マツダ「CX-5」はココがスゴい!スポーツカーやタフギアを思わせる個性派が新登場
&GP / 2021年11月10日 7時0分
![マツダ「CX-5」はココがスゴい!スポーツカーやタフギアを思わせる個性派が新登場](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goodspress/goodspress_411273_0-small.jpg)
マツダ「CX-5」はココがスゴい!スポーツカーやタフギアを思わせる個性派が新登場
マツダの現行CX-5は、2016年12月のフルモデルチェンジ以来、少なくとも年に1度、多い時には年に2度の商品改良を受けてきた。
ところが2021年11月8日に発表された最新の改良メニューは、これまでのものとはちょっと様相が異なる。何しろこれまで不変だったエクステリアデザインに、ついに変更のが加えられたのだ。今回はマツダで最も売れている看板モデルの進化と真価を検証する。
■デビュー丸5年を前についにエクステリアに手が入る
新しいマツダCX-5の最大の見どころは、ついにエクステリアデザインに手が加えられたことだ。実は現行モデルとなってから、CX-5がスタイリングの変更を受けるのは今回が初めて。デビュー以来、5年間変化のなかったルックスが、ついにブラッシュアップされたのだ。
とはいえ、変更箇所はさほど多くない。フロントのグリルとバンパーのデザインが変わり、ヘッドライトとリアコンビネーションランプの発光デザインが新しくなり、アルミホイールのデザイン(「ブラックトーンエディション」のホイールを除く)が刷新されたことくらい。そのため、パッと見てすぐ違いが分かるほどではなく、新旧を見比べてようやく「あ、違うね!」と感じられるレベルだ。
ちなみに、新旧の違いが分かりやすいのは前後ライトの光り方。新型はヘッドライトのシグネチャーランプやリアのコンビネーションランプが、アルファベットの「L」のように光る。またリアのコンビネーションランプは、レンズの形状自体が従来よりも車体中央側へと伸びた横長のデザインとなり、水平感が強調されている。
そしてもうひとつ、違いが分かりやすいポイントが、樹脂パーツのフィニッシングだ。従来モデルは、全グレードが無塗装の樹脂の素地仕上げだったが、ボディ下部やフェンダーアーチ部分が、一部グレードでは塗装が施されるようになった。マツダのSUVデザインが新たなステージへ進んだことを実感させる変更だ。
■スポーティなCX-5とタフな仕立てのCX-5
そんな新型CX-5で見逃せないのが、新たな世界観を表現する特別仕様車の強化だ。これまで設定されていたブラックトーンエディションや「スマートエディション」、「エクスクルーシブモード」に加え、新たに「スポーツアピアランス」と「フィールドジャーニー」がラインナップに加わった。
スポーツアピアランスは、「ロードスター」のようなスポーツカー感覚でコーディネートされた仕様で、フロントグリルやドアミラーカバー、従来は無塗装だったボディ下部やフェンダーアーチが光沢あるブラックで塗装されているのが新しい。
インテリアはブラック基調でまとめられ、レザーシート、ハンドル、シフトレバー周辺、そしてドアトリムなどに赤いステッチによるアクセントをプラスしている。
一方のフィールドジャーニーはアクティブなテイスト。ボディ下部にシルバーのガーニッシュを加え、フロントグリルやインテリアにはライムグリーンのアクセントを配している。都会的な雰囲気を強調していた従来のCX-5では、考えられなかったコーディネートだ。
しかもフィールドジャーニーは、デザインだけでなくハード面も特別仕立てとなる。新型から導入された走行モード切り替え機能“Mi-Drive(マツダ インテリジェント ドライブセレクト)”に「オフロードモード」を備え、悪路やちょっとした積雪路でも走れるオールシーズンタイヤを装着するなど、非舗装路へ目を向けた仕様となっている。
ちなみにフィールドジャーニーのオフロードモードは、従来の“オフロード・トラクション・アシスト”が低速域でだけ作動していたのに対し、悪路走行向けの制御を中高速域まで拡大した新しいシステムとなっている。
ではCX-5は、今回のマイナーチェンジでなぜ新たな世界観を打ち出したのか? 開発陣は「各グレードの個性を分かりやすく表現し、幅広いユーザーに対応していくため」と説明する。つまり、これまでアピールしてきた都会的なイメージではカバーできていなかった、幅広い層のユーザーにCX-5をプッシュしていきたいというわけだ。スポーツアピアランスとフィールドジャーニーではまるでターゲットが異なるように、グレードによるキャラクターの振り幅が新型は格段に広くなっている。
