ホンダ「ヴェゼル」はココがスゴい!伸びやかデザインと使える荷室でSUVのNo.1は安泰?
&GP / 2021年4月24日 19時0分
ホンダ「ヴェゼル」はココがスゴい!伸びやかデザインと使える荷室でSUVのNo.1は安泰?
2013年のデビュー以来、全世界で累計400万台弱を販売したホンダ「ヴェゼル」。そんな人気のコンパクトSUVが初のフルモデルチェンジで2代目へと進化した。
早くも初期受注の好調が伝えられている新型ヴェゼルの魅力に迫る。
■広い後席と使い勝手のいい荷室は初代譲り
コンパクトSUVのヴェゼルは、プラットフォームやパワートレーンの大半をコンパクトハッチバックの「フィット」と共用するクロスオーバーモデルで、トヨタの「ヤリスクロス」や日産「キックス」、マツダ「CX-3」「CX-30」などがライバルとなる。そんな中で、全長4330mm、全幅1790mmという新型ヴェゼルのボディサイズは、BセグメントのSUVとして考えると少し大きめだ。
そんな新型でまず注目したいのがデザイン。スタイリングは初代に比べて伸びやかさが増し、車体がひとクラス大きい上級SUVへ移行したかのような印象を受ける。実車の全長やホイールベースは初代モデルと同じだが、ルーフ高が15〜25mmほど低くなったことや、リアピラーの角度が寝かされたことが効いている。いわゆる“クーペSUV”スタイルの色合いが濃くなったのだ。SUVは今や、セダンやミニバンにはないシャレた雰囲気を求めて選ぶ人が多い。そういったユーザーにとって、新型ヴェゼルの上質感あふれるデザインは好意的に受け止められることだろう。
一方、初代ヴェゼルが大ヒットした要因のひとつが実用性の高さだった。特に初代モデルのユーザーの中には、クーペルックのデザインになったことで実用性の低下を懸念する人もいるだろう。しかし、その点はしっかり考えられているから心配無用だ。
例えば初代は、モデルライフの最後までクラス最大の後席空間をキープしていたが、新型になって後席の足下スペースはさらに拡大。足下空間の前後長が初代比で35mmも拡大されている。一方、後席の頭上空間は初代に比べると狭くなった印象を受けるが、実際に座ってみるとしっかりとクリアランスが確保されていて開放感も十分。クーペフォルムと後席の居住性を両立したパッケージングはお見事だ。
同じく、クラストップレベルの広さを誇っていたラゲッジスペースも、基本的には初代に準じたもの。現時点で新型の荷室容量は公表されていないため初代モデルとの単純比較はできないが、筆者が計測したところ、後席使用時の荷室奥行きは初代に比べて30mmほど短くなっていた。しかしそれは、初代よりも後席の取り付け位置が少し後ろへ下がり、同じ全長でありながら後席足下スペースが拡大されたことの影響と考えれば納得できるレベルだ。
とはいえ、荷室フロアが低い位置に設定されているため高さ方向のゆとりを有効活用でき、後席の背もたれを倒すことなく中型のスーツケースを4個積載可能。また、後席の背もたれを倒す際には、後席の座面も低く沈み込んでフラットな荷室フロアを得られるほか、独自の“センタータンクレイアウト”によって実現したキャビンの床の低さを活かし、後席の座面を跳ね上げて背の高いアイテムも簡単に詰めるなど、初代の美点や特徴をしっかりと継承する。この“使える”荷室は、ライバルに対する大きなアドバンテージといえるだろう。
■e:HEVの伸びやかな走行フィールが心地いい
新型ヴェゼルに用意されるパワートレーンは、1.5リッターの自然吸気ガソリンエンジンと、そこにモーターを組み合わせた“e:HEV (イー・エイチイーブイ)”と呼ばれるハイブリッドの2タイプ。初代にラインナップされていたガソリンターボエンジン(ダウンサイジングターボではなく高出力型ターボだった)がなくなってしまったのは残念だが、注目したいのはそれぞれのグレード構成だ。ハイブリッド仕様には「e:HEV X」、「e:HEV Z」、「e:HEV PlaY」という3グレードが用意されるのに対し、ガソリン仕様は「G」の1グレード構成と、明らかにハイブリッドがメインの展開となっている。
実はコンパクトSUVはハイブリッド人気がひときわ高いジャンル。ヤリスクロスの6割以上、純粋なガソリンエンジン車の設定がないキックスは100%、ハイブリッド仕様が売れている。新型ヴェゼルもそれを反映したバリエーション展開となっているのだ。
そのハイブリッド仕様は、初代と全く異なるメカニズムを採用する。初代のそれは、エンジンとモーターそれぞれの出力を協調させて駆動力を生み出していたが、新型のe:HEVは、日常走行においてはエンジンを発電機として使い、そこで起こした電気でモーターを回し、駆動力を発生させる(日産自動車の“e-POWER(イー・パワー)”と同じ考え方)。一方、モーター走行の効率が低下する高速領域では、エンジンのパワーを直接、タイヤに伝えるという複雑な仕組みを採る。
これは、ホンダの最新ハイブリッドモデル(「レジェンド」や「NSX」を除く)に共通する方式で、効率に優れるのが特徴だが、美点はそれだけではない。モーター走行領域での加速は電気自動車のように滑らかで、伸びやかな走行フィールはガソリン車と異なる心地良さがある。そんな走りも新型ヴェゼルの魅力といえるだろう。
なお駆動方式は、ハイブリッド仕様のe:HEV PlaYは前輪駆動のみとなるが、そのほかのグレードでは前輪駆動車と4WDを選択できる。4WDのリアタイヤはモーターで駆動するタイプではなく、ドライブシャフトで前輪と機械的につながっていて、電子制御クラッチで後輪へと駆動力を振り分けるタイプだ。
最後に、グレードごとの装備内容を見ておこう。ハイブリッド仕様はベーシックなe:HEV Xに対し、e:HEV Zでは左右独立温度調整式エアコンや電動テールゲート、本革巻きステアリングホイール、18インチタイヤなどが追加される。加えてe:HEV PlaYでは、カーナビやガラスルーフなども標準装備となる(その代わり、左右独立温度調整式エアコンは非採用)。
一方、ガソリンエンジン仕様のGは、基本的にe:HEV Xに準じた装備レベルで、ベーシックグレードに徹している感がある。
初代ヴェゼルは2014年、2015年、2016年、そして2019年と、SUVの国内新車販売台数で年間ナンバーワンに輝いている。初期受注が好調で、早くも長期の納車待ちが発生している新型も、初代の人気を受け継ぎヒットモデルとなる可能性が高いだろう。
文/工藤貴宏
工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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