掃除機から高圧洗浄機まで!家庭でも使える電動工具シリーズ
&GP / 2016年7月2日 12時0分
掃除機から高圧洗浄機まで!家庭でも使える電動工具シリーズ
最近売られているコードレスの電動工具は、リチウムイオンバッテリーを採用し、充電時間の短縮や使用時間を伸ばしたりと性能向上が著しい。その反面、どの電動工具メーカー品も価格が数万円と高価になっています。
そもそも一般家庭において、電動工具を使う機会なんてたいしてありません。だったら使っていない時間にバッテリーを活かすことを考えましょう。そこで注目なのが日立工機の18Vバッテリーシリーズ。リチウムイオン電池は互換性が高く、電圧が同じであれば使い回しできるので、バッテリーひとつで電動工具から電化製品までが使えちゃうんです!
今回、特に一般家庭で活躍できる2アイテムを取り上げ、その性能をテストしてみました。まずは同社のコードレスクリーナーのフラッグシップ「R18DSAL」から。
コードレス掃除機はコンパクトで軽量、吸い込み力も十分!
強力モーターを搭載し、従来機の約1.8倍に相当する40Wのパワフルな吸引力が自慢です。カタログでは、18V、5.0Ahのリチウムイオンバッテリー「BSL1850」を使用した場合、約35分の充電で40分の連続が使用が可能とのことです。インプレッションでは6.0Aの「BSL1860」を使ったので、さらに長時間使用できます。一般家庭なら家中を掃除しても電池切れにならないでしょうね。本体はコンパクトなので収納場所にも困りません。
筆者の自宅は全面フローリングのため、畳や絨毯は試せませんでしたが、吸い込みが弱いと感じることはありません。重さはバッテリーを入れても1.4kgと、最近の家庭用コードレスクリーナーよりも軽いです!
気になった点は、スイッチがトリガー式で、これを引いていないと吸引モーターが働かないこと。最初は握りっぱなしで使用するのに違和感を感じましたが、すぐに慣れました。むしろ床に置いてあるものをどかすときなど、ちょっと手を離した隙にモーターが止まり節電できるので、バッテリー式にはありがたいです。
本体の先端にLEDランプが付いており、吸い込み口を明るく照らしてくれます。家具の隙間などの掃除に便利です。
愛車の車内を掃除しました。本体の接続口が斜めにカットされているので、延長管なしでも使用できますが、付属のノズルのほうが先端が狭まっているので使いやすいでしょう。吸引力も十分で、マットに載った土や小石も吸い込みます。
吸引したゴミは、本体の先端部分に設けたダストケースに溜め込みます。ケースを回すと本体から外れ、スピーディにゴミが捨てられます。フィルターを外さなくていいので簡単です。
最近の家庭用クリーナーのように、サイクロンモーターや特殊な吸引口を採用している訳ではありませんが、基本的な機能に不満は感じませんでした。むしろ、それらの半額以下で本体が買えるのだから、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。さらに、毎日使っているクリーナーのバッテリーが電動工具などにも使えるというメリットは大きいです!
「18V コードレスクリーナ R18DSAL」
実勢価格:
7000円前後(本体のみ)
2万7000円前後(BSL1850、充電器UC18YSL3付き)
http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/pro/blower/r14dsal/r14dsal.html
ポータブルでもパワフルな高圧洗浄機
続いては、コードレス高圧洗浄機「AW18DBL」。8リットルのタンク容量で最大噴出圧力は2.0MPaと、水道圧力のおよそ7倍を発揮します。高効率ブラシレスモーターを採用しており、「BSL1850」バッテリーと組み合わせた場合、最大噴出圧力で使用してもタンク約5.3杯分、35分の連続使用が可能です。
使用前の準備は、本体にバッテリーをセットし、ノズルとホースと本体をワンタッチで接続。タンクに給水し、本体上部に載せるだけと簡単です。別売りのジョイントを使えば、水道ホースから直接給水できるんです。
特に賢いなと感じたのが、取り外しできるタンクの写真のタンク底部分のバルブ。本体に載せるだけで本体側のバルブと「カチッ」と接続できるんです! さらにタンク形状が左右非対称のため、間違った方向での取り付けが防げます。
試しに洗車しました。特に汚れがひどいタイヤの泥が跳ね上げたホイールハウス後ろに当ててみると、まさに瞬殺! 2~3カ月にワックスを掛けて青空の下に放置していたので、撥水効果は落ちているはずなのに……。バッテリー容量も十分なので、4~5台くらい洗車できるのでは?
