リターンライダーなら驚くこと間違いなし!現行バイクに採用されている先進機能7選
&GP / 2022年1月16日 7時0分
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リターンライダーなら驚くこと間違いなし!現行バイクに採用されている先進機能7選
近年、リターンライダーや新規で免許を取得する人が増えるなど、バイク界には久々の追い風が吹いていますが、昔を知る人が現行のバイクの価格を知ると「高い!」と感じるかもしれません。
1980〜90年代のバイクブームの頃、バイクの価格は高校生がアルバイトをして買えるくらいのものでした。しかし今は、大型バイクだと100万円オーバーは当たり前のような価格になっています。
その要因のひとつが、環境対応などの結果、インジェクションや触媒などお金のかかる装備が増えたことなのですが、同時に電子制御の進化により、乗りやすさや安全性も格段の進歩を遂げました。
そんな、現行モデルに採用が進んでいる安全・安心に貢献する機能や、ライディングをより快適に楽しくしてくれる装備など、知れば欲しくなる先進技術を7つピックアップしてご紹介します。
1. クイックシフター
現行マシンに乗ったとき、装備されているとうれしくなる機能のひとつがクイックシフター。シフトアップやダウンの際にクラッチを切らなくても操作ができるものになります。
シフトレバーへの入力を感知して、点火をカットすることでシフト操作を可能にしているものが多いのですが、中には点火だけでなく燃料供給などまで電子的に制御しているものもあります。
「クラッチくらい切ればいいじゃん」と思われる人もいるかもしれませんが、コーナーの立ち上がりなどでアクセルを全開にしたまま左足の操作でシフトアップしていける気持ち良さを知ったら、欲しくなることは間違いありません。
近年のマシンでは、シフトダウン時に電子制御のスロットルを操作して、空ぶかしで回転を合わせてくれるものも増えています。レバー操作だけで「フォン、フォン」とレーサーのように回転を合わせてコーナーに進入していける気持ち良さは格別。まだ味わったことのない人は、ぜひ体感してもらいたい機能です。
ただし、クイックシフターの中にはシフトアップ時にしか対応していなかったり、一定の回転数以下では作動しないなど条件があるものもあります。また、操作の気持ち良さにも車種によって違いがあるので、購入前には確認しておくことをおすすめします。個人的には、ライディングの楽しさをかなり向上させてくれる重要な装備だと思います。
個人的にクイックシフターの印象が良かった車種はヤマハの「
2. コーナーリングABS
近年のバイクにはABSが装備されていることは、ご存じの人も多いかと思いますが、最新のスポーツマシンではバンク角を検知してABSを制御している車種も増えてきました。
これは、車体姿勢や加速度などを計測する6軸の「IMU」(Inertial Measurement Unit)を搭載することによって実現した機能で、これによってコーナーリング中にもブレーキ操作が可能になりました。
バンクしている最中にブレーキを握ってしまうことによる転倒(いわゆる「握り転け」)は多くのライダーが経験していることだと思いますが、そのリスクが大きく低減できるありがたい機能です。
採用しているモデルは増加傾向ですが、コーナーリングABSという名称ではないことも多いので、購入前にチェックしておきたいところです。
個人的にクイックシフターの印象が良かった車種はヤマハの「
3. トラクションコントロール
「握り転け」と同じく、スポーツライディングを楽しむユーザーにとって心配のタネなのがいわゆる「開け転け」と呼ばれるもの。コーナーの立ち上がりなどで大きくアクセルを開けてしまった際に、リアタイヤが滑って転倒してしまう現象です。
このリスクを低減してくれるのがトラクションコントロール機能。最近では、大排気量車だけでなく中型くらいのモデルにも採用が進んでいます。
後輪のスリップを感知し、駆動力(トラクション)をコントロールしてくれる機能で、搭載されていると濡れた路面でのライディング時の安心感も大きく向上します。スポーツライディングを楽しむには、必須になりつつある機能です。
スーパースポーツモデルだけでなく、近年は写真の「
4. ウイリーコントロール
ハイパワーマシンでは、不用意にアクセルを開けたときにフロントが浮いて怖い思いをすることがあります。それを、トラクションコントロールと同じく駆動力をコントロールすることで、フロントタイヤの浮き上がりを抑制してくれるのがウイリーコントロール機能です。こちらも「IMU」によって車体姿勢を計測することで実現した機能で、ハイパワーな大排気量車に装備されていると安心感がアップします。
スーパースポーツモデルだけでなく、近年は画像の「
▲ホンダ「アフリカツイン」のウイリーコントロール
メーカーによってはリフトコントロールという名称になっていたりもしますが、似たような機能でローンチコントロールというものもあります。ただ、こちらはレースのスタート時にアクセル全開のままでもフロントの浮き上がりなどを抑制するものなので、公道を走るライダーにはそれほど必要ないかもしれません。
5. クルーズコントロール
高速道路での巡航時などに、アクセルをひねらなくても一定の速度を維持してくれるのがクルーズコントロール。長距離ツーリングでの疲労低減に効果が大きいことから、採用が進んでいる機能です。最近は、4輪車のように前走車を追走し、車間距離を保ったまま速度調整もしてくれるアダプティブクルーズコントロールを搭載したバイクも登場しています。
4輪と違って、2輪車はブレーキング時に車体が不安定になることもあるので注意が必要ですが、ツーリングライダーには注目の機能といえるでしょう。
現状で搭載されているのは、ドゥカティの「
6. 電子制御サスペンション
車体姿勢などを計測し、プリロードや減衰力を適切にコントロールしてくれる電子制御サスペンション。スーパースポーツなどから採用が進んだ技術ですが、近年はツーリングモデルなどにも普及してきています。
ライディングモードに合わせてセッティングを切り替えたり、リアルタイムに適切な減衰力を提供してくれるので、さまざまなシーンや路面状況に遭遇するツーリングでこそ、役に立つ機能と言えるかもしれません。
最近では、「CRF1100L Africa Twin」や「TRASER 9」などツーリング向けのマシンにも採用が進んでいます。
7. アシストスリッパークラッチ
近年は普及が進み標準的な装備になりつつあるので、先進技術という呼び方は語弊があるかもしれませんが、付いていると非常にありがたいのがアシストスリッパークラッチ。シフトダウン時のエンジンブレーキを低減し、リアタイヤがロックしたりホッピングする現象を抑制してくれるので、コーナー入口などで安心してシフトダウン操作ができます。副次的にクラッチ操作が軽くなるのも大きなメリット。
最近のバイクに乗ると、昔に比べて劇的にクラッチが軽くなっているように感じるのは、この装備の恩恵も大きいのです。
最近はホンダの「CRF250L」や「GB350」など、
* * *
近年のバイクは、エンジンや車体、タイヤの進化だけでなく、電子制御などによるライダーをサポートする技術も進化してきています。昔のバイクしか知らない人も、一度乗ってみればその快適さ、よりライディングを楽しめる機能に魅せられるはずです。
<文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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