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レクサス「NX」は走りがスゴい!SUVらしくない軽快さで心臓部には4種4様の個性あり

&GP / 2021年12月15日 7時0分

レクサス「NX」は走りがスゴい!SUVらしくない軽快さで心臓部には4種4様の個性あり

レクサス「NX」は走りがスゴい!SUVらしくない軽快さで心臓部には4種4様の個性あり

初のフルモデルチェンジで新型へと生まれ変わったレクサスのミッドサイズSUV「NX」。

ガソリンエンジンは2.4リッターターボと2.5リッター自然吸気の2種類、ハイブリッドは従来型とプラグインの2種類と、イマドキのニューモデルとしては心臓部の選択肢が多彩な新型NX。その気になる走り味をパワートレーン別に紹介する。

■ワインディングでの走りは水を得た魚のよう

ここまで走りがいいとは…。パワートレーンごとの解説に入る前に、まずすべてのNXに共通する美点としてお伝えしておきたいのが、ハンドリングの素晴らしさだ。新型NXの走りは事前の予想をはるかに超える出来栄えで、正直ちょっと驚いた。

新しいNXは、大小のコーナーが続くワインディングロードでも気持ち良く、そしてスムーズに曲がっていく。コーナリング時の素直な挙動と、右に左にと続くコーナーをクリアする際のつながりの良さは、クルマにうるさい人でも間違いなく納得できるレベル。走り始めてひとつ目の交差点を曲がるだけで、走りの良さを理解できるほどの完成度だ。

背の高いSUVは、重心の高さなどに起因する物理特性から、コーナリング能力に絶対的なハンデを負っている。しかし新型NXは、そんなことなど微塵も感じさせない。コーナー進入時にハンドルを切ると、驚くほどスムーズにスッとクルマの向きが変わる上、その過程におけるハンドル操作に対する反応もとても自然。こうした特性はいずれのパワートレーンにも共通する美点で、まるでスポーツセダンを想起させるような軽快な走りを披露してくれる。

また新型NXは、回り込んだキツいコーナーでもねらった走行ラインをきれいにトレースしてくれる上、無謀なドライビングをしない限り、コーナーの外側にクルマがはらむこともない。まさにオン・ザ・レール感覚で、とにかく素直で、ひたすら気持ちよく曲がってくれる印象だ。路面にクルマがビタッと張りついて、タイヤが地面を離さないといった走り味は、SUVとは思えないレベルにある。

それだけに、ワインディングロードにおける新型NXは水を得た魚のよう。気持ちよくコーナリングを楽しめ、運転する楽しさに満ちあふれている。走りのために磨き抜かれたサスペンションや、サスペンションの性能をフルに引き出す強固なボディが効いているのだろう、クルマとドライバーとの一体感が濃密なのだ。

■レクサス初のプラグインはジェット機のような加速感

いよいよここから本題。気になるパワートレーン別の走行フィールについてお伝えしていこう。

新型NXにおいて販売の中心となるのは、従来型のハイブリッドを搭載する「NX350h」。190馬力を発生する2.5リッターの自然吸気エンジンに、182馬力の前輪用モーターを組み合わせた(4WD仕様は54馬力の後輪用モーターをさらにプラス)、システム出力243馬力という仕様だ。

その走りの印象をひと言で表現するなら、ひたすらなめらか。レクサス=トヨタのハイブリッドシステムは、基本的にエンジンとモーターの力をバランスよくミックスして使う仕組みだが、タイヤが転がり始めた時点からモーター駆動ならではのスムーズさが感じられ、とても上質。“350”というモデル名につく数字からもイメージできるように、動力性能においても十分期待に応えてくれる。

また新型NXのハイブリッドシステムは、従来型といっても新世代のものへと進化しており、以前のものに比べてアクセル操作に対する加速のダイレクト感が格段に増している。そのためドライバビリティも大幅に向上。「燃費はいいけどフィーリングがね…」という印象だった先代NXのハイブリッド仕様に対し、新型のそれは燃費だけでなく運転する楽しさも身につけている。

ちなみに新型NXのハイブリッドシステムは、トヨタ「RAV4」や「ハリアー」と構成こそ共通だが、制御にはNX専用のものが採用されている。特に4WD車は、リアモーターを積極的に使う制御へと変更。走りの完成度がさらに高まっている。

続いてフォーカスするのは、レクサス車初のプラグインハイブリッドモデルとなった「450h+」。こちらは加速の勢いと伸びがものスゴい。システム出力は309馬力で、数値だけ聞けば2トンオーバーの車重に対して特筆するほどパワフルとは思えないが、実際に走らせてみるとこのクルマはとんでもなく速い。

その理由は、フル加速のシーンにおいて、大容量バッテリーを加速のために活用するため。転がり始めから最大トルクを発生するモーターへと大容量バッテリーから一気に大電力を送ることで、トルクがモリモリわき上がる力強さを披露してくれる。

その加速フィールは、まさにジェット機のそれ。まずググッと後ろから押されるように急激に加速Gが立ち上がり、そこからシームレスに車速がどんどん伸びていく。普通のハイブリッドカーでは加速が鈍りがちな80km/hを超える領域でも、グングン車速が増していく様子は圧巻だ。

プラグインハイブリッドカーというと、一般的にはエコ性能や航続距離が注目されがちだが、NX450h+は勢いある加速も楽しめるモデルなのだ。ちなみに、プラグインハイブリッドのシステム自体は、トヨタ「RAV4 PHV」に搭載されているものと基本的には同じ。しかしNX450h+では、リアモーターをより積極的に使う制御が採り入れられている。

