赤いシートが鮮烈!色気ある内装が醸すマツダ「ロードスターRF」の新たな個性

&GP / 2020年10月5日 19時0分

写真

赤いシートが鮮烈!色気ある内装が醸すマツダ「ロードスターRF」の新たな個性

世界一売れている小型オープン2シータースポーツカーとして、ギネス世界記録にも公認されているマツダ「ロードスター」。こうした成功の一因として挙げられるのが、定期的に投入される特別なモデルの存在だ。

先頃、電動開閉式リトラクタブルハードトップを備える「ロードスターRF」に追加された「VS バーガンディセレクション」もその一例。ビビッドな赤いシートを始めとする色気あるインテリアは、ロードスターの新たな一面を見せてくれる。

■鮮度を保つための仕掛けを定期的に投入

「もう5年以上も経ったのか」というのが実感だ。4代目となる現行のND型ロードスターがデビューしたのは2015年5月のこと。それでも、このクルマが少しも古びて見えないのは、流行りだけを追いかけてデザインしたわけではないからだ。

ロングノーズ/ショートデッキというロードスター伝統のプロポーションを受け継ぎながら、軽くコンパクトであるべきという原点に立ち返ったND型は、余分な要素を徹底的に排除して誕生した。こうしたモデルチェンジはとかく機能一辺倒になりがちで、味気なくなるケースも少なくない。しかし、NDロードスターは多分にエモーショナルだ。5年を経過してもなお、フレッシュなイメージを保っていられるのは、デザインにそれだけの力があるからだろう。“定番”の呼び声高い腕時計が毎日眺めようと飽きがこないのと同様、NDロードスターにも普遍的な魅力が備わっている。

ロードスターに限った話ではないが、近年はモデルチェンジのサイクルが長くなり、6年を超えるモデルサイクルも珍しくなくなった。ロードスターでいえば、初代NA型は8年強、2代目NB型は7年半、3代目NC型は10年弱作り続けられた。そう考えると、NDのモデルライフもまだ道半ばである。

そうはいっても、何も手を打たないのは自動車メーカーとしては怠慢だ。といったことは当のマツダも重々承知しているようで、商品の新鮮さを保つための策を散発的に打っている。その最新事例として挙げられるのが、2019年11月に発表され、2020年3月末まで販売された特別仕様車「SILVER TOP(シルバートップ)」。グレーのソフトトップを採用し、ロードスターに新たな魅力をプラスした。また、シルバートップの発表と同じタイミングで、ボディカラーも変更。「マツダ3」で先行導入された新色“ポリメタルグレーメタリック”を追加するなど、マツダはNDロードスターの鮮度を保つための仕掛けを定期的に打っている。

■ロードスターの方がマツダ3より赤の主張が強い

今回採り上げるロードスターRFのVS バーガンディセレクションも、シルバートップやポリメタルグレーメタリックの追加と同時に発表された特別仕立てのモデルだ。バーガンディセレクションといえば、マツダ3のファストバックに先行導入されたグレードであり、バーガンディ色のインテリアが最大の特徴。インテリアの随所に、マツダ3のそれと同じ華やかなバーガンディレッドのナッパレザーがあしらわれている。

マツダ3のデビューの際、マツダはバーガンディ色のインテリアに対し、公式資料で次のように解説している。

「エクステリアデザインのエモーショナルさをより引き立てるような、鮮やかさと深みを両立させた特別な赤レザーによって、大人のインテリアカラーに仕立てています。

バーガンディの赤を開発するに当たっては、鮮やかなだけでなく、また深いだけでもない色味を追求。幾パターンもの彩度・明度・色相の組み合わせを試行錯誤して、青を加えるという手法を採用しました。鮮やかさと深みの中に少しクールさを混ぜ込むことで、ファストバックにふさわしい色気を表現しています。

さらにバーガンディ内装では、レザーの艶が強めになるように専用の仕立てを施しました。これにより、革を張った際の表情の豊かさや一体感を高め、バーガンディの色気を一層際立てました」

ロードスターRFのVS バーガンディセレクションにも、マツダ3ファストバックと同じ色味と表情のレザーが使われている。ただし、ロードスターのインテリアデザインに準じた上で、だ。

マツダ3の場合、アーチ状のメータークラスターから助手席側のドアにかけて、すなわちダッシュボードのアッパー部にバーガンディを配し、ブラックのロワー部分とのコントラストを形成している。一方、ロードスターRFでは、ダッシュボードのロワー部にバーガンディをあしらい、直線状に左右を結んでいる。

ドアに関しても、マツダ3とロードスターRFとでは配色が異なっている。マツダ3はドアのアッパー部に、線状にバーガンディを配しているのに対し、ロードスターはドアの中央部分に面でレイアウトしている。そのためロードスターRFの方が、総じてバーガンディの主張が強めに感じられる。

シートの仕様も、マツダ3とロードスターRFとでは異なっている。ロードスターRFはブラックの本革仕様など他のレザーシートと同様、中央に目の粗いステッチが入っているのが特徴だ。

このステッチは、2019年11月の商品改良の際、従来の赤からグレーに変更されているが、VS バーガンディセレクションでもステッチはグレーとなっていて、これがバーガンディの赤に映え、いいアクセントになっている。

■色気重視ならブラックとの組み合わせか

このようにマツダ3とロードスターRFを対比させると、両車とも走りを意識したモデルという点で共通しているせいか、渋めでクールな赤がインテリアによくマッチしている。しかし、同じバーガンディ色のレザーとはいえ、ロードスターRFのあしらいの方が赤の主張が強く、かつスポーティに映るのは面白い。

さらに興味深いのは、ともにバーガンディ色のシートなどを採用するロードスターRFでありながら、今回のVS バーガンディセレクションと、2021年3月末までの期間限定販売となる「100周年特別記念車」とで明確に作り分けられていること。後者は、シートやフロアカーペット、フロアマットなどがバーガンディでコーディネートされるが、ダッシュボードのロワー部はブラックとなり、いわば“抑え”が効いている。こちらの比較でもやはり、VS バーガンディセレクションの方が赤の主張が強いのだ。

ロードスター 100周年記念車

華のあるインテリアのVS バーガンディセレクションの追加により、ロードスターRFに新しい個性が誕生したのは間違いない。そこで気になるのは、どんなボディカラーと組み合わせるかだろう。色気を重視するなら、試乗車のようなジェットブラックマイカと組み合わせるのがいい。個人的には、マシーングレープレミアムメタリックや、100周年特別記念車に採用されているスノーフレークホワイトパールマイカとの組み合わせもイケるのではないかと思っている。

<SPECIFICATIONS>
☆VS バーガンディセレクション(AT)
ボディサイズ:L3915×W1735×H1245mm
車重:1130kg
駆動方式:FR
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:184馬力/7000回転
最大トルク:20.9kgf-m/4000回転
価格:380万3800円

文/世良耕太

世良耕太|出版社で編集者・ライターとして活動後、独立。クルマやモータースポーツ、自動車テクノロジーの取材で世界を駆け回る。多くの取材を通して得た、テクノロジーへの高い理解度が売り。クルマ関連の話題にとどまらず、建築やウイスキーなど興味は多岐にわたる。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング