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片手で操作できる5Gスマホ「Google Pixel 5」は買いか?

&GP / 2020年10月16日 6時30分

片手で操作できる5Gスマホ「Google Pixel 5」は買いか?

片手で操作できる5Gスマホ「Google Pixel 5」は買いか?

Googleは10月15日、初の5G対応スマートフォン「Google Pixel 5」と「Google Pixel 4a(5G)」を発売しました。SIMフリーモデルの価格は、 Pixel 5が7万4800円で、Pixel 4a(5G)が6万500円。Pixel 5はauとソフトバンク、Pixel 4a(5G)はソフトバンクも取り扱っています。

▲6.0インチ画面のPixel 5(左)と6.2インチ画面のPixel 4a(5G)(右)

価格は、au版のPixel 5が7万9935円(「かえトクプログラム」利用時は4万3815円)、ソフトバンク版のPixel 5は8万7840円(「トクするサポート+」利用時は4万3920円)、Pixel 4a(5G)は6万5520円(「トクするサポート+」利用時は3万2760円)。少しでも安く買いたい人は、2年後の機種変更時に端末を返却することを前提とする「かえトクプログラム」や「トクするサポート+」を利用するといいでしょう。

この2モデルを借りていち早く使ってみることができました。最新フラッグシップのPixel 5の使用感を中心にレポートします。

 

■Pixel 5がPixel 4a(5G)よりもすごいところ

機種名だけ聞くと、Pixel 5がハイエンド、Pixel 4a(5G)がミドルレンジという印象を持つかもしれませんが、実は両モデルにさほど多くの差はありません。どちらもミドルハイ向けの「Snapdragon 765G」というチップセットを採用しており、Pixel 5のほうが若干スペックが高い程度です。まずは、両モデルの大きな差分を紹介しておきましょう。

▼ディスプレイ
Pixel 5:6.0インチ(1080×2340ドット)
Pixel 4a(5G):6.2インチ(1080×2340ドット)

▼RAM(メモリ)
Pixel 5:8GB
Pixel 4a(5G):6GB

▼バッテリー
Pixel 5:4080mAh
Pixel 4a(5G):3885mAh

▼ワイヤレス充電
Pixel 5:対応
Pixel 4a(5G):非対応

▼イヤホンジャック
Pixel 5:なし
Pixel 4a(5G):あり

▼防水・防塵
Pixel 5:対応
Pixel 4a(5G):非対応

Pixel 5のほうがコンパクトで、ワイヤレス充電や防水・防塵という利便性が追加されますが、コスパを重視するのならPixel 4a(5G)を選ぶのもアリでしょう。

 

■ “ワンハンド5G” を先取り

Pixel 5のサイズは高さ144.7×幅70.4×厚さ8.0mmで151g。いまのところ(2020年10月15日現在)、日本で買える最もコンパクトな5Gスマホです。10月17日にはボディ幅が約68mmで約163gの「Xperia 5 III」、11月13日にはボディ幅が64.2mmで133gの「iPhone 12 mini」が発売されるので、今秋は片手で操作できるスマホがトレンドになるような気がしています。

ディスプレイは6.0インチの有機ELで、解像度は1080×2340ドット。インカメラをパンチホールに搭載しているので、フロントパネルのほとんどがスクリーンといった感じ。最近のスマホは左右のベゼルが細い機種が多いのですが、Pixel 5は上下のベゼルも細くなっています。

▲鮮明な画質で小さな文字も見やすい

▲Pixel 5は、リフレッシュレートが最大90Hzの「スムーズディスプレイ」にも対応している

前モデルのPixel 4は背面パネルに光沢の強いガラスを用いていましたが、Pixel 5の筐体には100%リサイクルのアルミニウムが使われていて、仕上げは艶消し。ほとんど指紋が付かず、滑りにくいので、スマホケースに入れずに使うこともできそうです。

▲背面パネルは、サンドブラスト加工のようなザラザラとした仕上げ。指紋センサーを搭載している

Pixel 4からの大きな変化は、指紋センサーが復活したこと。Pixel 4は顔認証だけでしたが、Pixel 5は指紋認証だけです。コロナの影響でマスクを着けることが多く、指紋認証の復活は歓迎したいものの、顔認証も併用できれば、より便利だったように思います。

▲指紋センサーをなぞって通知パネルを表示することもでき、ほとんどの操作はワンハンドで完結する

 

■「標準+望遠」から「標準+超広角」変更。使い勝手は向上!?

