ogawaの伝統“ロッジ型テント”に久々の新作登場!たてやすくてハンサムです!
&GP / 2021年8月21日 19時0分
ogawaの伝統“ロッジ型テント”に久々の新作登場!たてやすくてハンサムです!
【アウトドア銘品図鑑】
90年代なかばから20年ほどの間、日が当たらない存在となっていたのがロッジ型テントです。
ロッジ型に比べて居住性が劣るとされていたドーム型テントですが、大型化が進んで2ルームが出現するなど、その弱点を克服すべく次々に進化。居住性は高いけれども重いロッジ型に取って代わって主流となったのはご存知の通り。その間に多くのメーカーがロッジ型開発から撤退していきましたが、頑なに守り続けたのがogawaです。
ogawaは1914年に東京・八丁堀で開業した老舗で、1961年より「オーナーロッジ第一号」を販売。これがogawaのロッジ型テントの始祖で、60年を経た今もシリーズ名として名前が残っています。
一時は色も素材も変わらず“シンボル”として残されるかと思われたのですが、キャンプ人気の盛り上がりとともに「レトロでかっこいい」とじわじわ評判となり、近年は復刻版の登場などロッジ型テントが絶好調!
そして2021年は久々の新作、「ヒュッテレーベン」(10万7800円)が誕生しました。
伝統の「オーナーロッジ」で培ってきた機能を取り入れつつ、新しいデザインに落とし込んだ「ヒュッテレーベン」を試してみました。
■重すぎず、ほどほどの大きさ
かつてのフラッグシップ、「オーナーロッジ ミネルバⅡ」は重量33kg、インナーにT/Cを使ったモデルは重量39kgという重量級でした。
「ヒュッテレーベン」の謳い文句は“コンパクトフレーム”ですが、本当にコンパクトで軽くなっているのでしょうか?
フレームと幕、そして別売のインナーです。
フレームは9.9kg、幕は9.7kg。これに別途付属品が3.8kg分。重量はありますが、「ミネルバⅡ」に比べると随分軽くなっていることがわかります。
「ミネルバⅡ」の場合、幕とフレームがほぼ同じくらいの大きさだったのですが、「ヒュッテレーベン」はボリュームがあきらかに少ない!
スチールフレームの直径は22mmで「ミネルバⅡ」と同じですが、屋根部分のフレームが短いためでしょう。
フレームを地面にならべてみました。
接続パーツ付きのポール3本と、それらをつなぐポールで屋根を作ります。ほかに軒用と立ち上げるためのポール、スタンディングテープが入っています。
まず、スタンディングテープでテント位置を決定します。幕自体はスタンディングテープよりも両側それぞれ155cm外側まで広がることを忘れずに。
ちなみに、テープのゆるみ、ねじれがないようピンと張ったきれいな長方形にするのがコツです。
屋根を作ります。
赤い接続パーツ付きが真ん中、その両端に青と白の接続パーツが付いたポールを置いて、この3本をポールで接続。
テント前方に短いポールを差し込んで軒とします。
四隅に長いポールを差して、屋根を立ち上げます。「ヒュッテレーベン」は全高205cmなので、脚の一節を折ったままにしておくと楽に幕をかけられます。
ライナーシートを取り付けてから、幕をかけます。幕は重量9.7kgですからまぁまぁ重いのですが、背が低いまま作業するので案外楽にできます。
フレームの最後の一節を伸ばしてスタンディングテープにかければあと一息。
幕の四隅をペグで固定し、コードで幕にあらかじめ取り付けられているサイドポールを立ち上げます。
張り綱で固定して完成。これまでにはない、流れるようなデザインが新鮮です。
520×225×H205cm。従来のロッジ型テントは奥に寝室が装着されますが、「ヒュッテレーベン」は左右に寝室を取り付けます。
■一年中、快適に過ごせそう
日本で生まれ、ずっと日本のキャンプシーンを見守ってきたogawaの「ヒュッテレーベン」ですから、スカート、屋根部分はポリエステルですが壁部分は通気性のよいT/C素材になっているなど快適にすごす知恵が満載。
両サイドの窓はメッシュ機能付き。
オーニングがついているので雨の日でも開放して湿気を効率よく排出できます。オーニングの角度を変えて風や日差しに対応できるのもいいですね。
テント前方入り口には軒が付いています。小さいけれども、あるとないでは大違い。ちなみに、前方ドアは真ん中にファスナーがあって両脇に巻きますが、背面ドアはパネル両側にファスナーが付いていて跳ね上げられます。背面のパネルはサイドオーニングが付いていて雨と日差しの影響を受けにくい仕様で芸が細かい!
全体に大きなメッシュ窓を採用していて湿気や温度、風をコントロールしやすくなっています。なによりも広いメッシュは開放的。
天井のライナーシートで、結露が落ちてくるのを防いでくれるのもいいですね。
別売の「ヒュッテレーベン用T/Cインナー」(2万6400円)を取り付けてみました。インナーの面積は130×210cmで、2人での就寝向き。
端のほうは背が低いのですがサイドポールのおかげで高さ65cmを確保しており、寝るだけであれば十分です。
「ミネルバⅡ」の寝室は220×350cmで5人就寝、前室は240×340cm。
「ヒュッテレーベン」の寝室は約半分ですが、左右対称なのでインナーを2張装備できます。その場合のリビングは210×225cmで「ミネルバⅡ」よりも100cmほどコンパクト。
センターがリビングになるので両側の背の低さは関係なく、ゆったり過ごせますね。
* * *
「ヒュッテレーベン」は存在感のあるルックスですが、従来のロッジ型テントよりもほんの少しフレーム部分をコンパクトにすることで大幅に軽量化されていました。しかも、直線的なフレームをつないでいくだけで組み立てられるので、その気になればひとりでも設営可能。
インナーは別売ですが、フロアレスのすごし方を知った現代ではマストとは言えません。人数にあわせて1〜2張追加すればよく、これも軽量化に役立っていますし合理的。
「ヒュッテレーベン」は伝統を継承しつつ、現代のキャンプスタイルにマッチする新しいロッジ型テントとなっています。
>> キャンパルジャパン
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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