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トヨタ「ランドクルーザー」はココがスゴい!悪路走破性の追求を目指してメカを大幅刷新

&GP / 2021年10月19日 7時0分

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トヨタ「ランドクルーザー」はココがスゴい!悪路走破性の追求を目指してメカを大幅刷新

14年ぶりに生まれ変わったトヨタ「ランドクルーザー」。新しい300シリーズは“ランクル”の旗艦であると同時に、トヨタSUVの頂点に立つモデルだ。

日本だけでなく世界が待ち望んでいたフルモデルチェンジだけに、新型に期待するなというのは無理な話だ。今回は、そんな期待が集まる300シリーズのデザインや機能、使い勝手などを検証する。

■ランクルの歴史に刻まれた新たな1ページ

「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」。新型ランドクルーザーの誕生を伝えるプレスリリースは、そんな一文から始まる。1951年のトヨタ「BJ型」の誕生をきっかけに始まったランドクルーザーの歴史に、2021年8月、新たな1ページが刻まれた。シリーズのフラッグシップであるランドクルーザーが、フルモデルチェンジで“300シリーズ”と呼ばれる新型へとバトンをつないだのだ。

そんな300シリーズの概要をお伝えする前に、まずは“ランクル”の系譜についておさらいしておこう。

今回フルモデルチェンジした300シリーズは、ランドクルーザーの頂点に立つモデルだ。“ステーションワゴン”として位置づけられ、悪路走破性に加えて快適さも追求されている。一方、ひと回り小さい「ランドクルーザープラド」は“ライトデューティーモデル”。快適な乗り心地と悪路走破性を両立した、より身近なランクルだ。

そしてランドクルーザーには、もうひとつ別のシリーズが設定される。それが「ランドクルーザー70」だ。日本向けはすでに販売を終了しているが、海外の一部地域ではいまだに現役。電子制御部品を最小限としたシンプルなメカニズムで、仮に故障しても容易に修理できる70系は、業務用途や苛酷な環境での使用を主体とした“ヘビーデューティーモデル”と位置づけられている。

■悪路走破性を左右する要素は先代から継承

今回登場した300シリーズは、ランドクルーザーの旗艦モデルだ。フルモデルチェンジはなんと14年ぶりというから、先代の200シリーズも異例のロングライフだった。

そんな300シリーズを前にして感じたのは、「ひと目でランクルと分かるデザインだな」ということ。ランドクルーザーは高い悪路走破性を備えるとともに、トヨタSUVのフラッグシップとしての気品も求められる。目の前にある300シリーズからは、ランクルが持つオーラがしっかりと伝わってくる。

大きなフロントグリルは、個人的には少しやり過ぎのように思うが、同様に感じる人は、300シリーズから追加された新グレード「GRスポーツ」を選ぶのもいいだろう。GRスポーツは他グレードに対してグリルのデザインが異なるからだ。

300シリーズのエクステリアで真新しいのは、ボンネットフードの中央が窪んでいること。膨らんでいるモデルは珍しくないが、窪んでいるのは見たことがない。実際に運転してみると、これが前方の見やすさに貢献していることに気がついた。

ボディサイズは、全長と全高こそわずかに大きくなっているが、悪路走破性を左右するホイールベースや、アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルといった要素は200シリーズから継承している。この辺りはランクル特有のお作法を感じさせる部分だ。

ドアを開け、フロアと着座位置が高い本格オフローダーらしいドライバーズシートに乗り込むと、目の前に広がるインパネの造形も、ランクルならではのこだわりをしっかり継承していることが伝わってくる。悪路などで車体の傾きを把握しやすい水平基調のダッシュボードと、柱のように垂直に立つ太いセンタークラスターとが交わるレイアウトを、200シリーズから受け継いでいる。

スイッチ類は走行系、オーディオ系、空調系など、機能ごとにまとめてレイアウトすることで、直感的な操作をサポート。そして、センタークラスターのドライバー側に大きなダイヤルが備わるのが新型の特徴のひとつだ。このダイヤルは、走行モードや駆動モードの切り替えに使われるほか、“クロールコントロール”と呼ばれる、悪路走行時にドライバーがアクセルやブレーキを操作することなく一定速度を保つシステムの速度を調整するコントローラーも兼ねている。

