予想以上の楽しさ!人気マリンスポーツ「SUP」に乗ってきた!
&GP / 2016年8月9日 19時0分
![予想以上の楽しさ!人気マリンスポーツ「SUP」に乗ってきた!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goodspress/goodspress_48360_0-small.jpg)
予想以上の楽しさ!人気マリンスポーツ「SUP」に乗ってきた!
こんにちは、“乗り物系ライター”の三才です。しがないライター稼業ゆえ事務所にこもって原稿書きばかりしています。だからなのか、発作的に外に飛び出して思い切りカラダを動かして季節を感じたい! という衝動に駆られます。外では蝉が鳴いています。季節は夏真っ盛りです。嗚呼、海にでも繰り出したい……! そんなわけで『&GP』編集長・桑原さんへ、海に行きたいがためにプレゼンしたのが「SUP」の体験取材です。
SUP(スタンドアップパドルボードの略)とは、サーフボードに似た大きなボードの上に立って、パドルを漕ぎながら海の上を散歩したり波に乗ったりするマリンスポーツのこと。海外セレブに流行っているらしく、女子にも人気なんだそうです。
「いやね、桑原さん、SUP取材に行ったら水着女子がたくさんいるかもしれませんよ?」(三才)
「やりましょう」(桑原)←即答
瞬殺でOKが出たので(笑)、早速体験しに行ってきました!
誰でもトライしやすい、ぷかぷか海に浮かぶボード体験!
スクールのSUP体験コースにチャレンジ
しかし私、よく考えたらサーフィン未経験でウエットスーツも着たことがない。SUPはそんな超弩級の初心者でも楽しめる懐の広いスポーツのようですが、ひとりで海に漕ぎ出すなんて無理なので、まずはスクールのSUP体験コースを受講することに。今回お世話になるのは、千葉県の検見川浜に拠点を持つウィンドサーフィンスクール「Triton」。
代表の鈴木さんは元プロウインドサーファーでワールドカップの出場経験を持つ、まさに頼れるトリトン=海の神。さらに広報担当&アシスタントのアヤノさん(美人♡)もサポートしてくれるということで、大船に乗ったつもりで取材ができそうです!
SUPボードは意外と軽かった!
まずは身支度。今の季節は水着だけでいいかもしれませんが、一度着てみたかったのでウエットスーツをお借りしました。噂に違わずピッタリしているので、結構着るのが大変。そして分かってはいたものの、暑い! 体験前から軽く運動した程度に汗をかきつつ、「これがウエットか……」と地味にリア充感を満喫したりして。足元は裸足ではなく、ウエットスーツと同素材の地下足袋のようなブーツを履きます。底に滑り止め加工が施されているので、ボードの上でも滑りにくいそうです。そして仕上げにラッシュガードと帽子(ともに日焼け対策)、最後にライフジャケットを着用しました。
右と左がインフレータブルタイプ。インフレータブルでもサイズはいろいろ。中央が樹脂製
次はボードのセッティング。今回お借りするSUP用のボードは空気で膨らませるインフレータブルタイプで、幅が広く厚みがあり、浮力が大きいタイプ。主にクルージング用として使用します。他にはレースに使用されるような樹脂製のハードボードもありますが、初心者が海の上をのんびり散歩するような使い方の場合はクルージング用がオススメ。
サイズは長さ約305cm、幅が約89 cm、厚さが約15cmと大きい割に軽く、女性ひとりでも持ち運べます。尖っている方(ノーズ)が前、裏面にフィンが付いている方(テール)が後ろ。海に落ちた時にボードが流されないよう足に装着するリーシュは、テール側に接続します。
パドルは長さの調整ができます。だいたい身長+15cm程度が目安
最後はパドル。基本的にSUPは立って漕ぐため、パドルの柄を長めに設定します。身長に合わせて調整するのですが、だいたい身長+15cm程度。これもかなり軽量です。道具の準備が終わり、パドルの使い方など簡単なレクチャーを受けてから、仕上げに準備運動。鈴木さん曰く「ボード上で足を踏ん張るからか、足がつる人が多いんですよ」。つりたくない一心で、太ももの裏とふくらはぎを入念にストレッチ。これでALL完了、と言いたいところですが……?!
天候チェックを怠るなかれ!
漕ぎ出す前に(正確には準備前に、ですが)忘れちゃいけないのが天候の確認。SUPは、天気と風に大きく左右されるスポーツなのです。多少の曇り空は問題ないですが、積乱雲が近づいているようなら非常に危険。なぜなら海上にポツンと立っている人間は、雷のターゲットになりやすいから。また、風の強さと向きにも注意が必要です。動力のないSUPボードは海上に漂う木の葉の如し、初心者がいくら頑張ってパドルで漕いでも、強い向かい風にはかないません。また、強い追い風に乗って思わぬ方向に流される可能性も。加えて波も高くなるので、条件はさらに難しくなります。安全に快適にSUPを楽しむためにも、事前の天候確認は超重要! その他に堤防の位置や護岸の形状など、一帯の地形を把握しておくことも必要ですが、スクールに入ればそういったことは全部やってもらえるので安心ですね。
ボードの上に立つまでが大変、らしい
まずはボードの上に正座することから始めます。波打ち際からヒザくらいの深さの場所までボードを進め、今だ! というタイミングで、スッと正座。この“スッ”が重要です。躊躇しているとバランスを崩して海に落ちちゃうんですね。今後、この“スッ”はあらゆる場面で出てきます。
迷わず「スッ」とボードの上に正座
正座したまま風下に向かってパドルを漕ぎ進みます。それほど風は強くありませんが、最初はなかなか思う方向に進んでくれません。パドルの使い方にコツがあるようで、片側だけ一生懸命漕いでも上手く進まない。右側を2、3回掻いて今度は左側を2、3回、これを小刻みに繰り返すとイイ感じに進むようになりました。ちなみに、SUPのパドルはこうして左右頻繁に持ち替えるので、動きの妨げになりそうなリーシュを付けないのだそうです。うっかり落として流されないように気をつけないと!