その上で、従来よりもさらにポジションが引き上げられたのが、最上級仕様のエクスクルーシブモードだ。ボディ下部やホイールアーチなどすべての樹脂パーツをボディ同色に塗装することで、イメージ刷新を図っている。
これにより新型は、エレガントな雰囲気が強調され、従来のCX-5では味わえなかった上質感を手に入れている。またインテリアも、ナッパレザーやリアルウッドといった贅沢な素材を組み合わせることで高級感が大幅アップ。
エクスクルーシブモードは従来から存在する仕様だが、今回のマイナーチェンジでその個性がひときわ明確になったといっていい。
■レジャーユースにうれしいラゲッジスペースの改良
今回のマイナーチェンジでは、ラゲッジスペースの使い勝手が改良されるなど実用性の向上にも手が加えられている。ラゲッジスペースの改良ポイントは主にふたつ。
ひとつ目はフロアボードが上下2段調整式になったこと。従来の高さを下段とし、それより指3本分ほど高い上段にもセットできるようになった。上段にするとリアゲート開口部の下端から背もたれを倒したリアシートまでが段差のないフラットな空間となり、大きな荷物を積みやすく、車中泊もしやすくなっている。
もうひとつは床下収納スペースの拡大で、従来の30Lから50Lへと格段に大きくなった。これによりラゲッジスペースがこれまで以上にの整理整頓しやすくなっている。
ちなみにフィールドジャーニーの荷室は、フロアボードの片面が防水仕様となり、床下収納部にも防水加工が施されている。これにより、ぬれたり汚れたりしたレジャーグッズも気兼ねなく積み込める。
■現行CX-5は今後も熟成を重ねて魅力を磨き抜く
加えて今回の変更では、サスペンションのセッティングを変更したり、車体フレームに減衰構造を採用したりとメカニズムも進化。また、シートは骨盤をしっかり支える構造に進化した上で車体との取り付け剛性を向上させたり、操縦安定性や乗り心地を引き上げただけでなくロードノイズも抑えたりと、クルマとしての基本性能がしっかり追求されている。ベストを求め続けるマツダだけに、その辺りは抜かりない。
さらに装備も、スマホ用のワイヤレス充電器やハンズフリー機能付きの電動リアゲート、制御がより細かくなったヘッドライトのアダプティブ機能など、着実に充実&進化を遂げている。
CX-5は、マツダのグローバルセールスにおいて約3割の台数を占める、同社で最も売れているモデルだ。フルモデルチェンジから5年が経ったことでそろそろ次世代モデルが気になり始めるタイミングだが、このタイミングでデザイン変更が施されたということは、しばらくモデルチェンジはないと考えるのが妥当だろう。
マツダは、先日発表した「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画」において、「CX-60」や「CX-80」のデビュー計画を明かす一方、CX-5に関しては「今後も大切に育てていく」とアナウンスしている。しばらくの間は現行CX-5が熟成を重ね、魅力を磨いていくものと思われる。
<SPECIFICATIONS>
☆XDスポーツアピアランス(2WD)
ボディサイズ:L4575×W1845×H1690mm
車両重量:1710kg
駆動方式:FWD
エンジン:2188cc 直列4気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:200馬力/4000回転
最大トルク:45.9kgf-m/2000回転
価格:357万5000円
<SPECIFICATIONS>
☆20Sフィールドジャーニー(4WD)
ボディサイズ:L4575×W1845×H1690mm
車両重量:1600kg
駆動方式:4WD
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:156馬力/6000回転
最大トルク:20.3kgf-m/4000回転
価格:323万4000円
<SPECIFICATIONS>
☆XDエクスクルーシブモード(4WD/AT)
ボディサイズ:L4575×W1845×H1690mm
車両重量:1710kg
駆動方式:4WD
エンジン:2188cc 直列4気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:200馬力/4000回転
最大トルク:45.9kgf-m/2000回転
価格:407万5500円
文/工藤貴宏
工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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