ハンドルから持ち替えてすぐに手が届く場所に配置されるため、サッと手を伸ばして動かすことができるのだ。

そして、ダッシュボード上にトヨタ車最大サイズとなる12.3インチのディスプレイをオプションで用意するのも、フラッグシップにふさわしい300シリーズの演出だ。

ここには、車両の周囲はもちろんのこと、車体下の映像を表示して悪路走行をサポートする機能なども盛り込まれている。

■日本仕様にもディーゼルエンジンが復活

新型ランドクルーザーは、メカニズムや各種機能にいくつものトピックが盛り込まれている。

まず注目したいのは、プラットフォームの刷新と車体の軽量化だ。ラダーフレームを組み合わせるのはランクルの伝統に則ったものだが、フレーム自体は新たに設計。これはトヨタの乗用車用としては最も大きなフレームで、北米の大型ピックアップトラック「タンドラ」の新型などにも使われている。強度と剛性を高めつつ、軽量化も実現した新フレームは、エンジンに加え、ボンネット、ルーフ、ドアパネルにアルミを採用したボディの軽量化とあわせ、従来モデルに対して約200kgも軽くなっている。

エンジンは、ダウンサイジングを図りつつ新たな選択肢も加えてきた。200シリーズは4.6リッターの自然吸気V8ガソリンエンジンを搭載していたが、新型は3.5リッターのV6ガソリンターボと3.3リッターのV6ディーゼルターボの二本立て。日本仕様にもディーゼルエンジンが復活したのがニュースである。

ガソリンエンジンの排気量を小さくした最大の理由は、燃費の追求だ。カタログに記載される燃費データは、JC08モードで6.7〜6.9km/Lだった従来モデルに対し、300シリーズのガソリン車は、より厳しい計測方法をとるWLTCモードでも7.9〜8.0km/Lへと向上。効率が高まっているのは一目瞭然だ。

排気量は小さくなったものの、動力性能についての心配はいらない。従来のV8ガソリンエンジンは、最高出力318馬力、最大トルク46.9kgf-mだったが、300シリーズのそれはターボ化の恩恵もあって409馬力/66.3kgf-mを発生する。新たに追加されたディーゼルターボでも、309馬力/71.4kgf-mを発生。そんな高出力エンジンを200kg軽くなった車体に組み合わせるのだから、動力性能は大幅に向上しているのだ。

■ラゲッジスペースの使い勝手が大幅に向上

最後に、300シリーズの使い勝手を見ていこう。

まずラゲッジスペース回りは、200シリーズと比べると大きな変化があった。荷室へアクセスするためのリアゲートが、従来の上下分割式から1枚で上へと開くタイプへと切り替わったのだ。好みが分かれる部分だが、ワンタッチで開く電動開閉機構も用意されるので、新型になって利便性が高まったと感じる人も多いのではないだろうか。

また、ガソリン車に設定される3列シート車は、3列目席の収納方法が変わったのが朗報だ。これまでは左右跳ね上げ式で、畳んでもラゲッジスペースに大きく張り出していたのがウィークポイントだった。一方300シリーズは床下収納式となり、3列目席を畳んだ際にも広い荷室スペースをスポイルせず、荷室をより有効に使えるようになった。

ちなみに2列シート車に比べると、3列目席を畳んだ状態での荷室フロアは6cmほど高くなるのだが、そういわれて初めて気がつくほどの違いでしかない。

ちなみにランドクルーザーは、“盗まれやすいクルマ”ランキングの常連だ。その理由は、人気が高い上に海外マーケットで高く売れるため。とはいえオーナーとしては、心配なところである。

そこで300シリーズは、スターターボタンに指紋認識機能を搭載。オーナーと正規のキーを持つ人以外はエンジンを始動できない仕掛けを採り入れた。こうした機能も、人気車ゆえの配慮といえるだろう。

どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマであるランドクルーザーは、優れた悪路走破性や耐久性、そして信頼性を備えていなければならない。それらは300シリーズにおいても揺るぎないこだわりだ。新しい技術や機能を採り入れながらも、根底に流れるランクルの精神は不変である。

※「Part.2」では、新型ランドクルーザーの走りの実力に迫ります

<SPECIFICATIONS>
☆ZX(ディーゼル)
ボディサイズ:L4985×W1980×H1925mm
車重:2550kg
駆動方式:4WD
エンジン:3345cc V型6気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:10速AT
最高出力:309馬力/4000回転
最大トルク:71.4kgf-m/1600〜2600回転
価格:760万円

<SPECIFICATIONS>
☆GRスポーツ(ガソリン)
ボディサイズ:L4965×W1990×H1925mm
車重:2520kg
駆動方式:4WD
エンジン:3444cc V型6気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:10速AT
最高出力:415馬力/5200回転
最大トルク:66.3kgf-m/2000〜3600回転
価格:770万円

>>トヨタ「ランドクルーザー」

文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

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