キャンプでパンやケーキを焼けるコールマン「キャンピングオーブンスモーカー」
&GP / 2020年9月5日 20時0分
キャンプでパンやケーキを焼けるコールマン「キャンピングオーブンスモーカー」
<アウトドア銘品図鑑>
週末の朝、焼きたてパンを売店で販売するキャンプ場があります。木漏れ日の中、香ばしいパンにかぶりつくのは最高のひとときです。
でも、どこのキャンプ場でも焼きたてパンが手に入るとは限りません。
しょうがないので網やトースターでパンをあぶるわけですが、あきらめる必要はありません。2021年に120周年を迎えるキャンプブランド「コールマン」は、日本上陸前である1960年代よりガソリンツーバーナーにのせる「キャンプオーブン」を発売。60年前よりキャンプ場でピザやマフィンを焼いて食べていたというわけですから驚きです。
「キャンプオーブン」の初期モデルはトビラが横開きと下開きの2種類あったようですが、現在販売されている「キャンピングオーブンスモーカー」(7480円)は色は違えど横開きのキャンプオーブンと構造はほぼ同じ。それだけ完成度が高い製品なんです。
それでは改めて「キャンピングオーブンスモーカー」の魅力を確認していきましょう。
■ダッチオーブンより断然軽くて薄い!
ダッチオーブンの重量は7kg、8kgなんて当たり前。でも「キャンピングオーブンスモーカー」はスチール製ではありますが片手で持てる3.5kgで、気軽に持ち運べます。
折りたたみ式になっていて、収納サイズは30.5×30.5×8.5cm。本体だけなら約5cmととってもスリムなのでコンパクトカーでキャンプに行くときも気にせず追加できます。
本体上下にレバー式のロックがあり、不意に本体が広がるようなことはありません。このあたりからも、コールマンが長く愛されるブランドである理由がうかがえますね。
■組み立てはラクだが少しコツが必要
「キャンピングオーブンスモーカー」は底もトップも全部つながっているので広げてロックをかければ9割がた完成します。ネジ不要でとっても簡単です。
本体左右のパネルは、それぞれ2枚のパネルを蝶番でつなげていて、広げると各1枚のパネルになります。この構造のおかげで薄型収納を可能としているんですね。
底とトップにそれぞれ4か所、小さな爪があるのでしっかりはめ込みます。パネルはどれも薄手のスチール製なので、一度火を入れると多少ゆがむのは仕方ありません。上下の爪がはずれないようていねいにはめ込みましょう。
収納時のロック用レバーは、組み立てる時にも活躍します。トップと底を各面と組み合わせ、レバーをかけて固定。シンプルですがよく考えられています。
棚網は2枚。左右のパネルにあいている3つの穴に差し込みます。好きな段に差し込めるので、パンやマフィン、パウンドケーキのように高さがあるものであれば1段で下の方に。ビッグサイズのローストチキンだって余裕で作れます。ピザやドリアなら2段にして2枚同時に焼くなんてこともOK。
■ガソリンツーバーナーにのせて使う
「キャンピングオーブンスモーカー」はいわゆるレンジトップオーブン。電気もガスも不要ですが、代わりとなる熱源がガソリンツーバーナーです。
ダッチオーブンよりも華奢ですが、気温や風の状態によっては庫内を200℃以上に上昇できます。
オーブンを加熱すると壁面の放射熱だけでなく空気の対流が発生、庫内に閉じ込めた食品からの水蒸気で蒸し焼きにするという構造なのだそう。
ひっくり返してみました。デコボコがないのでツーバーナーの上に安定して置けます。
ただし、使用中のオーブンはかなり熱を持つので、燃料タンクをバーナーの外側に配置しているコールマン「413Hパワーハウスツーバーナー」ほか、ガソリンツーバーナーでしか使えません。コールマンのLPガスバーナーは燃料に影響が出かねないので使えないのが残念です。また、自宅のコンロでも使えそうですが、センサーが働いて勝手に消えるものが多く、こちらも不向きと言えるでしょう。
トップはこんな感じで細長い穴が空いています。このおかげでオーブン料理だけでなくほどよく煙を排出するスモーク料理もできるんです。スモークをするときは、オーブンの底にアルミホイルを敷き、そこにチップを置いてガソリンツーバーナーに載せるだけ。簡単です。スモークウッドならバーナー不要。
トビラに温度計が付いているので、オーブン料理もスモークも温度管理をしやすい! トビラを開くとすぐに温度が落ちるので、目指す温度より10℃ほど高めに熱しておくのがポイントです。
使用時のサイズは30.5×30.5×30cm。
同じ“オーブン”と名前が付くダッチオーブンでも当然オーブン料理ができます。ダッチオーブンで直径30cmというと12インチ、重量は10kgほど。高さも20cmもありません。内側の温度を計るのも手間がかかります。
そう考えると純粋にオーブン料理を楽しむなら「キャンピングオーブンスモーカー」、煮込みや焚き火料理ならダッチオーブンと使い分けるとよさそうです。
最後に、手ごねで塩パンを焼いてみました。230℃で約20分。不格好ですが、小麦香るパンになりました。朝食向けにキャンプ場で生地をこねましたが、キャンプ初日のランチなら冷凍生地パンを使ってもいいでしょう。
通常、ピザやフランスパンを焼くには250℃の高温にする必要がありますが、250℃を10分以上キープする電気オーブンは少ないのが現状。大型のハイエンド電気オーブンと違い、こんなに小さいのにキャンプ場で本格的にパンを焼けるのですから、かなりコスパのいい道具と言えます。
>> コールマン
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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