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タフで荷物が積める頼れる乗り物!奥深い「商用バイク」の世界

&GP / 2022年3月27日 7時0分

タフで荷物が積める頼れる乗り物!奥深い「商用バイク」の世界

タフで荷物が積める頼れる乗り物!奥深い「商用バイク」の世界

車中泊やアウトドアに活用するユーザーの増加もあって、4輪の世界では「ハイエース」や「プロボックス」などの商用車に対する注目度が高まっています。質実剛健な作りで収納スペースが広く、使い勝手が良いのが人気の理由ですが、タフで荷物がたくさん積めるという意味では、いわゆる商用バイクも見逃せない存在。そもそも、近年人気の「ハンターカブ」のルーツである「スーパーカブ」も商用として開発されたものでした。

現行のラインナップや、まだ中古で入手可能なモデルを中心に、奥深い商用バイクの世界を覗いてみましょう。

 

■商用バイクとして開発された「スーパーカブ」

近年ではオシャレな街乗りバイクとして独自の世界を作っているホンダの「スーパーカブ」ですが、1958年に登場した初期型モデルは、商用として開発されたものでした。

▲1958年式「スーパーカブ(C100)」

クラッチ操作のいらない自動遠心クラッチも、出前の際にオカモチを左手で持ったまま運転できるようにとの配慮だったのは有名な逸話。その後も新聞などの配達に活躍し、筆者が免許を取った1980年代頃までは「スーパーカブ」といえば商用バイクというイメージでした。

▲2020年式「スーパーカブ 110 プロ」

「スーパーカブ」がオシャレな人が乗っているようなイメージになったのは、1990年代に入った辺りからでしょうか。今でも配達業務などに活用されてはいますが、商用バイク的なイメージを残しているのは、現行モデルでは「スーパーカブ 50/110 プロ」くらいになっています。

▲2022年発表の「スーパーカブ110」

ちなみに、現行型の「スーパーカブ110」シリーズはABS装備の規制などもあって販売が終了。開催中の東京モーターサイクルショーに、前後キャストホイールとフロントのABS付きディスクブレーキを装備した新型が出展されています。キャストホイールになると、ますます商用バイクのイメージは薄くなりますね。

 

■電動モデルも登場している「ベンリィ」

現在、配達などの現場で活躍しているのがスクータータイプの「ベンリィ」です。

▲2012年式「ベンリィ110」

2011年に初期型が登場し、翌年に原付二種の「ベンリィ110」が追加。110では最大60kgの積載が可能なリアデッキを装備しているのが商用っぽいところ。

▲2020年式「ベンリィ 110 プロ」

リアキャリアを大型化し、フロントバスケットを追加、フットブレーキを備えた「ベンリィ 50/110 プロ」も用意されています。

坂道に駐車する際に便利なブレーキロック機構や接地面積の大きいサイドスタンドなどは商用バイクらしい装備ですが、これらはアウトドアに出かけた際にも役立ちます。110はタンデム用のステップも備えていて、2015年以降のモデルであればガソリンタンクも10Lと大容量化されているので、長距離ツーリングもこなせそうです。

▲2019年式「ベンリィe:Ⅱ」

2019年からは原付一種と二種の電動モデル「ベンリィe:Ⅰ/Ⅱ」も追加され、それぞれに「プロ」仕様も用意。排気音がしないため、静音性に気を使う配達などで活躍しています。

フル充電での航続距離が原付一種の「Ⅰ」が87km、「Ⅱ」は43kmとなっていて、シート下に格納する2つの「Honda Mobile Power Pack」が動力源。法人向け販売に限られていますが、一般販売されれば乗りたいという人もいるのではないでしょうか。

 

■見た目もそっくりのライバル「ギア」

▲2020年式「ギア」

「ベンリィ」のライバルとなる存在がヤマハの「ギア」です。こちらはフロントライトが角目となっていますが、見た目が非常に似ているので、最近流行りのOEMモデル(現行ヤマハ「ジョグ」はホンダが生産)かと思ってしまいそうですが、れっきとしたオリジナルモデルです。こちらは原付一種モデルのみで、積載重量も20kgまでとなっていますが、転倒時に灯火類が破損しないデザインとし、外装パーツも壊れにくい柔軟な素材を採用しています。

 

■3輪の「ジャイロ」シリーズにも電動モデルがある

▲1982年式「ジャイロ X」

ホンダの商用バイクとして忘れてはいけない存在が、スリーター(3輪)の「ジャイロ X」。登場したのは1982年で、当時は5PSを発揮する2ストロークエンジンを搭載し、ワイルドパターンの低圧ワイドタイヤやノンスリップデフ機構も装備するなどオフロード走行も視野に入れたモデルでした。

ワンタッチパーキングやスイング機構など76ものホンダの独自技術が組み込まれた意欲的なモデルだったのです。

▲2002年式(現行モデル)「ジャイロ X」

当時とあまり変わらないデザインで現行モデルが選べるのも、このマシンの魅力。独自のスイング機構などもそのままです。

▲2021年式「ジャイロe:」

加えて、電動モデルの「ジャイロe:」もラインナップ。残念ながら法人向け販売に限られていますが、こちらも「ベンリィe:Ⅰ/Ⅱ」と同様に「Honda Mobile Power Pack」を動力源としていて、バッテリー残量が減ってきたら入れ替えられます。

ホンダは現在、「Honda Mobile Power Pack」のステーション整備に力を入れていますが、街中で利用できるようになれば、一気に電動バイクの普及が進みそうです。

 

■屋根付きで雨もしのげる「ジャイロキャノピー」シリーズ

▲1990年式「ジャイロキャノピー」

前述の「ジャイロ X」にルーフ一体式の大型風防を装備したのが「ジャイロキャノピー」です。雨の中を走っているときに見かけて、うらやましく思ったことがあるライダーも多いのではないでしょうか。こちらも2002年にフルモデルチェンジし、現行モデルとしてラインナップされています。

▲2002年式「ジャイロキャノピー」〈ワゴンタイプ〉

発売当時は、キー付きトランクを装備した〈ワゴンタイプ〉と、フラットな荷台形状の〈デッキタイプ〉の2タイプが選べましたが、現行モデルはデッキタイプのみとなっています。個人的には、これに原付二種モデルがあれば街中の移動手段としては最強なのにと思わずにはいられません。

▲2021年式「ジャイロキャノピーe:」

そして2021年には電動モデルの「ジャイロキャノピーe:」も追加されました。こちらも法人向け販売に限られますが、ふたつの「Honda Mobile Power Pack」をシート下に格納して動力源としています。電動バイクはこういったモデルから普及していくのかもしれません。

 

■国内第5のメーカーとなったaideaの「AAカーゴ」

最後に紹介しておきたいのがaidea(アイディア)の「AAカーゴ」というモデル。聞き慣れないメーカー名かもしれませんが、2019年に登場したZEV(ゼロエミッションビークル)を得意とする日本の新しいモビリティブランドです。

「AAカーゴ」はその第1号モデルで、屋根付きの電動3輪バイク。原付二種モデルで、4輪自動車のダブルウィッシュボーンを発展させた、左右独立懸架リアサスペンションを採用し、悪路や段差でもスムーズな走行が可能です。国土交通省による型式認定も取得し、国内第5のバイクメーカーとして期待が高まります。

 

<文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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