iPhone 12/12 Proって何が変わったの?デザインやサイズ、カメラなどをおさらい
&GP / 2020年11月7日 7時0分
iPhone 12/12 Proって何が変わったの?デザインやサイズ、カメラなどをおさらい
10月下旬に発売された「iPhone 12/12 Pro」を実際に使ってみました。5G対応に合わせて刷新されたデザイン、そしてカメラのアップデートが大きな変化です。実際に両機を使ってみて気づいた部分をまとめました。
■そもそもiPhone 12/12 Proはどんな位置付け?
まずはおさらいから。10月のスペシャルイベントでは「iPhone 12」シリーズ計4モデルが発表されました。大きくは、背面にデュアルカメラが搭載されているiPhone 12/12 miniと、トリプルカメラを備えるiPhone 12 Pro/12 Pro Maxの2系統に分かれます。Xシリーズ以降の系譜を割り当てるならば、下記のようになります。
▲「mini」が新しいサイズのライン。今回使ってみた12/12 Proは、2年前のラインナップでいえばXR/XSからの進化モデルに相当する
12シリーズの購入を検討する場合の指標になるという意味でも、12と12 Proの特徴を把握しておくのは重要です。
■新しいデザインをチェック
iPhone 12シリーズでは、側面のフレームがフラットに変わりました。机に直立させることもできます。5sや初代SEを使ってきた世代にとっては、どこか懐かしさも感じるデザインです。
▲iPhone 12(左)とiPhone 12 Pro(右)
背面のガラスを比べてみると、iPhone 12にはツルツルしたガラス、12 Proにはサラサラしたガラスが使われています。また、側面のフレームはiPhone 12がアルミニウム、12 Proがステンレススチールです。
そのため、iPhone 12 Proのデザインの方が、見た目に重厚感を感じます。マットな背面ガラスには指紋の跡もつきづらいですが、フレーム部のステンレススチールは指紋がすこし目立ちます。
▲iPhone 12 Pro
一方、iPhone 12もチープな印象は一切ありません。こちらは反対に背面の指紋は残りやすいものの、フレーム部の指紋が目立ちづらいなどの特徴があります。レッドやグリーンのようなポップなカラーバリエーションが選択できることも魅力です。
▲iPhone 12
ちなみに、形状については、iPhone 12 ProとiPhone 12の差はほぼありません。従来機のiPhone 11 Proと比べてみると、やや縦長になっています。手に持った時に一瞬「大きいなぁ」と感じましたが、幅はそれほどないので、片手でしっかりホールドでき扱いづらさは感じませんでした。
▲iPhone 12 Pro(左)とiPhone 11 Pro(右)。12 Proの方がわずかに縦長だ
■カメラの進化は1世代でも実感
機能として大きく進化したのは、やはり撮影機能です。筆者が普段使用しているiPhone 11 Proと比べても、多くの場面でより綺麗に撮影ができました。
例えば、12シリーズの静止画撮影で対応した「スマートHDR 3」では、被写体を認識したうで、明るさや色味などを自動で調整してくれます。普段11 Proで撮影した写真も相当綺麗なので、なにも不満はなかったのですが、場面によっては大きな差が出ました。
▲iPhone 12 Pro(左)と11 Pro(右)の超広角カメラで撮影した写真を比較。木々の隙間から覗く空や、複雑な根っこの部分に注目すると、明るさや色味が12 Proの方が自然だ
また、iPhone 12シリーズでは、超広角撮影でナイトモードが使えることもポイント。夜間のアウトドアシーンで試してみましたが、iPhone 11 Proの超広角カメラでは暗く潰れてしまった場面でも、細部を視認できるほどに明るく撮影できました。
▲iPhone 12(左)とiPhone 11 Pro(右)で、暗所の超広角撮影を比較。ナイトモード撮影がある12の方が綺麗に撮影できた
HDRで撮影できる動画も試してみました。焚火を撮影してみたところ、11 Proでは黒く潰れてしまった薪のディティールが12シリーズではハッキリ視認できました。(※下記の画像は表示するディスプレイによってはわかりづらいかもしれないので、広い諧調表現に対応する画面で、明るさをMAXにしてご覧いただくのがオススメです)
