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機体の塗装はどこか懐かしい雰囲気で仕上げてみる!【達人のプラモ術<パイパー・トライペーサー>】

&GP / 2022年3月19日 7時0分

機体の塗装はどこか懐かしい雰囲気で仕上げてみる!【達人のプラモ術<パイパー・トライペーサー>】

機体の塗装はどこか懐かしい雰囲気で仕上げてみる!【達人のプラモ術<パイパー・トライペーサー>】

【達人のプラモ術】
モノグラム
パイパー・トライペーサー・スポーツプレーン(ノンスケール)
02/03

戦闘機やバイク、ロボット、スポーツカーなど、さまざまなプラモデルの作り方・楽しみ方を紹介する、プロモデラー長谷川迷人さんによる【達人のプラモ術】。

60年以上も前のモノグラム社製キットに取り掛かっている達人。さすがに現代のキットとは違い、細かい修正をしつつ進めていくのですが、意外にも細かいディテールがしっかりしていることが分かります。とはいえ、半世紀以上の年月を感じさせることも…。

*  *  *

■ご機嫌最高モノグラム!Part2

1970年代、日本国内で知名度と入手しやすい海外メーカーのプラモデルといえば、アメリカのレベル社とモノグラム社が双璧をなしていたと思います。60歳以上のモデラーだと、レベルではなく今でもラベールと呼んでいるモデラーも多いのでは。

達人も小学生当時、おばちゃんが一人でやっていた近所の小さな模型店(江口模型)でレベル社の1/72飛行機シリーズを夢中になって買っていました(レベル社は1963年にグンゼ産業と提携、1/72戦闘機シリーズは100円という低価格で発売。子どものおこづかいで購入できた)。

レベルの1/72飛行機シリーズの中でも模型小僧に強烈なインパクトを与えてくれたのが、このP-51Dマスタングでした。第8空軍343飛行隊のミリーGギラー少佐の機体なんだけれど、赤いマスタング!このボックスアートに心を鷲掴みされちゃったワケです。後年、実は赤じゃなくてオリーブドラブが正しいと知るんだけれど、今でもギラー少佐のマスタングを作るとしたら赤で塗る!と思っております。あぁカッコ良いなぁ。

そしてモノグラム。個人的な意見ではありますが、レベルより凄い!と思っていました。シャープなディテールや完成度の高さもさることながら、プラモデルとしての水準も群を抜いていたからからです。もちろん高嶺の花でしたけどね。モノグラム欲しさに当時のポストホビー(模型専門店)行ったのも覚えています。

 

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。

 

■一筋縄ではいかなくて…

ご機嫌最高!のモノグラムではありますが、そこはそれ、60年以上前のプラモデルです。現代のキットのようなワケにはいきません。

主翼や胴体といったパーツのあちこちにヒケ(パーツの表面がエクボ状にへこんでいる状態)や突き出しピン(金型から押し出す際にパーツに残る丸い跡)等が目立つので、修正が必要です。

当時のプラモデルは盛る、削るといった作業は当たり前でしたらから、粛々と盛って、削って修正します。機体を仮組みしてみると、う~ん機首がちょっと短いようですが…古き良きご機嫌最高!モノグラムの味(笑)、ということでストレートに製作を進めます。

▲水平尾翼の裏の目立つ突き出しピンの跡とコピーライトの刻印が目立つので削って修正。そう言えばモノグラムのキットはかなり後年のキットまで水平尾翼裏にコピーライトの刻印が入っていた

▲塗装して組み上げた計器盤。操縦桿のハンドルは実機もプラスチックなので、塗装せずそのまま組んでいる

▲トライペイサーPA22は前脚式なので、完成後尻もちをつかないように、機首に釣り用のおもり(板鉛)を15グラム詰め込んだ

 

■エンジンだって再現されてます

キットはエンジンカウルが取り外せるようになっており、内部には(当時としては)精密な水平対向4気筒のライカミングO-125 エンジンンが収まっております。ちゃんとシリンダーのフィンまでモールドされているので、銀でエンジン本体を塗装したのち、タミヤのスミ入れ塗料(ブラック)を流し込んでディテールを強調してやるだけで結構良い感じに仕上がりました。

▲2個のパーツで再現された290馬力のライカミングO-125 エンジン

▲ディテールがしっかりしているので、シルバーで塗装してスミ入れをしただけでもかなり雰囲気のある仕上がりに

 

■機体の塗装

入手したキットはインスト(説明書)が欠品だったので、塗装はボックスアートを参考に、それらしくカラーをチョイス。民間機ですから自由なセンスで塗装してもいいですしね。

機体は60年代を意識して淡いクリーム色を調色して、それをベースに赤でグラフィックを入れてみました。赤が鮮やかすぎるので、もう少し暗くても良いかもしれません(再塗装考え中)。

▲まずは機体各パーツをホワイトサーフェイサーで下地塗装

▲機体の基本色としたライトベージュはMr.カラーのホワイト+イエローで調色したものを使用

▲上が自作したライトベージュで塗装した主翼。下はホワイトサフの状態。わずかな色の違いで雰囲気が大きく変わるのが分かる

▲ライトベージュの基本塗装が終わった機体各パーツ。このあと赤を重ねるので、しっかりと乾燥させる

▲マスキングをしてタミヤラッカー塗料のブライトレッドを塗装

▲主翼には1950年代テイストでラインを入れてみたが、鮮やかすぎて、思っていたイメージとちょっと違ってしまった。もう少し赤の彩度をおとした色で塗り直した方が良さそうだ

 

■見よ!このディテール

▲出番待ちのハンターのおふたり(笑)

キットに付属するハンターのふたりですが、パーティングラインや突き出しピン跡を丁重に処理してサーフェイサーで下地塗装してみると、獲物を仕留めて笑顔を浮かべるハンターの顔のディテールや服のシワの再現等の細かさに驚かされました。現代のフィギュア並みとは言いませんが60年以上前のフィギュアなんですよ、やっぱり凄い。ご機嫌最高!モノグラムの面目躍如といったところです。

▲サフ拭きした状態のハンター。このフィギュアの味のある雰囲気がモノグラム最高!と思わせてくれる

 

■時に流れには勝てませんでした…

民間登録の機体番号が大判のデカールで再現されていますが、さすがに劣化が激しくフィルム自体も黄変しており、水に浸けてもフィルムが台紙から剥がれない状態でした(要するに使えない)。これは機体番号を手描きするか、代替えデカールを探すかないようです。

ちなみにプラモデルを作らずにため込むと、どんなキットでもまずデカールが劣化していきます。黄変や色抜け、湿気が多いとカビが生えることもあります。なのでプラモデルは積み上げないでどんどん作るのがよろしいかと(経験談)。

▲劣化したデカール。水に漬けても台紙から剥がれなかった(泣)

次回は機体の仕上げと雰囲気満点のフィギュアの塗装です。お楽しみに!

 

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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