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ボックスアートを参考にスケールを意識して波を作る!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】

&GP / 2021年9月18日 7時0分

ボックスアートを参考にスケールを意識して波を作る!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】

ボックスアートを参考にスケールを意識して波を作る!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】

【達人のプラモ術】
MENG MODEL(モンモデル)
「1/700 アメリカ海軍航空母艦エンタープライズCV-6」04/06

戦闘機やバイク、ロボット、スポーツカーなど、さまざまなプラモデルの作り方・楽しみ方を紹介する、プロモデラー長谷川迷人さんによる【達人のプラモ術】。

海洋ジオラマ製作を目指して始まったモンモデルの1/700アメリカ海軍空母エンタープライズCV-6製作は、前回で艦船は完成しました。いよいよ今回からはジオラマ製作に取り掛かります。

*  *  *

完成したエンタープライズは、洋上に停泊している艦船をイメージしたウォーターライン(喫水線仕様)で製作しています。もちろんそのままでもカッコ良いのですが、今回は艦船モデルをより楽しむために展示ケースを利用して海面ベースを製作。キットのボックスアートに描かれているような、洋上を疾走しているイメージジオラマモデルとして製作していきましょう。

海面を再現するための素材には、鉄道模型の情景製作で使われるウォーターエフェクト素材などさまざまありますが、今回はアクリル絵具で使われているモデリングぺーストなど画材店で手軽に入手できるものをメインに使用しています。

下地として使用するのは、アクリル絵画で立体感を出すため盛り上げに使われているモデリングペーストです。成分は水溶性アクリルポリマーエマルションで、広く伸ばしたり、塗り重ねて盛り上げることもでき、乾燥後に切削もできます。有機溶剤を含まないので刺激臭もありません。AFVモデルの情景ジオラマの製作でも多用されている定番テクスチャー素材です。

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中

 

■位置を決めてベースをマスキング

まずは展示ケースのベースに船の位置を決めてマスキングしておきます。縁の部分もモデリングペーストが付かないようにマスキングしておきます。

▲リアルタッチマーカーを使い船体のアタリを描いて位置決めをする

▲ベースの船体を置く位置をマスキングしておく

 

■粗面を作る

マスキングが完了したら、モデリングペーストをベースに薄くヘラを使い伸ばして(厚さ0.5ミリ~1ミリ程度、ケーキにクリームを塗るイメージ)、ベース全体に塗布して素面を作ります。

▲モデリングペーストは粘度高いので。筆よりもヘラ(写真はプラ板をカットして自作したヘラ)を使った方が均一に乗り広げられる

▲ベース全体に0.5ミリ~1ミリ程度にモデリングペーストを塗り広げる、多少のムラは気にしなくても大丈夫

ボックスアートなどを参考に、1/700スケールということを意識しながらヘラやプラ板で塗布した表面全体に波をイメージした凹凸をつけていきます。艦首部分は、波が左右に広がっているようなイメージで描いていきます。ちなみに、凪の海を表現したいのであれば波はつけません。逆に、モデリングペースト厚めに塗布してうねりをつければ荒海も表現できます。

▲モデリングペーストが乾燥しないうちにヘラで波の模様を描いていく

▲ボックスアートを参考に艦首部分は左右に波が広がるイメージで

 

■下色の青を塗装

モデリングペーストが完全に乾燥したら(2~3時間必要)、下色となる青を塗装します。特に決まった色があるワケではなく、エンタープライズが活躍したのは太平洋なので明るめの青、今回はタミヤ缶スプレーの「TS-44ブリリアントブルー」を塗装しています。

▲海の色は自分のイメージで決めてOK。作例では明るめのブリリアントブルーを使用した

さらに単調な仕上がりにならないように、ベースのブリリアントブルーの上に、色味の濃いブルー(タミヤラッカー塗料「LP-6ピュアブルー」を使用)でランダムなムラを描いていきます。

▲仕上がりが単調にならないように、濃いブルーを使い意識的に海の濃淡を描いていく

▲ベースの青塗装が完了した状態

 

■船体をマスキング

次は船首部分の波を作ります。モデリングペーストは盛り上げると乾燥に時間がかかるのでポリパテを使います。

いったん船体の乾舷をマスキングテープでカバーして両面テープで塗装した海面ベースに仮付けしておきます。

▲船体にポリパテが着かないようにマスキングテープでカバーしておく

▲船体は両面テープで塗装したベースに仮固定する

ポリパテはプラモデルの改造などに使用するパテで、硬化剤を混ぜることで約60分で硬化します。ポリパテを盛り付けて、艦首両側の盛り上がった波を、ヘラなどを使いポリパテの硬化が始まる60分以内で波の形を造形していきます。後から削ることもできるのでカタチはざっくりでも構いません。

▲ポリパテを使い艦首の波を立体的に表現

同じように艦尾側も泡立つ波を作ります。ポリパテが硬化したら、いったん船体を外します。船体を外した際にポリパテの波が崩れてしまっても瞬間接着剤で貼り付けて修復できます。

 

■波の塗装

ポリパテ造形した艦首の波部分、さらに船体側面部分をエアブラシで白で塗装していきます(筆塗りでもOK)。

▲泡立つ波を再現するため、船体周囲と艦首艦尾にポリパテで再現した波部分を艶消しの白で塗装しておく

さらにベース全体に透明メデュム、ホルベイン「ジェルメディウムヘビーボディ」を筆で盛り付けていきます。ジェルメディウムは見た目は白いのですが、塗布後乾燥すると透明になり深みのある海の質感を再現できます。また盛り上げることもできるので波の質感もよりリアルに再現できます。塗布後、透明メデュムを完全に乾燥させます。

▲波に透明感を持たせるためジェルメディムを全体に塗布していく

▲マスキングテープをはがした船体を置いてみて不自然な隙間や波の具合をチェック。問題がなければ船体を接着固定する

これで海面ジオラマのベースが完成しました。次回はさらに塗装で波を描いてよりリアルな洋上ジオラマを目指します。お楽しみに!

 

■今回使用したアイテム

ホルベイン
「モデリングペーストライト 900ml入り」(2475円)

海と波のベースとなる素地の製作に使用。アクリル画用下地用盛り上げ材。粘度が高く立体的な下地を作れて、乾燥後に切削もできる。今回使用したのは軽量タイプのライト。高密度タイプやざらっとした砂目タイプなどもある。

▲かなり固い感じの粘りがある。水で希釈すると薄く延ばせる

 

ホルベイン
「ジェルメディウムヘビーボディ 300ml入り」(990円)

今回、海の透明感再現と立体感の表現に使用。高粘性タイプのジェルメディウム。塗布することでつやと透明感が表現できる。アクリル絵具に混ぜて色を付けることも可能。ペインティングナイフなどでエッジを立てて立体的な表現もできる。

▲ドロッとしているが流動性があり、希釈しなくても筆で塗り広げられる

 

タミヤ
「ポリエステルパテ」(1078円)

艦首と艦尾の波の表現に使用。主剤と硬化剤を混ぜることで硬化する2液性パテ。硬化前はペースト状なので、盛り上げや細かな部分への充填もやりすい。硬化後は肉ヤセやヒケがなく、削って成型もできる。120gチューブ入り。

▲付属の硬化剤を混ぜてから約1時間で硬化が始まる。硬化剤の混ぜ方が甘いと硬化不良おこすので要注意

 

★達人流製作のポイント

①波のイメージはボックスアートを参考に

②スケール感を意識して波を表現する

③波の立体感をポリパテで再現

 

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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