iPhone 12 miniだけじゃない!片手で操作しやすい5Gスマホ4機種を使い比べてみた
&GP / 2020年12月5日 9時0分
iPhone 12 miniだけじゃない!片手で操作しやすい5Gスマホ4機種を使い比べてみた
5Gが始まったこともあり、スマホの画面がどんどん大きくなっています。もはや6インチ以上が当たり前。大きくなりすぎて、折りたためるスマホまで登場しました。Webが見やすく、動画やゲームの迫力も増すので、それはそれでいいのですが、“スマホは片手でサクサクと操作できるほうがいい” という人も少なくありません。
今年の秋は、そんなニーズに応えるコンパクトなスマホが続々とリリースされました。代表格はiPhone 12 mini。5.4インチのディスプレイを搭載しつつ、ボディ幅は64.2mmに抑えられています。4.7インチ画面のiPhone SE(第2世代)が67.3mmなので、いかに小さいかは端末を見ずともおわかりいただけるでしょう。Xperia 5 IIとGoogle Pixel 5も、片手で操作できるスリムさと軽さが特徴。さらに、今年の春に発売されたGalaxy S20を加えて、コンパクト5Gスマホ4機種の使い勝手を比べてみました。
■スペック上のサイズが最も小さいのはiPhone 12 mini
まずは、スペックシートで大きさと重さを比べてみました。
▲左からiPhone 12 mini(SIMフリー)、Xperia 5 II(ドコモ版)、Galaxy S20(ドコモ版)、Google Pixel 5(SIMフリー)
▼iPhone 12 mini
本体サイズ:H131.5×W64.2×D7.4mm
重量:133g
▼Xperia 5 II
本体サイズ:約H158×W68×D8.0mm
重量:約163g
▼Galaxy S20
本体サイズ:約H152×W69×D7.9mm
重量:約163g
▼Google Pixel 5
本体サイズ:H144.7×W70.4×D8.0mm
重量:151g
本体が最も小さいのはiPhone 12 mini。さすが“mini”というだけあり、ダントツの小ささです。重さは133gですが、これはガラケー並みの軽さ。ポケットにも収めやすく、長時間手に持っていても疲れないこと請け合いです。
■横幅が70.4mmのPixel 5が意外に持ちやすい!?
続いて、片手で持ったときのホールド感や操作のしやすさを比べてみました。ただし、手の大きさや指の太さなどは人によって結構差がありますよね。筆者は、やや手が小さいほうなので、成人男性として標準的だと思われる手の大きさの友人にモデルになってもらい、4モデルの収まり方を比べてみました。
▲iPhone 12 miniは、手のひらにぴったり収まるサイズ感
▲縦に長いXperia 5 IIは、手にした様がスマートに見えた
▲Galaxy S20は、小ささ以上にベゼルの細さが際立った
▲最も “フツーのスマホ”に見えたのはPixel 5
最も小さいiPhone 12 miniは、手のひらでガッツリと掴めて、周囲にいる人からもminiを使っていることは一目瞭然でしょう。コンパクトな分、ノッチの広さが気になる人がいるかもしれません。縦に長くてスリムなXperia 5 IIは、手にしたときの安定感が◎。Galaxy S20とPixel 5は、一般的なスマホよりもひと回り小さく、 “数年前のスマホ” のようなサイズ感。Galaxy S20は、この小ささに6.2インチのディスプレイを搭載。画面の見やすさも求める人には、大きなアドバンテージと言えるでしょう。
持ちやすさは、ボディ形状と背面パネルの質感によっても差が出ます。
▲左からiPhone 12 mini、Xperia 5 II、Galaxy S20、Google Pixel 5
iPhone 12 miniはフラットな板状で背面はツルツル。Xperia 5 IIもフラットな板状で背面はさらにツルツル。雑に扱うと落としてしまいそうです。Galaxy S20は正面・背面ともにエッジが丸くなっていて手に馴染みやすいことが特徴。背面パネルはツルツルしています。持った感が唯一違ったのはPixel 5。ボディにリサイクルしたアルミニウム素材を使っていて、背面はザラザラしています。指紋が付かず、うっかり落としてしまうことも少なそうです。
実は、筆者が個人的に最も持ちやすいと思ったのはPixel 5。スマホの横幅は70mm程度がちょうどいいのかもしれません。みなさんも、お店に行った時に、複数のスマホを持ち比べて、自分にとってのベストサイズを見極めてくださいね。
■ディスプレイの使い勝手がいいのはXperia 5 II
次に、ディスプレイの見やすさを比べてみました。4機種のスペックは下記の通り。
▼iPhone 12 mini
画面サイズ:5.4インチ