カメラのスペックはPixel 5、Pixel 4a(5G)ともに共通。アウトカメラはメイン(12.2メガピクセル/F1.7/視野77°)+超広角(16メガピクセル/F2.2/視野107°)で、メインカメラは従来モデルから引き続き、1つの画素に2つのフォトダイオードを持つ「デュアルピクセル」が採用されています。フロントカメラは8メガピクセルでF2.0、視野83°です。

▲メイン(デュアルピクセル)+超広角のデュアルカメラを搭載

Pixel 4のデュアルカメラはメイン+望遠という構成でしたが、望遠をやめて超広角が採用されたわけです。Pixelのカメラには、デジタル処理によってズーム時の画像劣化を抑える技術が用いられて、7倍程度までであれば、かなり鮮明は画質で撮影できます。なので、望遠がなくなっても不便は感じないかもしれません。

▲超広角(0.6×)で撮影

▲メイン(1×)で撮影

▲デジタル2倍ズーム(2×)で撮影

▲デジタル7倍ズーム(2×)で撮影

カメラは電源ボタンの2回押しでも起動でき、起動から撮影、保存までが、気持ちいいくらいにスピーディに行えます。

▲端末をロックしていても、右側面の電源ボタンをカチカチと2回押せばカメラを起動でき、撮影できる

▲手持ちでも明るくシャープな画質で撮れる「夜景モード」も健在

▲レストランで料理を撮った写真。被写体に近づいてもピントを合わせやすく、背景もナチュラルにぼける

▲撮影時に全体の明るさとコントラストを別々に調整できる「デュアル補正」も健在

4Kビデオの撮影に対応し、Pixel 4では30fpsでしたが、Pixel 5は60fpsでの撮影も可能に。フルHD(1080p)のフレームレートも最大120fpsから最大240fpsに向上し、スローモーション撮影の楽しさもアップしています。

▲ビデオ撮影の設定画面

ただし、動画を撮影していると、わりとすぐ端末が熱くなることが気になりました。持てないほどではなく温かくなる程度ですが、ボディが金属なので、より熱が伝わるのかもしれません。動画を撮ったりゲームを長時間プレイしたりする人はスマホケースに入れたほうがいいかもしれません。

 

■前モデルのPixel 4よりも安い理由は?

SIMスロットには1枚のSIMしかセットできませんが、eSIMにも対応しているので、物理SIM+eSIMの2回線を利用可能。ただし、au版とソフトバンク版は購入時にはSIMロックがかかっており、eSIMを使うには、SIMロックを解除する必要があります。

▲物理SIMは1枚しか挿せない。microSDも使えないが、128GBのストレージを内蔵しているので十分だろう

5Gの周波数は、ドコモを含む、日本の3大キャリアのSub6(3.6GHz〜6GHz未満の周波数帯)に対応しています。筆者はPixel 5を使い始めてからまだ3日目ということもあり、まだ5Gの電波をキャッチできずにいますが、今後のエリア拡大に期待したいところです。

▲3Gから5Gに対応しているので、まだ5Gに対応していないエリアでも問題なく使用可能

Pixel 4aにはないPixel 5だけのメリットとしてワイヤレス充電があります。従来モデルは、Qi規格のワイヤレス充電器から充電できる機能だけでしたが、新たに、ほかのデバイスに給電できる「電池の共有」という機能が追加されました。Pixel BudsなどのQi対応のワイヤレスイヤホンを、Pixel 5の背面に載せるだけで充電できます。Pixel Budsを持っていないので、ほかのイヤホンで試したのですが、問題なく充電できました。外出先でイヤホンの電池がピンチになっても安心ですね。

▲ワイヤレスでほかのデバイスを充電できる機能が追加された

なお、Pixel 4の目玉機能であった「Motion Sense」は、Pixel 5には搭載されていません。「Soliレーダー」というセンサーを用いて、画面に指を触れないジェスチャー操作を実現する機能ですが、この搭載を見送ることによって、チップセットのグレードをワンランク落とし、価格を安く抑えたと考えて差し支えないでしょう。

Pixel 4の発売当時(2019年10月)の価格は、64GBモデルが8万9980円で、128GBモデルは10万3950円でした。さらに画面が大きく、高価格のPixel 4 XLも発売されました。一方、Pixel 5は128GBで7万4800円。「Motion Sense」がなくてもいいという人にとっては(実際、そういう人が多いような気がしますが)、かなりお買い得と言えそうです。

▲左がPixel 4、右がPixel 5

 

>> Google Store

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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