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飛行機モデルの見せ場!エース機のコクピットを塗装でリアル再現!【達人のプラモ術<飛燕>】

&GP / 2021年10月23日 7時0分

写真

飛行機モデルの見せ場!エース機のコクピットを塗装でリアル再現!【達人のプラモ術<飛燕>】

【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/48 川崎三式戦闘機 飛燕1型丁」02/04

戦闘機やバイク、ロボット、スポーツカーなど、さまざまなプラモデルの作り方・楽しみ方を紹介する、プロモデラー長谷川迷人さんによる【達人のプラモ術】。

塗装では再現できないクロームな質感を再現したメッキ「飛燕」。難易度の高い迷彩塗装をデカールで再現できてしまうのが本キットの特徴ですが、より実機らしく仕上げるためには、やはり塗装は欠かせません。今回は飛行機モデルの見せ場、細部まで再現されたコクピットを塗装でリアルにしていきます。

*  *  *

前回はメッキ落としの溶剤を使って、塗装するパーツのメッキを剥離させました。メッキパーツはそのままでは塗装が定着しない(塗料は塗れますが簡単に剥げてしまう)ため、メッキが施されたキットの製作では欠かせない作業となります。

そして今回は、メッキを落としたコクピットを塗装していきます。製作しているタミヤ「1/48 川崎三式戦闘機 飛燕I型丁 シルバーメッキ仕様(迷彩デカール付き)」(4730円)は、タミヤの飛行機モデルの中でも発売時期が新しいこともあり、コクピットの再現度は目を見張るものがあります。計器やサイドパネルのスイッチ類等も忠実に再現されており、ディテールアップパーツ等を使わなくてもリアルなコクピットを再現できます。パーツの精度も高く、ピタリと組み合わせせることができるのはさすがタミヤクオリティ。ただし小さいパーツが多いので、組み立てには精密ピンセットが必要になります。

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。

 

■組んでから塗装する

コクピットはサイドパネルを含めると20個以上のパ-ツで構成されています。インスト(説明書)ではそれぞれのパーツの詳細な塗装指示がなされていますが、ともかく細かいので個々に塗装していくには手間がかかります。

▲愛用のタミヤ「精密ピンセット(ツル首タイプ)」(1540円)。精度が高く、はさんだパーツを飛ばしにくい。ステンレス製ではさむ際の弾力が強すぎず弱すぎず使いやすい。これを使って組んでいく

そこでコクピット本体やサイドパネルをできる限り組みあげてしまい、指定の機内色(タミヤ「アクリルミニ XF-59 デザートイエロー」)で一気に塗装し、レバーやスイッチ類は後から筆で塗装していくことで、効率的に製作を進められます。

▲コクピットはレバー類など非常に小さいパーツが多いので、組み立てにはピンセットが欠かせない

▲操縦桿やレバー類、サイドコンソールは塗装前に接着してしまう。シートや計器盤フレームのフットペダルなども同様。それぞれをブロックとして組み上げておいて塗装する

▲まずは下地に黒を塗装

▲塗装を済ませたコクピットパーツ。下地の上に機内色(タミヤ「アクリルミニ XF-59 デザートイエロー」)を塗って仕上げている。スイッチやレバー類は筆で色を乗せていけばOK。計器盤はデカール

▲塗装して組み上げたコクピット。精密感抜群で、完成後の見せ場になる。計器盤後ろの黒いパーツは機首の機銃だ

 

■メッキを落とせない部分はメタルプライマーで下地処理

コクピットの両サイドとなる胴体内側部分も、パーツを取り付けて機内色で塗装しなくてはいけないのですが、当然ながらメッキされています。胴体の外側はメッキを活かすのでメッキ落とし剤は使えません…。困りましたね。

そこで、この部分は金属パーツへの塗料の食いつきを良くする下地剤「メタルプライマー」を使います。

▲エッチングパーツやダイキャストパーツといった金属パーツの下地処理用として使えるプライマー一種「メタルプライマー」(550円)。塗料の食いつきが良くなり塗膜のはがれを防いでくれる

メタルプライマーを胴体内側のメッキ面に塗布しておくと、その上から機内色で塗装しても塗膜が剥げにくくなります。メタルプライマーであってもメッキの表面では塗料の定着を若干良くする程度ですが、胴体内側内部は完成後に手で触れることはないので、これで問題ありません。

▲メタルプライマーを塗布した状態

▲メタルプライマー塗布後、機内色の下地色としてセミグロスブラックを塗装しておく。これで陰影が強調される

▲機内色(タミヤ「アクリルミニ XF-59 デザートイエロー」)の塗装が完了した胴体内部。スロットルレバーやスイッチ類は面相筆で色を乗せている

ならばコクピットのパーツもわざわざメッキを落とさずともメタルプライマーでいいのでは? と思われるでしょうが、小パーツにプライマーを塗装すると塗膜の厚みでパーツのシャープさが失われてしまうので使用を避けています。