解像度:2340×1080
▼Xperia 5 II
画面サイズ:約6.1インチ
解像度:2520×1080
▼Galaxy S20
画面サイズ:約6.2インチ
解像度:3200×1440
▼Google Pixel 5
画面サイズ:6.0インチ
解像度:2340×1080
コンパクトなスマホは、必然的にスクリーンも小さくなります。その結果、1画面に表示できる情報量も少なくなります。そこで「&GP」のトップページを表示して、どこまで表示できるかを比べてみました。
▲左からiPhone 12 mini、Xperia 5 II、Galaxy S20、Google Pixel 5
縦横比が21:9のディスプレイを搭載するXperia 5 IIが、最も多くの情報を表示できました。画面を2分割して2つのアプリを同時に使うマルチウィンドウの利用にも適していますね。
▲最も画面が小さいiPhone 12 miniは、画面の隅々まで指先が届き、コントロールセンターを表示しやすいのが利点
▲画面が縦に長いXperia 5 IIは通知パネルを表示させるには、本体をつかむ位置を変える必要がある
▲Xperia 5 II(左)とGalaxy S20(右)は、画面表示を縮小する「片手モード」も搭載。iPhone 12 miniとPixel 5には、この機能はないが、キーボードを片手で操作しやすいサイズにできる機能はある
なお、Xperia 5 IIとGalaxy S20は、リフレッシュレート(画面の更新速度)を120Hzに設定できることも利点。素早いタッチ操作が求められるゲームにも有利でしょう。なお、iPhone 12 miniとPixel 5は従来通りの60Hzです。
▲Xperia 5 IIは画面がワイドで、リフレッシュレートを120Hzにもできるので、ゲームを存分に楽しみたい人にも適している
▲iPhone 12 miniでも快適にゲームをプレイできるが、指で画面が隠れる部分が多い
■写真の撮りやすさはXperia 5 IIとGalaxy S20に軍配
続いてカメラの使いやすさを比べてみました。どの機種でも、カメラを起動してシャッターを押すといった操作は、片手でスムーズに行えました。
しかし、iPhone 12 miniは、使い始めてしばらくのうちは、指が写ってしまうミスが生じがちでした。本体が小さいので、レンズの近くに指を置かないように注意が必要です。
▲iPhone 12 miniは小さいので、レンズに指がかからないように注意が必要
Xperia 5 IIは右側面にカメラボタンがあり、横向きに持った場合に、カメラボタンを押してカメラを起動でき、それをシャッターボタンとしても使えます。片手で横向きでの撮りやすさではXperia 5 IIが一番でしょう。
▲Xperia 5 IIは横向きにした状態で右上にカメラボタンがある。片手持ちでのシャッター操作がしやすいことが利点
画角やズーム倍率の切り替えがしやすかったのはGalaxy S20。超広角、広角、望遠をワンタッチで切り替えられることに加え、ズーム倍率もワンタッチで切り替え可能。片手持ちではピンチ操作がしにくいですからね。この操作性は非常に便利だと感じました。
▲Galaxy S20のカメラアプリはズーム倍率をタッチで変更できるなど、片手で操作しやすい操作性になっている
■カメラの撮影画質は互角。8Kビデオ対応はGalaxy S20のみ
カメラのスペックはそれぞれ異なります。初期設定のままアウトカメラで同じシチュエーションで同じ被写体を撮影し、画質を比べてみました。
▲iPhone 12 miniとPixel 5はデュアルカメラ、Xperia 5 IIとGalaxy S20はトリプルカメラを搭載
▼iPhone 12 mini
アウト:超広角(1200万画素/F2.4)+ 広角(1200万画素/F1.6)
イン:1200万画素(F2.2)
▼Xperia 5 II
アウト:超広角(1220万画素/F2.2)+ 標準(1220万画素/F1.7)+ 望遠(1200万画素/F2.4)
イン:800万画素(F2.0)
▼Galaxy S20
アウト:超広角(1200万画素/F2.2)+ 広角(1220万画素/F1.8)+ 望遠(6400万画素/F2.0)
イン:1000万画素(F2.2)
▼Google Pixel 5
アウト:超広角(1600万画素/F2.2)+ メイン(1220万画素/F1.7)
イン:800万画素(F2.0)
<超広角>
▲iPhone 12 miniの超広角で撮影
▲Xperia 5 IIの超広角で撮影
▲Galaxy S20の超広角で撮影
▲Pixel 5の超広角で撮影
<広角>
▲iPhone 12 miniの広角で撮影
<標準>
▲Xperia 5 IIの標準で撮影
▲Galaxy S20の標準で撮影
