約9000円はハイコスパ過ぎ!AVIOT「TE-D01gv」は音質もマイクもチップも全部スゴイ【イヤホンレビュー】
&GP / 2020年8月2日 11時0分
約9000円はハイコスパ過ぎ!AVIOT「TE-D01gv」は音質もマイクもチップも全部スゴイ【イヤホンレビュー】
完全ワイヤレスイヤホンの市場で一気に知名度を上げたプレシードジャパンの手掛けるオーディオブランド、AVIOT。その最新モデル「TE-D01gv」が7月17日に発売されました。
昨年5月に発売され大ヒットしたアンダー1万円の完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01g」の後継モデルで、約9000円という価格ながら、最大連続再生時間11時間の長時間バッテリー、IPX7の防水、新設計のマイク、クアルコムの超最新SoC “QCC3040”搭載と新技術満載。気になる実機をチェックしていきます!
■中身も音もスゴイぞ
完全ワイヤレスイヤホン市場のなかでも、1万円以下という激戦区に投入されたAVIOT「TE-D01gv」。約9000円となると、激安ではないにせよコストを意識した製品のはずなのですが…、これはどう見てもそうじゃない。2020年後半に本格化する性能を完全に先取りした完全ワイヤレスイヤホンになっています。
いきなりマニアックな箇所から入ってしまいますが、とにかく中身が超最新。搭載しているワイヤレスチップは、Bluetooth5.2対応の最新SoC(System-on-a-chip)となるクアルコム社の“QCC3040”。昨年のヒット機種が軒並み採用していた“QCC3020”や“QCC3026”が次世代チップなのですが、世界中を見渡しても“QCC3040”は他社の採用例はなく、市販品としては恐らく世界初。進化の早い業界でトップを取れるのは技術のある証ですね。
イヤホン本体はとにかく小さい。耳にすっぽりと収まるデザインで、実測で4.7g(イヤーピース込み)。外見はガンメタ調仕上げの黒にAVIOTロゴ入りプレートの付いたデザインなのですが…何より小さいので装着していても目立ちません。また、シャワーを浴びても大丈夫なIPX7の防水だし、首を激しく振っても全く落ちる気配もないのでスポーツ用としても通用しそうです。
ケースから取り出して、まずはスマホとペアリング。接続や操作の音声ガイダンスまで日本語の女性ボイスという点は安心感あり。ちなみに、落ち着いたトーンの女性ボイスです。
イヤホン本体でのボタン操作は再生/停止、曲送り/戻し、音量操作まで全対応。周囲の音を聴けるアンビエントマイク(外音取り込み)も対応していますが、外音取り込みの時はホワイトノイズが気になるので、ここは数少ない弱点かも。
バッテリー性能も最新チップ“QCC3040”のおかげで、本体だけで連続11時間駆動。付属ケースによる充電も加えると最大50時間にもなります。アンダー1万円クラスでここままでバッテリーの持つ機種は貴重です。
イヤホン込みで実測49.2gコンパクトな充電ケースは、イヤホンが横向きに収まるデザインで、さらにマグネット採用でイヤホン本体がシュッと収まる。これは完成度高いですね。
2020年上半期はテレワークでビデオ会議も増えたため、イヤホンもマイク性能が問われる時代になりました。「TE-D01gv」は通話品質を高める高感度MEMSマイクとcVcノイズキャンセリング機能を採用。実際にPCとペアリングしてZoom会議をしてみると、声のニュアンスまでしっかり伝わる高感度で、周囲の騒音もかなり押さえてくれます。これ、通話用イヤホンとしても結構優秀です。
接続安定性の部分では、最新チップ“QCC3040”に加えて新設計アンテナを採用しているので、iPhoneとBluetoothで接続した状態で10m離れてみても全く音途切れはナシ。“QCC3040”によって“Qualcomm TrueWireless Mirroring”や“aptX Adaptive”に対応と新要素は満載なのですが…対応機種がAndroidスマホの一部最新機種(Xperia 1 IIなど)に限られるので検証できず。どっちにせよ、iPhoneでは新機種でも使えない機能ですけどね。ただし、ワイヤレスチップは世代が進むごとに接続安定性は向上しているのでBluetooth5.2世代らしい安定感があります。
■元の音源に正しく隅々まで丁寧なバランス
iPhoneとペアリングして宇多田ヒカルの『あなた』から聞いていくと、音情報が豊富で包み込まれるようなサウンドフィールドを展開する音場表現豊かなタイプ。それでいて歌声もきちんとクリアで耳に付くキツさがまったくなく、オーケストラの音空間も余裕で表現できる素性の良い高音質。BrunoMarsの『24K Magic』もノリ良く鳴らすタイプではなく、元の音源に正しく隅々まで丁寧なバランスで鳴らしてくれます。量感に振り切らず低音まで情報量を出すフラット志向。これぞ、AVIOTが日本人向けチューニングした“Japan Tuned”のサウンドですね。
スマホをGalaxyに変えて試したaptXによる接続では、全体の明瞭感がアップしますが、音空間が広く歌声もクリアと傾向はほぼ同じ。音楽ジャンルを問わず聴けるツウ好みの高音質です。
* * *
AVIOTによる2020年のミドル機として登場した「TE-D01gv」ですが、中身を見ると約9000円とは思えない充実ぶり。最新SoC“QCC3040”採用と技術を先取りしていて、マイク音質もいい。2020年の完全ワイヤレスイヤホンはこうあるべき! というお手本のような機種です。問題はこんなできのいい「TE-D01gv」が約9000円で購入できるってこと。ハイコスパ過ぎです。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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