 

■メッキパーツはプラ用接着剤が使えない

メッキを落としたパーツは通常のプラ用接着剤が使えますが、メッキパーツは接着剤がプラ材を溶かせないため使えません。胴体内側の小パーツ類は瞬間接着剤を使用して接着しています。メッキをはがしてプラ用接着剤を使う際も、接着強度を増すために接着面のメッキ被膜をカッターやヤスリで削ってから使用します。

▲胴体に取り付ける座席後部は接着面のメッキを削り落として取り付ける。瞬間接着剤はメッキ表面にはみ出すと白濁するので、ここは流し込み接着剤を使用する

▲パーツは取り付け後にパーツ裏側から流し込み接着剤でしっかりと接着する。その際、接着剤の刷毛では奥まで届かないので、面相筆を使うと作業がラク

 

■飛行機モデラーの心意気

キットは、飛燕に搭載されていた「ハ40」エンジンも再現されています。メッキ仕様ではないノーマル版はクリアー成型の胴体が付属しており、スケルトン仕様で完成後もエンジンが見えるようになっていました。

メッキ仕様では、組み込んでしまうと機首上面のパネルを外してもエンジンは上部しか見えませんが、しかしここはやはりきっちりと塗装して仕上げます。エンジンは見えなくても構わないということであれば塗装しなくてもOKです。

コクピットもそうですが完成後にはほとんど見えなくなってしまう部分が多いのが飛行機モデルの特徴かもしれません。でも見えない部分もしっかりと塗装して仕上げるのが飛行機モデラーの心意気です(笑)。

心意気はさておき、エンジンは指定色で塗装後、ドライブラシ塗装とスミ入れ塗料を使って、オイルがにじんだ使い込んだエンジン感を再現してやります(見えないけど…)。

▲組み上げて指定色で塗装した「ハ40」エンジン。完成後はほとんど見えなくなってしまうがディテールはしっかりと再現されている

▲塗装の上からシルバーでドライブラシ塗装。エッジを際立たせたあと、スミ入れ塗料のブラウンでオイル汚れの質感、使い込んだエンジン感を再現。実際「ハ40」のみならず日本機のエンジンはオイル漏れが酷かったそうだ

▲タミヤ製スミ入れ塗料はエナメル塗料で下地を溶かすことがない。ウエザリング表現で欠かせない塗料だ。ブラウン以外の色数も揃っている。価格386円

▲胴体に組み込んだエンジン。機首上面のパネルは取り外せる

 

■継ぎ目の処理

飛行機モデルの胴体は大抵左右合わせなので、接着線が目立ってしまいます。通常であれば研磨修正するのですが、メッキ仕様なのでヤスリがけができません。しかしキットは、背中の合わせ部分がカバー状パーツを重ねる仕様になっているので、コクピット後方部分に合わせ目が出ない仕様になっています。とはいえ、機首上面先端部分と機首の下面、胴体下面には接着線がはっきりと出てしまうのが辛いところ。

▲胴体接着の合わせ目部分はカバーが別パーツ化されているので、継ぎ目処理をする必要がないのはありがたい。接着は瞬間接着剤を使うが、はみ出さないように慎重に行いたい

▲胴体を合わせた後、コクピットを組み込む

▲機首上面の合わせ目を丁重に研磨して消していく。その際に胴体のメッキ分に傷が使いないようにテープでマスキングしておくこと

▲研磨してマスキングができたら、機首上面はつや消し黒で塗装する

▲エンジンの上になるパーツもつや消し黒で塗装

▲塗装が完了、完成した胴体

機首上面は黒で塗装するので研磨しても問題はないのですが、下側はそうもいかないのが悩ましいところです。まぁ飛行機を裏返して見ることはそうそう無いので、そのままでも良いのですが、モデラー的にはやはり何とかしたい…。

というワケで、研磨して合わせ目を修正。当然ながらメッキは剥がれてしまいます。

▲完成!とは言いながら 胴体下面は合わせ目の研磨のため、メッキを削ってしまった。塗装での再現は難しい、さてどうしたものか…

塗装ではキットのメッキの質感を再現するのは難しいので、研磨で落としてしまったメッキを再現するために、ある秘密アイテムを使います。

そのアイテムとは…。というところで今回はおしまいです。次回をお楽しみに!

 

★NEXT KEY ITEM!

 

★達人流製作のポイント

①塗装はメッキを落としてからが基本

②メタルプライマーを使ってメッキ面にも塗装はできる

③メッキパーツはプラ用接着剤が効かないので注意

 

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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