続いて玄関ポーチに挑戦。左半分が掃除前で右半分が掃除後です。タイルの細かな凹凸や、目地に入り込んだ汚れも簡単に吹き飛ばしてくれました。
砂埃が積もっているうえに、こけが生えているベランダ。さすがに落ちないだろうと予想しましたが、結果はAW18DBLの圧勝! 通販番組のような写真が撮れました。
本体側面には、水圧を0.5~2.0MPaの間で5段階に調整できるダイヤルが付いています。クルマ、玄関ポーチ、ベランダのいずれも1段目で落ちましたが、水圧が強いほど作業スピードは速くなります。砂かけの壁など、水圧で傷めてしまいそうな場所に使用する場合には、様子を見ながら調整すると良いでしょう。
コードレスなので、一戸建てでなくアパートやマンションの家庭でも使えます。作業中もコードが邪魔になりません。しかも強力な水圧は、一般家庭では向かうところ敵なし。インプレッションのために使用したつもりが、見る見る汚れが落ちていく様がおもしろくて、撮影後は大掃除となりました。
「18V コードレス高圧洗浄機 AW18DBL」
実勢価格:
3万5000円前後(本体のみ)
6万円前後(BSL1850、充電器UC18YSL2付き)
http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/pro/li_ion/aw14dbl/aw14dbl.html
強力・ハイスピードで作業効率アップ
ところで、肝心な電動工具の性能も気になるところです。日立工機は機能や性能に違いを持たせたコードレスインパクトドライバーを多数ラインナップしており、なかでも18V仕様で素早いネジ締めスピードと、強力な締め付けトルクを誇るハイスペックモデル「WH18DDL2」を試しました。
組み合わせたリチウムイオンバッテリーは18V、6.0Ahの「BSL1860」。約30分で充電完了でき、およそ4070本のネジを締め付けられるというから、一般家庭で使うには十分過ぎる性能ですね。
試しに、背丈以上ある本棚を組み立ててみました。
使い方はとても簡単。まずはビットを固定します。先端のガイドスリーブを引き出したままビットを差し込み、イドスリーブを戻すだけ。なお、別売りのアダプターを使えば、これ1台でインパクトレンチやドリルとしても使用できます。
次に充電したリチウムイオンバッテリーを、装着します。グリップの下にスライドし「カチッ」と音がするまではめ込み、電源スイッチを押せばOK。また、バッテリーを外すときはグレーのボタンを押さなければ引き抜けないので、作業中の落下の心配もありません。
さすがは建築現場でも使われているだけあって、締め付けトルクは強大。グリップ下に締め付けトルクを3段階で調整するスイッチがあるので、家具の組み立てなら弱で十分でしょう。なお、写真の「テクスモード」は、同社が特許を取得した技術により打撃前に回転速度を落とし、締め過ぎを防止します。
スピードが速く、あっという間に締め付けます。特にガラスの扉など、重たい部品を持ち上げたままネジ留めするのはとても大変。一瞬で締め付けられるインパクトドライバーは、こんな時にとってもありがたく感じます!
便利だと感じたのがグリップ上部の回転方向切り替えスイッチ。ドライバーを握っている指先で右回転、左回転を切り替えられるので、間違った場所にねじ込んでもすぐに抜き取れます。
トリガーの上にはLEDライトを内蔵しており、暗所でも手元を照らしてくれます。スイッチ操作で常時点灯(約2分後に自動消灯)・常時消灯・トリガー連動で点灯の3モードから選択可能です。
さすがはプロ仕様のハイスペックモデルだけあって、パワーとスピードに不満を感じることなく楽に本棚を組み上げられました。また、モーターを搭載した上部と下部のバッテリーの重量バランスが整っているので、長時間握っていても手首が疲れにくいと感じました。日頃、電動工具を使い慣れていない人にこそ、プロスペックのありがたみを感じられるのでは?
「18V コードレスインパクトドライバ WH18DDL2」
実勢価格:
1万5000円前後(本体のみ)
4万円前後(BSL1860×2個、充電器UC18YDL付き)
http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/pro/drill/wh18ddl2/wh18ddl2.html
衝撃に強くワイヤレススピーカーにもなるラジオ
18Vバッテリーが使える電動工具は、インプレッションした3機種も合わせて98種類もラインナップしています。その中から、日常生活でも役立つアイテムを紹介してみましょう。
まずはコードレスラジオ「UR18DSDL」。特許出願中の緩衝ゴムと特殊樹脂フレームを採用し、高所からの落下など強い衝撃に耐えるのが最大の特徴です。また、Bluetooth機能を搭載し、スマートフォンなどの音源も再生できます。スマートフォンを本体の保護ケース内に収納でき、市販のUSBケーブルを使えば充電もできるので、アウトドアで重宝しそうです。
「18V コードレスラジオ UR18DSDL」
実勢価格:
2万円前後(本体のみ)
http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/pro/other/ur18dsdl/ur18dsdl.html
12時間以上連続で点灯できるランタン
続いてはコードレスランタン「UB18DDL」です。発光体に白色LEDを採用し、40cm離れたところで380lxの明るさを確保します。18V、4.0Ahの「BSL1860」バッテリーで約12時間の点灯が可能。インプレッションで使用した6.0Ahの「BSL1840」ならばさらに長時間点灯できます。つり下げに便利なフック付き。
「18V コードレスランタン UB18DDL」
実勢価格:
4000円前後(本体のみ)
http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/pro/other/ub18ddl/ub18ddl.html
「自動首振り機能」を搭載したサーキュレーター
最後はコードレスファンの「UF18DSAL」です。18V、5.0Ahの「BSL1850」バッテリーの使用で、強モードで約4.5時間、弱モードで7.3時間の連続使用が可能です。自動首振り機能にACアダプターも付いているので、ガレージでの作業中はもちろん室内でも本格的に使用できます。また、コンパクトに折りたためるので収納に便利ですね。
「18V コードレスファン UF18DSAL」
実勢価格:
7000円前後(本体のみ)
http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/pro/other/uf18dsal/uf18dsal.html
(取材・文/山口清憲)
やまぐちきよのり/エディター・ライター
1978年生まれ。大学工学部卒業後、自動車専門誌の編集部勤務を経て2010年に独立。主に乗りものやメカニズム系のジャンルを得意としている
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