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実力はSUVに負けない!VW「パサートオールトラック」は悪路に強いクロスオーバーワゴン

&GP / 2021年9月14日 7時0分

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実力はSUVに負けない!VW「パサートオールトラック」は悪路に強いクロスオーバーワゴン

ステーションワゴンとSUVの美点を併せ持つVW(フォルクスワーゲン)のクロスオーバーモデル「パサート オールトラック」がマイナーチェンジ。

ステーションワゴン版の「パサート ヴァリアント」の車高を上げ、2リッターのディーゼルターボと“4モーション”こと4WDシステムを組み合わせたこのクロスオーバーモデルは、レジャードライブの相棒として活躍しそうな1台だ。

■ステーションワゴンとSUVの“いいとこ取り”

“セダン離れ”などともいわれる昨今の自動車マーケットだが、かつてに比べて人気が落ち着いているジャンルはセダンだけだけではない。その一例がステーションワゴンだ。

日本やアメリカの自動車ブランドでは、純粋なステーションワゴンがどんどん減っている。その背景にあるのは世界的なSUVブームだ。ラゲッジスペースの実用性を重視するユーザーも、ここへ来てステーションワゴンからSUVへと移行。この流れは、しばらく止まることはないだろう。

こうした波は、依然としてそれなりのモデルラインナップと販売台数をキープしているヨーロッパブランドのワゴンにも押し寄せている。セールス面では以前ほどの勢いがなくなっているほか、例えば、少し前に人気のあったルノー「クリオワゴン」やプジョー「207SW」といった“Bセグメント”のワゴンは、ルノー「キャプチャー」やプジョー「2008」といったクロスオーバーSUVに切り替わってしまったほどだ。

しかしステーションワゴン側も、黙って現状に甘んじているわけではない。時代に合わせた“突然変異的”な派生ワゴンが登場しているのだ。その代表例が、SUVの美点を採り入れたステーションワゴンベースのクロスオーバーモデルである。

同ジャンルのパイオニアといえば、なんといってもスバル「レガシィ アウトバック」だ。ステーションワゴンである「レガシィ ツーリングワゴン」のボディに無塗装の樹脂製パーツなどを装着し、無骨さを感じさせるエクステリアに。さらに、ロードクリアランスを拡大して大径タイヤを組み合わせることで悪路走破性も高めた“ワゴンとSUVの中間”だ。

アウトバックの成功を受け、同スタイルは他メーカーにも波及。ボルボの「クロスカントリー」シリーズやアウディの「オールロード」シリーズ、メルセデス・ベンツの「オールテレイン」シリーズなどが人気を博している。そのVW版といえるのが、「オールトラック」シリーズだ。今回フォーカスするパサート オールトラックも、まさにアウトバックのライバルというべきモデルである。

■荷室が広大で乗り降りもしやすいオールトラック

パサート オールトラックのベースとなるのは、VWの上級車種である「パサート」のワゴン仕様、パサート ヴァリアント。大径タイヤを組み合わせてロードクリアランスを30mmアップさせ、ボディの下部やタイヤ周囲などにオフローダーを感じさせる無塗装の樹脂パーツを装着することで、アクティブな雰囲気に仕上げている。

パサート オールトラックは実用性の高さでも注目だ。ラゲッジスペースの容量は、通常の状態で639L、リアシートの背もたれを倒すと1769Lにまで拡大。リアゲートを開けると、とにかく荷室のフロア面積が広いことに驚かされる。SUVよりラゲッジスペースを重視したステーションワゴンならではのメリットといえる。

加えて、ステーションワゴンでは低く、SUVでは高くなりがちなシート座面の高さも、ちょうどいい高さにあり、乗り降りしやすいのが魅力。これは、クルマに乗るたびに実感できる大きな美点となるだろう。

一方、ワゴン派生型クロスオーバーモデルは、一般的に純粋なSUVに比べて最低地上高が低く、それはパサート オールトラックでも例外ではない。実際、同モデルの最低地上高は160mmにとどまっている。

しかし、真横から眺めれば一目瞭然だが、普通のステーションワゴンに比べてロードクリアランスは明らかに大きく、それなりの悪路や雪の積もった道でも苦もなくクリアできる。もちろん、さらにロードクリアランスの大きいSUVは、より激しい悪路でも前に進めるが、果たしてそこまでのオフロード性能が必要だろうか? 99%のドライバーなら、パサート オールトラックの最低地上高で十分、事足りるはずだ。

しかもパサート オールトラックは、ベースとなったパサート ヴァリアントにはない4WD機構を採用する。4WDシステムは、状況に応じて油圧クラッチを電子制御でコントロールし、前後輪に伝達する駆動トルクを100:0〜50:50の間で断続的にコントロールするもの。さらに、滑りやすい路面での制動距離を短くするABS制御や、低速域で細かいアクセルコントロールを行える「オフロードモード」も搭載され、悪路走行時のドライバーをサポートしてくれるのだ。

■ヴァリアントと比べて乗り味が滑らか

そんなパサート オールトラックに、先頃、大改良が施された。

前後バンパーやフロントグリルなどエクステリアデザインをリフレッシュしたほか、インターネットへの常時接続を前提とした次世代のインフォテイメントシステム(ナビゲーションやエンタメ機能)を搭載。さらに、空調スイッチパネルがタッチ操作式となったこともポイントだ。

また、メカニズム面での変更も見逃せない。渋滞時の運転支援機能など先進安全技術が進化したほか、従来は6速だったデュアルクラッチ式トランスミッション“DSG”が、新型では7速へと多段化されている。

パサート オールトラックは、2リッターの直列4気筒ディーゼルターボを搭載するが、ドライブしてみて驚いたのは、その心臓部による力強い発進加速だ。40.8kgf-mという、自然吸気ガソリンエンジンでいえば4リッター級に相当する太いトルクをわずか1900回転で発生するのだから、出だしの“グッ”とくる勢いはさすがである。またディーゼルエンジンは燃費に優れ、燃料もコストが安い軽油だから財布に優しいのがありがたい。

そんなパサート オールトラックは、ベースとなったパサート ヴァリアントと比べて乗り味が滑らかなのが美点だ。足回りは路面の段差をしっかりといなし、乗員に衝撃を伝えてこない。まるで魔法のじゅうたんに乗っているのではないかと勘違いするほど、乗り心地がソフトなのだ。

ラゲッジスペースが広くて実用的な上に、悪路や雪道でも頼もしいパサート オールトラック。このモデルなら、キャンプやウインタースポーツといったレジャードライブでも快適に移動できるのは間違いない。また乗り心地重視で、ベースとなったヴァリアントではなく、あえてオールトラックを選ぶという選択も大いにアリだと思う。

<SPECIFICATIONS>
☆TDI 4モーション アドバンス
ボディサイズ:L4785×W1855×H1535mm
車重:1740kg
駆動方式:4WD
エンジン:1968cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:190馬力/3500〜4000回転
最大トルク:40.8kgf-m/1900〜3300回転
価格:604万9000円

>>フォルクスワーゲン「パサート オールトラック」

文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

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