▲iPhone 11 Proで撮影した動画の一コマをキャプチャした画像。薪の黒い部分が視認しづらい
▲iPhone 12 Proで撮影した動画の一コマをキャプチャした画像。薪の黒い部分も質感が確認できた
▲iPhone 12 Proでは、動画のデータに「HDR」のアイコンが表示されていた
インカメラについても、ナイトモード対応の恩恵が大きいと感じました。暗く潰れてしまう部分が明るく見えるだけでなく、顔色が良くなったり、服のテクスチャーがくっきりと視認できるなど、大きな差がありました。
▲夜間のセルフィーでは、ナイトモード対応の恩恵はかなり大きい。肌の質感や、背景が見えるかどうか、セーターの質感が潰れているかどうかなど大きな差が出た
超広角カメラを使いたい人、インカメラで記念撮影を撮りたい人にとって、どんな場面でも美しく撮影できるのは魅力でしょう。
ちなみに、iPhone 12/12 Proは望遠カメラがあるかどうかの点で異なります。望遠があった方が、手元の小物や料理を影を入れずに撮影したり、景色の一部を綺麗に切り取りたいような用途では便利です。ただし、iPhone 12でもデジタルズームやトリミングは可能なので、それほどこだわりがなければ、標準カメラがあれば満足できる場合が多いのでは、と思います。
▲iPhone 12(左)とiPhone 12 Pro(右)では望遠カメラの有無が異なる
▲iPhone 12では望遠カメラの撮影はできない
■ARコンテンツ表示は暗い場所でも速かった
iPhone 12 Proに関しては、iPad Proシリーズにも搭載された「LiDARスキャナー」というセンサーが搭載されています。実際にARコンテンツを表示してみたところ、明るい場所や、平面を認識しやすい場所での差はそれほどありませんが、暗い場所や平面を認識させづらい場所での表示ではiPhone 12 Proの方がかなり速く認識されました。
▲iPhone 12 Proでは、薄暗い場所でもARコンテンツを素早く表示できた。一方、同じ場所で11 Proだと「もっと明るさが必要です」と表示されてしまい、オブジェクトが表示されるまで時間がかかった
日常的にARを使う人はまだまだ少ないでしょうが、将来性という意味で期待しておきたい機能の一つですね。
■MagSafeは「ながら充電」に便利
iPhone 12シリーズでは、「MagSafe(マグセーフ)」対応の充電器を活用すると、マグネットで背面にカチッと固定できます。対応のケースならケース越しでも利用可能です。
▲MagSafe対応のワイヤレス充電器は両手持ちと相性◎
これが便利だと感じたのは、動画をだらだらと視聴しているときや、ゲームをしているとき。例えば、ベットやソファで横になりながら長時間ストリーミング動画などを視聴していると、電池が減ってきて充電しながら視聴することがあります。こういったシーンで、有線接続だと、両手持ちをする部分や接地部分でコネクタの接続部が邪魔になりがちなのですが、背面に固定できるMagSafeの充電器ではそういったストレスがありませんでした。
また、カード類を携帯できるウォレット型のアクセサリなどもあるので、携帯する物を最小限にしたい人にとっても注目の新機能ですね。
* * *
ちなみに、今回紹介したポイント以外にも、2世代前のXSシリーズと比べる場合には、HDRコンテンツ表示時のディスプレイの輝度が高くなっていることや、動画撮影時に「オーディオズーム」に対応したこと、インカメラで4K撮影ができることなどもチェックしておきましょう。
基本的に、各大手通信キャリアで5G対応通信プランの契約が前提になっている点には注意が必要ですが、しばらくiPhoneの買い替えをしてこなかった人にとって、大きな刷新をしてきた今季モデルは魅力的に映るのではないでしょうか。
<取材・文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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