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ショップ・キャンプ場・メディアが語る2021年キャンプシーン予測【いま買うべきキャンプギア】

&GP / 2021年4月7日 20時0分

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ショップ・キャンプ場・メディアが語る2021年キャンプシーン予測【いま買うべきキャンプギア】

【特集】いま買うべきキャンプギア

80年代後半〜90年代初頭のオートキャンプブーム以来の盛り上がりを見せるキャンプ業界。テレビ番組でもSNSや動画でもキャンプ、キャンプ、キャンプ。その反響は凄まじく、冬でもキャンプ場の予約を取りづらく、また、アウトドアショップは入場制限がかかるほど。この状況は続くのか? 今後、キャンプシーンはどうなっていくのか? アウトドア専門店、キャンプ場、メディアで働く3名に集まってもらい、ここ数年の傾向を振り返りつつ今後の展開を予想してもらった。

 

sotosotodays・野毛陽平さん
スタンダードなものだけでなく、マニアックな道具もここなら手に入ると評判の神奈川・小田原市のアウトドアショップ「sotosotodays」店長。「買ってもらった道具で、ちゃんとキャンプができる場を作るためにキャンプ場を運営しています。今後は新たな視点で使い方、場所、マナーといった情報を発信しようと模索中です」

 

RECAMP・宮田蘭丸さん
アパレル勤務を経て、全国のキャンプ場開発・運営を行う「株式会社Recamp」入社。現在はRECAMPおだわらを担当。「山火事やごみが問題になっているけれど、キャンプ場によってルールが異なるので利用者が混乱しているのかも。Recampではキャンパーのアウトドアリテラシーの底上げをするために何ができるのか、模索している途中です」

 

アウトドアライター・アウトドアデイジャパン実行委員長・沖田雅生さん
アウトドア雑誌編集者を経て独立。現在はフリーライター、編集者としてアウトドアシーンを盛り上げる。「火や燃料はやけどや火災、刃物もケガにつながるけれど、なぜ危険かを知ればとても便利な道具です。危険だと遠ざけるだけではなく、メーカーに直接教えてもらえるようにと各社に声をかけて、アウトドアデイジャパンを立ち上げました」

 

■本当のところキャンパーは増えている?

日本では2010年代より、欧米でも登山メーカーからキャンプアイテムが登場するなど世界各地でキャンプが注目されていたがここにきて大爆発。世界的なキャンプブームが到来した。日本ではどんなキャンパーが増えているのだろう。

宮田さん(以降、宮田):「ソロキャンプがブームと言われていますが、キャンプはもともと親子連れが多いレジャーでそれは今も変わりません。とはいえ少数派だったソロ、女性がずいぶん増えたのも事実で、そこが切り取られたのかもしれませんね」

沖田さん(以降、沖田):「おうちキャンプが注目され、試しに自宅で雰囲気を楽しんでから、キャンプをやってみようかという人が増えたようです。一方で、もともとキャンプを楽しんでいた家族が、“ヒロシちゃんねる”などの動画やインフルエンサーのSNSを見てソロテントを買い足す場合も。それもソロ人気と言われる理由でしょう」

野毛さん(以降:野毛):「ようやくキャンプがライフスタイルとして定着しつつあるような気がします。今後は道具と使い方を紹介すると同時に、マナーを知らせることが販売店の責務かな」

では、現場でキャンプ人口が増えたと実感することはあるのだろうか。そして、気になる今年の予約状況は。

宮田:「RECAMPは全国でキャンプ場を運営していて、都市に近いキャンプ場は平日でも利用者が多いです。少し離れたキャンプ場は週末だけで平日利用はまだまだなんですがね。僕が管理しているおだわらは小さいわりにサイトのバリエーションが多くて。オートサイトから順に埋まって、初心者の多いコテージや手ぶら利用できる常設サイトは最後に埋まる状況。なかでもキャンプに前向きな人は予約開始日に予約しています。これは今後も続くのでは。そうした人の中にはクラファンで新しく道具を手に入れて、悩みながらも現地で開封している人たちが結構いますよ」

野毛「キャンプに行きたいから道具を買う人は当然いますが、道具を買ったからキャンプに行こうと考える人が増えたような。道具を使ってもらえる環境を作らなくてはならないと考えていて、僕らは販売店ではありますがキャンプ場も運営しています。実際にキャンプ場の運営をして思ったんですが、何件か予約して、目当てのキャンプ場が取れたから直前キャンセルをする人がいるみたいですね」

宮田:「キャンセル待ちの数もすごいから空きは埋まりますが、それでも悩ましい問題です」

■キャンプ道具のアパレル化が進行中

▲最新ギアが揃う「sotosotodays」

モノでいえば、2020年はメスティンやホットサンドのヒットが印象的だった。今年はどんなものが注目されるのだろうか?

