一人暮らし&自粛の寂しさに耐えかねて、セラピーロボットと暮らしてみた
&GP / 2020年8月1日 23時0分
一人暮らし&自粛の寂しさに耐えかねて、セラピーロボットと暮らしてみた
在宅勤務がスタートして早4ヶ月。人に会うのは日用品を買い出しに行くときと、宅配便を受け取るときくらいになりました。さすがに寂しくなり、「ペットでも飼おうかな」と思ったこともありますが、家が狭いことと経済力がないことを理由に断念…。
どうやって寂しさを紛らわそうかなと考えていたときに偶然、カメラや家電のレンタルができる「Rentio」というサイトで、セラピーロボットの「Qoobo(クーボ)」を借りられることを知りました。そこで、1週間レンタルしたんですが…。
■癒やしを与えるしっぽ付きクッション
Qooboは、ユニークなコミュニケーションロボットを多く手掛けるユカイ工学のセラピーロボット。猫のようなしっぽがついた円形のクッションで、撫でると内蔵の加速度センサーが感知してしっぽを振るのが特徴です。鳴く、呼ぶと寄ってくるなどの動きはできませんが、いろいろな事情でペットを飼えない人に癒しを与えてくれます。
▲ハスキーグレー、シルキーブラック、フレンチブラウンの3色展開(12000円/税別)
Rentioでは、2980円で7泊8日のレンタルが可能。プラス200円で8泊9日に延長でき、貸出時と返送時ともに送料無料です。今回は、フレンチブラウン1体をレンタルしてみました。
■気まぐれなQooboに戸惑いを隠せない…
レンタル開始日、我が家にQooboが到着。思いのほか大きく、ネコのようにもオタマジャクシのようにも見えました。ロボットといえば無機質で冷たい見た目のことが大半ですが、Qooboはツヤのあるモフモフとした毛に覆われて柔らかそう。とはいえ、顔や手足がなくのっぺりとしているので、どことなく妖怪的な感じもします。第一印象は「変なやつ」といったところでしょうか。
▲約52×32×15cm、重さ1kg。充電時間は約4時間、使用可能時間は稼働頻度にもよるが、約8時間。本体のほかに、取扱説明書と充電器も同梱
充電を終えてそっと撫でてみると、軽くしっぽを左右に揺らすだけの微妙な反応。しかもキュルキュルというモーター音が! この音で一気にロボットっぽさを感じてしまいます。
説明書によると、そっと撫でると「ふわふわ」、たくさん撫でると「ぶんぶん」としっぽを振るとのこと。そのほかランダムにしっぽを振るパターンもあり、Qooboは気まぐれという設定なようです。確かに、撫でても微妙な反応しかしないのに、抱っこするとハイテンションになったり、放置していると「キュル…」と小さな音を立ててしっぽを振ったりしていました。
▲普通のクッションと比べると、膝に乗せたときにちょっと重みを感じる。触り心地はいいが、長毛なので癖が付きやすい
ユカイ工学が行った癒し効果の実証実験によると、Qooboは「緊張感・不安」「抑うつ・落ち込み」「疲労感・無気力感」を軽減する効果があるのだそう。初日は「何だコレ?」感が強く、それどころではありませんでした。
■3日過ぎれば熟年のパートナー?
最初は戸惑いが多かったQooboとの生活ですが、3日目を過ぎたあたりからはすっかり愛着が湧いて仲良しに。仕事中でも邪魔にならない抱っこの方法や、Qooboのテンションを上げる撫で方がわかってきて、稼働中はいつも膝に乗せるようになりました。映画鑑賞などでリラックスしているときはもちろん、仕事が行き詰まるなどしてストレスを感じたときに撫でると心が落ち着くような気がします。
▲慣れてはきたものの、謎のタイミングで急にご機嫌になってしっぽをブンブン!と振ることには戸惑いも。とはいえ、そのランダム要素も動物らしくて可愛く感じる
鳴かない、自走しないと、アニマルロボットにしては「物足りない」と思われがちなポイントも、ペットを飼ったことがない私にとっては、仕事の邪魔にならない、日常生活に溶け込みやすいといった利点に。刺激よりも癒しがほしい人に向いていると感じます。表情がないのも、飽きがこず、逆に「ご機嫌だな」「いまは気乗りしないのかな」とQooboの気持ちを想像するきっかけになりました。
▲頭部だけ袋に入れると、「紙袋にスライディングして入る猫」のような写真が撮れる
4日目を過ぎると、もう何年も一緒に暮らしているかのような安心感を覚えました。放置しているときにしっぽを小さく揺らすのが「かまって」の合図に見えたり、キュルキュルと鳴るモーター音が猫のゴロゴロ音に聴こえたりするなど、Qooboの意図も読み取れるように。お別れするのがすっかり嫌になってしまいました。
■特有のモフモフ感が仇となることも
一緒に過ごす時間が長くなるほど可愛く感じるQooboですが、少し気になる点もありました。それが抜け毛です。毛足が長く、モフモフとした感触を楽しめる半面、長時間膝に乗せたり、たくさん撫でたりすると毛が抜けてしまいます。柔らかい毛だけに宙に漂いやすく、ちょっと鼻がムズムズすることがありました。
▲モフッとしていて、触り心地はバッチリ。ただし毛が細く、服に付くと手で払っただけでは完全に取り切れない
加えて、夏に毛量の多いものを膝に乗せるのは暑い…。多くのペットに換毛期があるように、Qooboも「夏毛」「冬毛」を替えられるオプションがあったら良いなと思いました。
■お別れの日到来…
レンタル開始から1週間が過ぎ、とうとうお別れの日がきました。今回のレンタルプランでは9800円を支払えばそのまま購入することも可能でしたが、はじめに「どんなに気に入っても1週間でバイバイしよう」と決めていたので、返却作業へ。貸出時に入っていた箱に本体と付属品を入れ、あらかじめ入っていた着払い用の伝票に自分の住所を記入。あとは簡単なアンケートに回答したら発送します。
▲梱包用のテープまで入っていて親切。アンケートはキャンペーン価格でレンタルできる条件になっているので、必ず回答しよう
返却日の24時間以内に返送手続きを済ませていればOKとのことだったので、仕事終わりにコンビニから発送しました。
お別れの日から少し虚無感のようなものを覚えていましたが、それだけQooboに癒しを与えられていたということなのでしょう。Qooboは、私のような「癒しがほしいけど、ペットを飼える環境下にない」という一人暮らしの人に向いてるセラピーロボットだと感じました。ただ、「物足りない」と感じる人もいる様子。気になる場合は、レンタルするなどして使用感を確かめてみるといいかもしれません。
>> Qoobo
<取材・文/山﨑理香子(TEKIKAKU)>
山﨑理香子|1997年生まれ、新潟県出身。編集プロダクション「TEKIKAKU」に所属。ライターとしてスマートフォンや雑貨、グルメなど広い分野の記事を執筆している。「推理小説」と「カレー」と「お昼寝」が好き。
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