通信プラン見直しの好機である今春、iPhone SE(第2世代)は選ぶべき端末なのか
&GP / 2021年2月23日 7時0分
通信プラン見直しの好機である今春、iPhone SE(第2世代)は選ぶべき端末なのか
昨年4月に発売された「iPhone SE(第2世代)」ーー。2020年を代表する端末のひとつとなりましたが、今春の通信プランの見直しを迫られるこのタイミングにおいても、まだまだ注目の機種であると言えます。そこで改めて同機の特徴をおさらいしましょう。
■通信プラン見直しの好機とiPhone SE
今春は通信プランを見直すのに最適なタイミングです。2月〜4月にかけては、MNO(自社で回線を持つ通信キャリア)が新料金プランの提供を開始。3月に予定されるオンライン専用プランと括られる20GB・3000円弱の通信プランが話題ですが、それだけでなく2月から提供されているUQ mobileやワイモバイルにおける3GB・1500円前後の新通信プランも魅力的。さらに新参のMNOである楽天モバイルの通信プランも、通信量が1GB以下なら維持費0円という仕様を加えてきています。
▲ソフトバンクのオンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」は3月17日からスタート
ほかにも、MNOの動きに対抗するように、日本通信SIMやmineoなどのMVNO(MNOの回線の一部を借りている通信事業者)が展開する格安SIMブランドでも、従来よりもコストパフォーマンスの高い通信プランを展開しています。
こうしたトレンドを鑑みても、今春は通信料金の見直しに関しては、絶好のタイミングとなるでしょう。これまで通信費の見直しをなおざりにしてきた家庭も、今季ばかりは見直しをしないと損をするというタイミングだと言えます。
そこで悩ましいのが端末の問題です。通信料金を節約しても、高額なハイエンド端末を購入すると、結局お金がかかってしまいます。Androidではミッドレンジの選択肢も多く存在しますが、iPhoneユーザーにとっては悩ましい部分。やはり、有力候補の一つとして「iPhone SE(第2世代)」が重要な存在になるでしょう。
■iPhone SE(第2世代)をおさらい
iPhone SE(第2世代)は、2020年4月に発売された端末です。4.7インチのディスプレイを搭載しており、片手操作をするには十分なサイズ感です。ただし、横向きでゲームをプレイするとなると、やや画面の小ささは気になることもあります。
▲iPhone SE(第2世代)のサイズ感はiPhone 6/7/8などと同程度
最新のiPhone 12 miniと比べると、筐体サイズは12 miniの方が小さく、ディスプレイサイズは12 miniの方が大きいという状況なので、仕様について積極的に訴求するような端末ではありません。
一方で、価格の安さは魅力的。Apple Storeの価格では、64GBモデルで4万4800円(税別、以下同)、128GBで4万9800円、256GBで6万800円となり、iPhone 12シリーズで最も安いiPhone 12 mini 64GBモデル=7万4800円よりも3万円の節約になります。
また、iPhone SE(第2世代)は、Touch ID内蔵のホームボタンを備えることもポイント。生体認証に関しては、Face ID搭載機種でもマスク付きのまま顔認証が行えるようになるアップデートが話題になりましたが、これは「Apple Watch」ありきでの話。iPhone単体での利用を想定するなら、まだTouch IDにメリットを感じる場面も多いはず…。
チップセットには「A13 Bionic」を搭載します。これは2019年モデルの「iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max」にも搭載されているチップセットです。処理性能不足で悩むようなことは、まずありません。また5G通信に対応していませんが、現状の5G対応エリアをみると、非対応で困るということはまだないと思います。
■iPhone 12シリーズと比べて注意したいところ
最新ハイエンドのiPhone 12シリーズと比較したときに、違いが目立つのは、カメラ、スピーカー、バッテリーです。
カメラは背面に1200万画素/f値1.8のシングルカメラを搭載。前面には700万画素のカメラを搭載しています。しかし、超広角カメラや望遠カメラでの撮影は利用できません。静止画や動画を撮影するのが好きな人や、動画編集に挑戦してみたと思っているような人にとっては、iPhone 12シリーズの方がオススメできます。一方で、iPhone SE(第2世代)のカメラも写り自体は充分に精細なので、カメラにさほどこだわりがなく、日々の記念撮影を行うくらいという人にとっては問題ない部分だと思います。
撮影機能としては、ポートレートモードや4K・60fpsでの動画撮影に対応。光学式手ブレ補正や、スマートHDRもサポートします。
▲iPhone SE(第2世代)にて撮影
内蔵スピーカーは、単純な音量だけでなく、高音域の伸びや低音域の迫力はiPhone 12シリーズの方が優れます。スマートフォン単体で楽曲をストリーミング再生し、部屋のBGMとしたい人にとっては注意したいところ。一方、AirPodsのようなワイヤレスイヤホンを利用したり、Bluetoothスピーカーを使うのであれば、特に気にならない部分でもあります。
バッテリー持ちについては、iPhone 12シリーズとiPhone SE(第2世代)で差があります。筆者が検証した際には、2時間のYouTube動画をWi-Fi接続下で再生したときにiPhone 12シリーズでは80%以上をキープしていたのに対し、SEでは70%を下回りました。これはチップセットの世代が異なること、そしてディスプレイの仕様によることに影響していると思われます。ただし、バッテリーに関しては、iPhone SE(第2世代)ならば、バッテリーケースの類を利用できるため、「重さ」さえ我慢すれば拡張できることがポイント。運用方法を工夫すれば、単純にデメリットとはなりづらいでしょう。
■iPhone SE(第3世代)を待つべき?
iPhone SE(第3世代)が今後登場するのかどうかも気になるところですが、2016年に第1世代が発売された後、2020年に第2世代が発売されたので、サイクル的にはしばらく登場しないとみるのが自然です。もし次回があるとすれば、XRやiPhone 12 miniなどの筐体をベースに最新のチップセットを備えた機種が濃厚だとは思われますが、憶測の域を出ません。いまからこれを待つのは現実的ではありません。
やはり、今季のiPhoneユーザーにとっては、12シリーズを購入するか、iPhone SE(第2世代)を購入するかが主な選択肢となります。ただし、64GBモデルはストレージ管理が上手くないとすぐに満杯になってしまう恐れがあるので、最低でも+5000円を支払って128GBモデルを選ぶべきだと筆者は思います。
▲もし+3万円の予算を出せるなら「iPhone 12 mini」(左)も検討すべき
コストを最優先する場合、狙うは128GBモデル、4万9800円+税のiPhone SE(第2世代)か、7万9800円+税のiPhone 12 miniです。3万円を出せるなら後者を、厳しいなら前者を選択すると良いのではないでしょうか。
<取材・文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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