慣れるまでは正座で漕ぎます
追い風に乗って漕いでいるので、海に出て5分も経っていないのに結構な距離を進んでいる様子。このあたり、完全に背の立たない深さですよね……。そこで鈴木さんの「もう大丈夫そうなので、立ってみましょうか」の声が! え、もう? SUPでもサーフィンでも立つまでが大変だって言うじゃないですか。無理だろうと思いつつ、勢いでやってみたところ…….
「立った……サンザイが立った!」(編集長)
立ち上がるポイントは、躊躇せずに「スッ」と!
躊躇なくスッと立ち上がったのが良かったようです(ドヤ)! グラッとなる前に立ってしまうのがコツのようですが、同時にパドルを手にしなければいけないので、その点はちょっと難しいかも。立ったあとは腰を引かずに背筋を伸ばし、視線は前方に(下を向かない)。パドルを持つ両腕を曲げないようにして、左右小刻みに漕いで進みます。立つと視線が高くなり視界が開けるので、さまざまなものが目に入るようになるんですよ。水面を飛び跳ねる魚や堤防に並ぶウミネコ、沖を行くタンカーなど、すべてが非日常で面白く、いくらでも眺めていられそう。波はまだ穏やかで、気分は最高!
余裕なフリをしていたら案の定落ちる
よそ見すると、バランスを崩して海に落下! 落ちる決定的瞬間は逃したものの、しっかりとシャッター押していました
途中、後ろの方からSUPボードを漕いで追って来ていた編集長が、ウッカリ海に落ちたもようです(笑)。撮影機材は大丈夫かしらと雑念がよぎった瞬間に、引っ張られるように私も海にIN! 初心者はうかつにキョロキョロしたり焦ったりすると、バランスを崩して海に落ちる可能性が高い、ということを身をもって体験しました……。ライフジャケットを着用しているので、落ちても何ら問題ないのですが(夏はむしろ気持ちイイくらい)、以降、編集長の動きは完全に無視することにしました。
堤防に掛かる橋の下をくぐってから、今度は岸に向かって折り返すことに。往路が追い風ということは、もちろん復路は向かい風。しかも海風は午後になると止むことはなく、むしろ強まる傾向にあるので、漕いでも漕いでも進みません。波も高くなってきてボードも安定しにくくなります。すぐにあらぬ方向に向いてしまうボードに四苦八苦する私を見て、「パドルをもっと深く入れて、グッとえぐるように掻いてみてください!」とアドバイスをくれたのが、アシスタントのアヤノさん。言われた通りにしたら、簡単にボードがクルッと回りました。これ、地味に感動! SUPはバランスのスポーツと言われますが、パドルを上手く使いこなしてナンボのスポーツでもあるんだな、と実感しました。
復路はあまり良いコンディションとは言えない状況でしたが、一度も落ちずに戻ることができました。途中、一生懸命漕いでも進まない私を見かねた鈴木さんが、私のボードに乗り移ってくれてタンデムで岸まで漕ぎ着けたのは秘密です。
今回は短い時間で基本を教わる初心者体験コースでしたが、もともと海に縁遠く、水着を着るのは何年振りだろうという私がトライするには充分な内容でした。正直、体験する前のSUPのイメージは、流行に敏感な女子がこぞってやりたがる“ユル系マリンアクティビティ”という感じでしたが、まったくの見当違いでした。SUPはれっきとした“スポーツ”です。ボードの上でバランスを取る動きが体幹、引いてはインナーマッスルを鍛えることに繋がり、エクササイズとして高く評価されていますし、パドルを操る腕も相当鍛えられます。「SUPヨガ」といって、SUPボードの上で行うヨガも話題ですよね。ユルいなどと言ってナメてかかると、必ずや海に落ちまくるでしょう(笑)。
とはいえ、海のスポーツの中でも、最も敷居の低いスポーツのひとつであることは間違いありません。今回お世話になった「Triton」さんのように、水着さえ持参すれば、あとは手ぶらで参加できるスクールもあります。この夏、ちょっとでも興味のある方がいたらぜひトライしてみてはいかがですか? あ、水着女子と出会えるかは運次第ですよね、編集長!(※今回は残念ながら水着女子率ゼロでした)
Triton Windsurfing School & Nature Sports
トリトン ウィンドサーフィンスクール&ネイチャースポーツ
http://www.triton-windsurfing.com
SUP体験コース:2時間3000円(道具一式レンタル料込み)
(取材・文・イラスト/三才はるな)
さんざいはるな/エディター、ライター
クルマ、自転車、オートバイ、旅行関連メディアで活動するエディター・ライター。書籍やムックの編集にも携わる。基本的に「タイヤのついた乗り物」ならなんでも興味アリ。一輪から四輪まで、さまざまな乗り物に触れて操る楽しさを、わかりやすく伝えるのがモットー。
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