■2.5リッター自然吸気ガソリンエンジンは掘り出し物

ガソリンエンジンは、2.4リッターターボと2.5リッター自然吸気の2種類が用意される。

パワフルな走りを求める人のために設定されたのが、新開発の2.4リッターターボを搭載する「NX350」だ。最高出力は279馬力、最大トルクは43.8kgf-mをわずか1700回転から発生する。

そのスペックからも想像できるように、速さは一級品。上り坂でもグングン加速し、どんどん車速が上がっていく。ただし、レクサスが「ダイナミックな走り」とうたうほどにはエモーショナルな魅力を感じにくいのも事実。峠道ではかなり速いものの、ドライビング時の爽快感は得にくい。

その理由は、低回転域から大トルクを発生する一方、高回転域での弾けるような伸びがないため。エンジンを高回転域まで回す歓びをあまり感じられないため、峠道でアクセルペダルを踏む歓びは控えめだ。

一方、このエンジンが光るのは高速道路でのクルージング時。低回転域でのトルクが太く、インターチェンジでの本線への合流や追い越し加速なども驚くほどラクにこなしてくれる。アメリカでは、高回転域の伸びよりもダッシュ力に優れる大排気量エンジンのような特性が好まれる傾向にあるが、まさに2.4リッターターボはそこを狙ったエンジンなのだろう。

さて最後にレポートするのは、新型NXのパワートレーンの中で最もロースペックな2.5リッター自然吸気エンジンを搭載する「NX250」。正直に告白すると、価格訴求のためのパワートレーンと説明されていたため、乗る前は全く期待していなかった。

しかし、実際にドライブしてみてビックリ! パワーも日常的なシーンでは十分ゆとりを感じられるし、ワインディングロードでアクセルペダルを踏み込むと高回転域まで軽やかに吹け上がる。おまけにアクセル操作に対する反応も実に心地良い。

この心地良さはなぜか? と思いチェックしてみたら、RAV4やハリアーに積まれる2リッター自然吸気ガソリンエンジン車はトランスミッションがCVTなのに対し、NX250ではトルコンATを組み合わせていたのだ。ドライバビリティを追い求めた場合、やはりCVTよりATに分があるということを再認識させられた。

さらに特筆すべきは、ハンドリングの軽快さが他のパワートレーンよりも抜きん出ていたこと。ターボやハイブリッド機構といった付加物がなくエンジンルーム内が軽く仕上がった分だけ、コーナリングも軽やかな印象だ。

動力性能もエモーショナルな感覚も、さらにはハンドリングの軽快さも、NX250はまさに掘り出し物といった印象。一気に加速しようとするとエンジン音が大きくなることもあるが、そこさえ気にしなければトータルバランスに優れたパワートレーンといえるだろう。

■450h+はエコとハイパフォーマンスを高次元で両立

それでは、結論といこう。

新型NXのパワートレーンとして最も魅力的なのは、ズバリ450h+に搭載されるプラグインハイブリッドだ。モーター走行時は至極なめらかな上、ひとたびアクセルペダルを踏み込めば怒濤の加速を楽しませてくれる。エコとハイパフォーマンスとの両立はクルマとして新鮮だし、所有欲も満たしてくれる。

ただし「そこまでの加速は求めない」とか、「外部から充電できるプラグイン機能はいらない」という多くのユーザーにとって最適解となるのは、やはり350hに搭載される従来型のハイブリッドだろう。

一方、ハイレベルな動力性能とガソリンエンジン車ならではの躍動感を求めるなら、NX350に搭載される2.4リッターターボが魅力。ワインディングロードでドライビングを楽しむというよりも、日常的なシーンでの力強いダッシュや高速道路でのツアラー的な乗り方がよく似合う。

そして、NX250に搭載される2.5リッター自然吸気エンジンは、新型NXの大穴的な存在。シリーズで唯一、アンダー500万円で買えるコストパフォーマンスに優れた仕様だが、なかなかどうして、その実力はあなどれない。

<SPECIFICATIONS>
☆NX250“バージョンL”(AWD)
ボディサイズ:L4660×W1865×H1660mm
車重:1710kg
駆動方式:4WD
エンジン:2487cc 直列4気筒 DOHC
最高出力:201馬力/6600回転
最大トルク:24.5kgf-m/4400回転
価格:570万円

<SPECIFICATIONS>
☆NX350“Fスポーツ”
ボディサイズ:L4660×W1865×H1660mm
車重:1780kg
駆動方式:4WD
エンジン:2393cc 直列4気筒DOHCターボ
最高出力:279馬力/6000回転
最大トルク:43.8kgf-m/1700〜3600回転
価格:599万円

<SPECIFICATIONS>
☆NX350h“Fスポーツ”(AWD)
ボディサイズ:L4660×W1865×H1660mm
車重:1810kg
駆動方式:4WD
エンジン:2487cc 直列4気筒 DOHC
エンジン最高出力:190馬力/6000回転
エンジン最大トルク:24.8kgf-m/4300〜4500回転
フロントモーター最高出力:182馬力
フロントモーター最大トルク:27.5kgf-m
リアモーター最高出力:54馬力
リアモーター最大トルク:12.3kgf-m
価格:635万円

<SPECIFICATIONS>
☆NX450h+“バージョンL”
ボディサイズ:L4660×W1865×H1660mm
車重:2010kg
駆動方式:4WD
エンジン:2487cc 直列4気筒 DOHC
エンジン最高出力:185馬力/6000回転
エンジン最大トルク:23.2kgf-m/3600〜3700回転
フロントモーター最高出力:182馬力
フロントモーター最大トルク:27.5kgf-m
リアモーター最高出力:54馬力
リアモーター最大トルク:12.3kgf-m
価格:714万円

>>レクサス「NX」

文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

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