野毛「昔からあるものがある日突然、再燃する傾向は続くでしょう。ヘリノックスのチェアも落ち着いたと思ったらまたよく売れているんです。旅行などキャンプ以外のことを楽しんでいた人たちがコロナ禍で代わりにキャンプをはじめています。旅行などに使っていた潤沢な予算で道具を購入するわけで、少し前に流行ったモノ、他人と違うものを手に入れる。これが再燃の理由かも」

宮田:「道具のアパレル化が進んでいますよね。機能性重視ではなく、複数の道具を持っていて洋服のように気分やキャンプ場にあわせて選ぶ感じ。毎回違うテントを持ってくる人もいて。クルマにせよ道具にせよ、裕福なキャンパーが増えたと実感します」

沖田:「テントでも一時期すっかり見かけなくなったロッジ型テントの新作が増えています。ドーム型に比べて重いけれど、それでもよく売れていると聞きます」

宮田:「キャンパー自身がスタイルの多様化を意識していて、自分のスタイルにあうモノをわざわざ探し出すようです」

▲「武井バーナー、ペトロマックスHK500も入荷すると即完売します。人と違うものを持ちたいからなのでしょう」(野毛さん)。新作でもちょっと懐かしいデザインに、今どき素材や機能を搭載したテントが増加している

▲「アウトドアライターである赤ワイン氏が、大好きなミルクガラスで作ったマグカップです。買うだけでなく、キャンプ好きが道具を作って販売できる環境となったのがすごい」(沖田さん)

 

ガレージブランドが増えているのも、スタイルの多様化、人とは違う道具を持ちたい欲求のあらわれなのだろうか?

野毛:「とくに焚き火台はいろいろな業種が参入しています。こだわりのある人が既存の物に満足せず作ったので、それぞれいいところがある。どれがオススメと言いづらくなっています」

沖田:「大手が作ったものは軽くて機能的だけど、後発組は組み立てが面倒で重いものも。でも、その不便、面倒くささを楽しんでいますよね」

宮田:「軽さ、機能性が正義ではなくなったんでしょう。僕もいろんな道具を使ってきたんですが、近頃は本当に必要なのはなにかを考え、断捨離を進めています。残ったものが宝物。手元に残したのは韓国ガレージブランドのタープにもなる軍幕で、最近はこれで車中泊もいいかなと思っています」

▲宮田さんの手元に残ったDECEMBERのチェア。「軽いし、座ってもサイドテーブルとしても使えます。今後はバンライフ的な過ごし方でもいいのかもと思っています」

沖田:「ボーイスカウトをしていて初期のコールマン・スポーツスターを持っていました。当時は面倒で手放したんですが、今になって後悔。考えてみると何十年も、手に入れては処分して後悔...を繰り返しているんですね。今、たくさんの道具に囲まれている人がいますが、気分で選ぶ時代の次は必要なモノを選択する時代に入るのかもしれません」

▲炎が見えて焚き火ライクなストーブに注目。「従来の鉄板の箱じゃなくて、炎が見えるのがいいですね」(宮田さん)。薪ストーブや焚き火人気はスゴイものがあって、今後はマナーや安全性が焦点になりそうとも

▲ニーモからコンパクトなテーブルとチェアが登場。「風で倒れにくいしリクライニングできる。脚をきっちり差し込むための線などよくできています。ファニチャーは品薄続きなのでこれも早めに手に入れるほうがいいでしょう」(野毛さん)

▲今年は軽量ジェットボイル、コールマンのシングルバーナー、スノーピークのサカンなど話題作がいっぱい。「小さなバーナーがよく売れています。自宅で使えるイワタニのフォアウインズは今後も注目されそう。SOTOのヒノトは充填式なのが新しいですね」(野毛さん)

▲「ゴールゼロやレッドレンザーの小さいLEDランタンは勢いがあります」(沖田さん)。「ガレージブランドからカスタムできるパーツが登場すると人気が加速。コールマンの新作シングルバーナーなんかは、再塗装して売る人がいそう」(野毛さん)

※2021年4月6日発売「GoodsPress」5月号掲載記事をもとに構成しています

>> 【特集】いま買うべきキャンプギア

<文/大森弘恵 撮影/逢坂聡>

 

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