▲Pixel 5のメインカメラで撮影
<望遠>
▲Xperia 5 IIの望遠(光学3倍ズーム)で撮影
▲Galaxy S20の望遠(ハイブリッド光学3倍ズーム)で撮影
iPhone 12 miniは明るくスッキリした色で撮れました。Xperia 5 IIはリアルに忠実でバランス良い色調。Galaxy S20は明るく、鮮やかな色。Pixel 5は最も空が青く写り、コントラストが強めの印象。どれが1番ということは決められません。カメラは素人の筆者が撮った写真です。あくまでも参考程度にご覧ください。強いて優劣をつけるなら、望遠レンズを含む3眼カメラを搭載するXperia 5 IIとGalaxy S20なら撮影の幅が広がるでしょう。
なお、どの機種も4Kビデオの撮影に対応しており、Galaxy S20は8Kビデオ(7680×4320)の撮影もできます。
■動作性はiPhone 12 miniが圧勝したが、電池持ちは不安
4モデルとも、コンパクトながらパワフルということが共通しています。どの機種も基本操作はもちろん、カメラやゲームもストレスなく楽しめました。この小ささで、4Kビデオをサクサクと編集したりできるんです。すごい時代になったものですね。まずは、CPUやバッテリーのスペックを比較しておきましょう。
▼iPhone 12 mini
チップ:A14 Bionic
RAM(メモリ):非公表
バッテリー容量:非公表
▼Xperia 5 II
CPU:Snapdragon 865 5G
RAM(メモリ):8GB
バッテリー容量:4000mAh
▼Galaxy S20
CPU:Snapdragon 865 5G
RAM(メモリ):12GB
バッテリー容量:4000mAh
▼Google Pixel 5
CPU:Snapdragon 765G
RAM(メモリ):8GB
バッテリー容量:4000mAh(最小)
iPhone 12 miniのRAMやバッテリーの容量は公表されていませんが、ネット上ではRAMが4GB、バッテリーが2227mAhという説が有力です。
実際の使用感として処理速度に大きな差はないと感じたのですが、「Geekbench 5」というアプリを使って、スマホの処理速度の目安となるベンチマークスコアを測定してみました。
▲iPhone 12 miniのベンチマークスコア
▲Xperia 5 IIのベンチマークスコア
▲Galaxy S20のベンチマークスコア
▲Pixel 5のベンチマークスコア
OSが違うので単純には比較できませんが、ベンチマークスコアではiPhone 12 miniが圧勝。Xperia 5 IIとGalaxy S20が同等で、Pixel 5が最も低いスコアでした。カメラで撮影し、写真や動画を編集するときも、この結果の通り、iPhoneが最もスピーディーに操作でき、Pixel 5がワンテンポ遅れることがあったりという印象でした。ですが、Webを見たり、メッセージを入力したりするには、全く遜色はありません。
電池持ちは、やはりiPhone 12 miniがいまひとつという印象。ほかの3機種は、フルに充電していれば1日持ちますが、iPhone 12 miniは残量に気をつけて使わないと、夕方以降にピンチになるかも…。
■最もロックを解除しやすいのはPixel 5
最後に、セキュリティロックも比べてみました。iPhone 12 miniは「Face ID」という顔認証が利用可能。Galaxy S20は指紋認証と顔認証の両方に対応。Xperia 5 IIとPixel 5は指紋認証のみです。
新型コロナウイルス感染対策のために、マスクを着用することが多い昨今、顔認証は使えないこともあります。指紋認証が可能なスマホのほうが便利と言い切っていいでしょう。Xperia 5 II、Galaxy S20、Pixel 5は、それぞれ指紋センサーの搭載位置が異なります。
▲Xperia 5 IIは右側面の電源ボタンに指紋センサーを搭載
▲Galaxy S20が画面内に指紋センサーを搭載し、軽く押してロックを解除できる
▲Pixel 5は背面に指紋センサーを搭載
最も使いやすいと感じたのはPixel 5。左右の人差し指の指紋を登録しておけば、どちらの手で持ってもスピーディーにロックを解除できます。Xperia 5 IIは左手で持った場合にロック解除がしづらく、Galaxy S20は超音波式の指紋センサーを採用していますが、コツをつかむまでは、すぐに反応してくれなかったりします。
“スマホは小さいほうが好き!” というみなさん、相性が良さそうな端末は見つかりましたか?
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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