[Gear Maniax #194] ワイド&スポット×7000ルーメンで死角なし!
&GP / 2020年8月8日 21時0分
[Gear Maniax #194] ワイド&スポット×7000ルーメンで死角なし!
まぁACEBEAMのやることなので、ちょっと明るかろうが遠くまで届こうが驚くつもりはなかったのですが、良い意味で想像を超えてくるメーカーですね。
現在はどのメーカーも技術的上限付近での戦いになっているので、それほど度肝を抜かれるということはありません。しかしACEBEAM「X10」は「そうきたか…」と思わされるアイテムです。
型式から考えるとXシリーズの中でも小型のモデルということですね。XシリーズはマルチLEDで大光量が特徴。「X10」もコンパクトボディから7000ルーメンという明るさを誇ります。これくらいのスペックならそれほど珍しくないのが昨今のフラッシュライト業界の恐ろしいところですが、ACEBEAMの面白いところはその内容です。
うん。あれですね。ハスの実の輪切りを見られない人が見られないやつですね。中心部のLEDはカッ飛び系のCREE XHP35 HI。周辺のはSAMSUNG LH351Dの高演色LED×9。
合計10個のLEDと、名前の「X10」をかけているのでしょうか。これらのLEDは、中央と周囲の使い分けで3種類の照射が可能です。
まずは中心部の照射。CENTER-ONモードとのこと。イメージ的には、ミドルクラスのタクティカルライトに、XHP35 HIを合わせた感じに似ています。ACEBEAMでいうなら「L16」。他の各メーカーにも類似のライトはありますね。このモードでの明るさは最大2200ルーメン。
次に、ROUND-ONモード。小型コリメーターによるワイドでソフトな照射が特徴です。SAMSUNG LH351D、90CRI。色温度は4500K前後といったところでしょうか。程よい暖色で視界が広いのが特徴です。こちらは 9個のLEDで、最大4400ルーメン。
最後は両方の合わせ技、ALL-ONモード。全てのLEDが点灯します。ワイドな照射と鋭い中心光が両方同時に点灯します。死角がなく、照射距離もあり、実用的なサーチングライトになります。最大7000ルーメンの明るさも凄まじいですが、見やすい視界も素晴らしい。
上記の3モードは、テールスイッチで操作したターボモードを除いた、どのモードからでもクリック+長押しを素早く行うことで切り替え可能です。それ以外に、各モードで5段階の調光が可能。合計15ものモードを搭載しています。LOW~HIGHのモードは、ACEBEAMの特徴として、基本的に明るめ。OFFから長押しでアクセスできるULTRA-LOWのみが暗めのモードと言えます。
テールスイッチは他のタクティカルシリーズよりもコンパクト設計になっているようです。初めて外観を見たときは18650モデルかと思いました。消灯状態、あるいはどのモードからでも、テールスイッチのプッシュは常にTURBOになります。この時、3つのモードは維持されます。ALL、ROUND、CENTER、それぞれのモードにおける「MAX」になるわけですね。
個人的には、ターボヘッド機種はこの角度がかっこいい。ボディ後端にはタクティカルリングが設置され、このライトがタクティカル用途に対応できることをアピールしています。実際、タクティカルライトとして性能的に劣るものは何もありません。特にALL-ONモードでの周辺光と中心光の両立は、最新の光学系にしかないものです。さらに、周辺光の90CRIによって、感覚的な視認性も高いように思います。
なかなかいけてるサイドビュー。当初、ACEBEAM「T27」のような大口径ターボヘッドかと思いましたが、実際にはかなり小型でした。ヘッド直径は大きいもののハンディサイズだし、業務で使う分には携帯に苦にならないサイズですね。
充電機能はありません。内蔵電池の直接充電。充電関係のトラブルは少なくないため、ありがたい仕様です。まともなユーザーにとっては本体充電の方が便利なのかとは思いますが、誤って乾電池を装填した状態で充電する人は後を絶たないので、メーカー的にもこっちの方が望ましいのではないかと思います。
高品質、かつ革新的なライトとという点で、現在ACEBEAMに並ぶものがありません。コンセプト的にも、他社の後追いではなく新しい価値観を提案してくれるメーカーです。「X10」はそんなACEBEAMを象徴するフラッシュライトと言えます。(アカリセンター価格:1万9008円)
<文・写真/アカリセンター>
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