Bセグメントのカテゴリーでも確固たる地位を築いているコンパクトカーといえば「208」。その最新モデルが、ついに日本へ上陸しました!
今回は、すでに欧州カー・オブ・ザ・イヤーの獲得も決定している新型208の魅力を検証します。
■EV版とガソリンエンジン車を同時発表
新しい208において逃せないのが、コンベンショナルなガソリンエンジン車と、EV(電気自動車)版である「e-208」とが同時に日本へやってきたこと。しかも208とe-208は、基本的なエクステリアデザインはもちろん、居住空間やラゲッジスペースなどもほぼ同一の設計になっています。
それは、価格設定においても同様。一般的に、EVはガソリン車より高額になるケースが多いのですが、e-208の場合、ランニングコストや補助金、メンテナンスフィーなどをトータルして考えると、月々の支払額がガソリン車とほぼ同等になるよう設定されています。まさに、新時代へ向けたプジョーの意気込みが感じられるトピックです。
ガソリン車に搭載されるのは、“ピュアテック”と呼ばれる1.2リッターの3気筒ターボエンジン。2015年の登場以来、5年連続で“インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー”に選ばれている定評あるパワーユニットです。気になるスペックは、最高出力100馬力、最大トルク20.9kgf-m。車重が1170kgと比較的軽く、日本のアイシンAW社製8速ATと組み合わされていることから、キビキビと軽快な走りを楽しめることでしょう。
対するe-208の心臓部は、最高出力136馬力、最大トルク26.5kgf-mを発生するモーターと、50Whという大容量バッテリーとの組み合わせ。走行モードを「スポーツ」「ノーマル」「エコ」の3種類から選択でき、1回の満充電時当たり、欧州のWLTPモードで340kmと十分な航続距離を記録しています。
208シリーズが、ひとつのモデルに構成が全く異なるふたつのパワートレーンを搭載できた理由は、一新された車体にあります。 “CMP(コモン・モジュラー・プラットフォーム)”と呼ばれるこの新世代プラットフォームは、プジョー、シトロエン、DSの3ブランドを擁するグループPSAにおいて電動化戦略の中核を担うものであり、2019年に日本へ上陸した「DS 3クロスバック」から採用が始まりました。
またCMPは、前身のプラットフォームと比べて30kgの軽量化を実現しており、エアロダイナミクスの向上も達成しています。今後、PSAグループのBセグメントとCセグメントには、このCMPが多く使われることでしょう。
■3D表示となったi-Cockpit
近年、プジョー車の象徴となっているのが、小径のステアリングホイールを核とする次世代型のインテリアデザイン“i-Cockpit(アイ・コックピット)”ですが、208とe-208ではそれがさらに進化しました。ホログラムによる3Dでの情報投影が可能な“ヘッドアップインストルメントパネル”を備えるほか、メーターパネルも3D表示に対応。これらは決して見た目だけの機能ではなく、1層目に安全に関する重要な情報を示し、2層目にそれらに準ずる情報が表示させることで、情報に対するドライバーの反応時間を0.5秒ほど短縮する効果があるそうです。
小径かつ非円形のステアリングホイールは、レーシングカーを想起させるスポーティな印象。街乗りでも最小限の操作で思う通りにクルマを操れるため、スポーティに感じられることでしょう。各種スイッチは、ドライバーを取り囲むように配置。慣れるとわずかな動作で直感的に操作できるなど、インターフェイスにもこだわりが感じられます。
シートは、生地の素材にアルカンタラ&テップレザーを採用したダイナミックシートを上級グレードの「GTライン」に、長時間のドライブでも疲れにくいコンフォートシートがミドルグレードの「アリュール」に設定されています。このほかGTラインでは、リアシートの頭上まで広がるパノラミックガラスルーフをオプションで選べる点もポイントでしょう。
■個性がさらに増したエクステリアデザイン
208とe-208のルックスは、凝縮された塊感がスポーティな走りを予感させるもので、特に、ワイドなボディラインとフェンダーが印象的です。さらに上級グレードのGTラインには、ワイドな印象をより増幅させるグロスブラックのホイールアーチを採用。同じく、GTライン専用の17インチホイールは、スポークとスポークの間に樹脂製のブレードをインサートした特別な構造で、バネ下重量を1台当たり約3.6kgも軽量化し、空力性能の向上にも貢献しています。
フロントマスクは、新世代のプジョーを象徴するフルLEDによる3本の爪をモチーフとしたヘッドライトと、“セイバー(サーベルと同意)”と呼ばれる牙のようなデイタイムランニングライトが個性的。このセイバーには3次元のデザイン処理が施されていて、正面からは内向きに、斜めからは直線的に、サイドからはタイヤ、フェンダーのラインと同心円を描くように見えるなど、角度によって多彩な表情を見せてくれます。
リア回りは、リアゲートの幅いっぱいにブラック仕上げのパネルがあしらわれ、こちらにも3本の爪をモチーフとしたテールランプが内蔵されています。また、グロスブラック仕上げとなる下部のディフューザーは、そこから顔を出すクローム仕上げのエキゾーストパイプとともに、リアビューを引き締めています。
EV版のe-208では、それらに加え、ボディカラーと同色のラジエターグリルや、見る角度によって色調が変化するライオンマーク=“ダイクロイックライオン”をプラス。リアピラーには“e”のマークがあしらわれるなど、新世代のパワートレーンを搭載していることを控えめに主張しています。
208とe-208は最新モデルだけあって、歩行者や2輪車も検知する“アクティブセーフティブレーキ”など、先進運転支援機能も充実しています。中でも上位グレードには、ストップ&ゴー機能付きの“アクティブクルーズコントロール”や、車線内の任意の位置を維持しながら走り続けられる“レーンポジショニングアシスト”も搭載。上級グレードのGTラインに至っては、プジョーのフラッグシップカーである「508」に迫る充実の内容となっています。
気になるグレードラインナップは、208が最上級のGTライン(293万円)、中間仕様のアリュール(259万9000円)、エントリーモデルの「スタイル」(239万9000円)という3グレードを展開。対するe-208は、GTライン(423万円)とアリュール(389万9000円)の2グレードを設定しています。
大胆で独創的なルックス&インテリアデザインに加え、EV版と同時発表という予想外のトピックをも提供してくれたプジョーの新しい208。公道でドライブするのが今から楽しみです!
文/増谷茂樹
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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